#はじめに
AWSなどのクラウドサービスにおいて
- アンマネージドサービスとマネージドサービスの違い
- 責任分界点
- SaaS/PaaS/IaaS
といったことが少し複雑に感じたのでまとめてみました。
ぜひ最後までご覧下さい。
#本記事の内容
1. アンマネージドサービスとマネージドサービス
2. 責任分界点
3. IaaS/Paas/SaaS
4. まとめ
5. 最後に
#1. アンマネージドサービスとマネージドサービス
クラウドサービスは、よくサーバーを貸し出すだけのサービスだ
と勘違いされます
しかし実際は違っていて、データベースサーバーやメールサーバーといったある特定の目的の設定が完了したサービスも提供しています。
前者の素のままのサーバーを貸し出しているサービスを「アンマネージドサービス」
、後者のようにあらかじめ設定された状態で貸し出すサービスを**「マネージドサービス」**
と言います。
そして両者の違いは、**「運用管理などをクラウドサービスに任せるかどうか?」**にあります。
マネージドサービスは、その名の通りmanagedされているサービスなので、クラウドサービスによって保守管理が担当されています。
そのため、自分でソフトウェアをインストールしたり設定したりしなくてよく、保守運用もクラウドサービスに任せることができます。(下図参照)
例えば、データベースサーバーを例にとると、安全に運用するためには、保存先のストレージの二重化やバックアップなど考えることがたくさんあります。
そしてこういったことを全て自分で行うのは非常に大変ですし、操作を間違えればデータを消失するなどの大事故につながる可能性があります。
その点、マネージドサービスを使えば、バックアップや二重化などのデータ保全策を任せられますし、必要に応じてソフトウェアのバージョンアップやセキュリティ対策もされるので、安全に運用できます
#2. 責任分界点
先ほどアンマネージドサービスとマネージドサービスには「運用管理をクラウド側に任せられるかどうか」で違いが生じると言いました
しかし、厳密には
- 「どこまでを自分が担当するか」
- 「どこまでクラウド側が担当してくれるのか」
の違いもあります。
この担当の分岐点のことを責任分界点と呼びます。
そして、責任分界点がサービス側に寄っているものほど保守運用を任せられるため、運用の手間を軽減できるということになります。
![image.png](https://qiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/0/751055/e6842947-bf32-73ff-8b44-2df9f287e853.png)
#3. SaaS/Paas/IaaS
では最後に、クラウドサービスにおいて「どこまでの機能が提供されるのか?」を分ける用語として**「SaaS」「PaaS」「IaaS」という3つの言葉がよく使われる
**ので、それらについて紹介していきます。
##SaaS(Software as a Service : サース)
ソフトウェアの機能がサービスとして提供されるものを**SaaS
**と呼びます。
具体的にいうと、メールサーバーであったり、データベースサーバーなど多くのマネージドサービスがこれらに該当します。
そしてこれらを利用する人は、マネージドサービスであるため保守・運用の一切をクラウド側に任せることができます。
##PaaS(Platform as a Service : パース)
アプリケーションを実行するためのプラットフォームを提供するものを**PaaS
**と呼びます。
ざっくりいうと、**「作ったアプリケーションを配置するだけで実行できる環境」**です。
利用者は、「自分で配置したアプリケーション」だけを運用・保守すればよく、それが実行される環境については考える必要がありません。
例を出すと、AWSのLambdaなどのプログラム実行環境機能が、このPaaSサービスに該当します。
他に有名なものとしてはherokuなどもこのPaaSサービスに該当します。
##IaaS(Infrastructure as a Service : イアース)
ネットワークや仮想的なサーバーなどのインフラ部分を提供するものをIaaS
と呼びます。
またIaaSサービスはアンマネージドサービスになります。
利用者は、先ほどの2つと違い、全体の保守・管理をする必要があります。
またこれに該当するサービスとしては、AWSのVPSやEC2などがあります。
最後に下にSaaS、PaaS、IaaSが提供する範囲を図で表したものを載せておくので、良ければ参考にしてください
#4. まとめ
-
アンマネージドサービスとは
素のままのサーバーを貸し出しているサービス
のこと -
マネージドサービスとは
データベースサーバーやメールサーバーなどあらかじめ特定の用途に作られたサービス
のこと -
アンマネージドサービスとマネージドサービスの違いは
運用管理などをクラウドに任せるかどうか
-
責任分界点とは、
運用管理などをどこまでクラウドに担当してもらうのかを定めた分岐点
のこと -
SaaSとは
ソフトウェアの機能がサービスとして提供されたもの
-
PaaSとは
アプリケーションを実行するためのプラットフォームを提供するもの
-
IaaSとは
ネットワークや仮想的なサーバーなどのインフラ部分を提供するもの
#4. 最後に
本記事の内容がみなさんの参考になれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
#5. 参考文献
Udemy講座:ゼロから実践するAmazon Web Services。手を動かしながらインフラの基礎を習得
書籍:ゼロからわかる Amazon Web Services超入門 はじめてのクラウド かんたんIT基礎講座