29
13

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

さらばJIRA、さらばConfluence。PMのリリース作業は、すべてcursorのチャット欄で完結する

Last updated at Posted at 2025-06-25

【はじめに】PMの仕事場は、もうブラウザのタブだらけじゃなくていい

プロダクトマネージャー(PM)のデスクトップは、いつも戦場のようです。JIRAのチケット画面、Confluenceの仕様書、GitHubのプルリクエスト、Slackの議論スレッド、そしてGoogle スライド…。数十個のタブを開き、情報を探し、コピペし、要約する。そんな日常に、疑問を感じたことはありませんか?
スクリーンショット 2025-06-23 22.24.59 - 編集済み - 編集済み - 編集済み.png

私の会社でもAI活用が一大ブームとなり、私もその波に乗るべくAIコードエディタ「Cursor」を導入しました。当初の目的は、エンジニアとの共通言語を増やすこと。しかし、私の業務を根底から覆したのは、コード解析機能ではなく、Atlassian製品との直接連携機能でした。

本記事では、私がどのようにしてJIRAやConfluenceの画面を一切開くことなく、Cursorのチャット欄だけで、面倒なリリース共有資料の作成を「漏れ・抜けゼロ」で、かつ「圧倒的に速く」終わらせているか、その革命的なワークフローを具体的にご紹介します。

【悪夢の従来フロー】情報を探すだけで一日が終わる日々

PMの重要な責務の一つ、リリース内容の社内共有。しかし、その準備プロセスは悪夢そのものでした。

  1. JIRAを開き、 正しいJQLを思い出しながら、リリース対象のチケットを検索する。
  2. 数十個のチケットを一つ一つ開き、 その内容を読み解く。
  3. Confluenceを開き、 関連する仕様書を探し、変更点と見比べる。
  4. Google スライドを開き、 JIRAとConfluenceからコピペした情報を、ステークホルダー向けに体裁を整えながら要約していく。

このプロセスでは、情報の転記ミスや報告漏れが頻発。なにより、ツール間を行き来する膨大なコンテキストスイッチで、本来集中すべき「変更の意図を伝える」という仕事の前に疲れ果てていました。

【革命の新フロー】Cursorに「聞いて、まとめて」と指示するだけ

この悪夢を終わらせたのが、CursorのAtlassian連携機能です。これにより、私の仕事場はCursorのチャットウィンドウ一つに集約されました。


【技術的な補足】MCP(model context Protocol)によるAtlassian連携

本記事で紹介した「Cursorのチャット欄からJIRAやConfluenceに直接アクセスできる」仕組みは、MCP(Model Context Protocol)という連携基盤を活用しています。

MCPは、CursorとAtlassian製品(JIRA/Confluence)をAPIレベルで接続し、チャット欄からJQLクエリの実行や、Confluenceページの取得・更新などを可能にする技術です。
これにより、従来はWeb UIを介して行っていた情報収集や資料作成のプロセスを、すべてチャットベースで自動化・効率化できるようになりました。

具体的には:

  • JIRAのチケット情報取得や分類、要約
  • Confluenceの仕様書やリリースノートの自動生成・更新
  • これらの操作を、Cursorのチャット欄から自然言語で指示するだけで完結

といった使い方をしています。

MCPの公式ドキュメントはこちら
https://docs.anthropic.com/ja/docs/agents-and-tools/mcp


手順は驚くほどシンプルです。

ステップ1:Cursorのチャット欄で、JIRAに直接問い合わせる

Cursorには、Atlassianとの連携を実現するための、MCPクライアントを登録できる機能が備わっています。これを使うと、JIRAのWebサイトを開かずに、チャットで直接チケット情報を取得できます。

私のプロンプト(指示文):

@atlassian
jql: fixVersion = "20250626" AND status = "完了"

上記のJQLで取得したJIRAチケットのリストを元に、社内のステークホルダー(ビジネスサイド含む)向けのリリース共有資料のドラフトを作成してください。

# 目的
- 今回のリリース内容を、非エンジニアにも分かりやすく伝える
- ユーザーにとってのメリットや影響を明確にする

# 指示
- 取得したチケットを【機能追加】【機能改善】【不具合修正】のカテゴリに分類してください。
- それぞれのカテゴリで、内容を箇条書きで要約してください。
- 技術的な詳細(例:リファクタリング)や、ユーザー影響のない軽微な修正は「その他」として末尾にまとめてください。

私がやることは、この指示を送るだけ。JIRAにログインする必要も、JQLを思い出して入力する必要も、結果をコピペする必要もありません。Cursorが裏側でJIRAと通信し、該当チケットの情報をすべて取得してくれるのです。

(実際の出力の様子)
スクリーンショット 2025-06-23 22.54.11.png

ステップ2:AIが生成したドラフトを元に、「編集長」の仕事をする

数分後、AIはカテゴリ分けされ、綺麗に要約されたリリースノートのドラフトを返してくれます。
従来はチケットの確認・整理・資料作成に2時間以上かかっていた作業が、今では20分程度で完了するようになりました。時間だけでなく、精神的な負担も大幅に減っています。

私はそのドラフトを元に、

  • 「この機能追加の背景には、こういう顧客要望があって…」
  • 「この改善によって、コンバージョン率がこれくらい上がると期待できます」

といった、PMにしか語れない「なぜ(Why)」や「だから何(So What)」のストーリーを肉付けしていくことに集中できます。情報を集める「調査員」の仕事はAIに完全に任せ、人間は「編集長」として最終的な意味付けを行うのです。

【効果】失われた時間を取り戻し、PM本来の価値を高める

このワークフローがもたらした変化は、単なる「時短」ではありません。

  1. コンテキストスイッチからの解放: 複数ツールを行き来する必要がなくなり、一つの画面で思考が途切れない。ストレスが激減しました。
  2. ヒューマンエラーの撲滅: 転記ミスやコピペ漏れといった、手作業に起因するミスが物理的に発生しなくなりました。情報の正確性が担保されます。
  3. PMの付加価値の再定義: 単純作業から解放された時間で、より戦略的な分析や、ユーザーとの対話、次の施策のプランニングといった、本来やるべき創造的な仕事に時間を使えるようになりました。

【まとめ】PMよ、ツールを連携させ、仕事をチャット欄に集約せよ

もしあなたが、今も数十個のブラウザタブと格闘しているなら、ぜひ一度ご自身のツールセットを見直してみてください。AIの真価は、単体で使うよりも、今ある情報ソース(JIRA, Confluenceなど)とシームレスに連携させた時にこそ、最大限に発揮されます。

CursorのAtlassian連携は、その未来を垣間見せてくれる、まさに「ゲームチェンジャー」でした。PMの仕事場は、もうブラウザ上にはありません。すべては、このチャット欄から始まるのです。


▼採用情報

レアゾン・ホールディングスは、「世界一の企業へ」というビジョンを掲げ、「新しい"当たり前"を作り続ける」というミッションを推進しています。

現在、エンジニア・PM採用を積極的に行っておりますので、ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ下記リンクからご応募ください。

29
13
1

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
29
13

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?