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ソートアルゴリズムを楽しく学べるReact可視化シミュレーター

Last updated at Posted at 2025-12-07

👋 はじめに

みなさんこんにちは!

ソートアルゴリズムって教科書や資料で学ぶと、なかなかイメージしづらいですよね。「バブルソートとクイックソートって何が違うの?」「計算量O(n²)って実際どれくらい遅いの?」といった疑問を持ったことはありませんか?

そこで今回、ソートアルゴリズムの動きをリアルタイムで可視化し、複数のアルゴリズムを比較できるWebアプリを作成しました!React 18とTypeScriptで構築し、5種類のソートアルゴリズムを動的に可視化できます。

この記事では、ソートアルゴリズムの基礎知識から、実装の工夫点、そして可視化による学習効果まで解説していきます。

image.png

🎮 デモプレイ

💻 ソースコード

📚 ソートアルゴリズムとは

ソートアルゴリズムとは、データの集合を特定の順序(昇順や降順)に並び替える手法のことです。プログラミングの基礎であり、データベースや検索エンジン、画像処理など、あらゆる場面で使われています。

ソートアルゴリズムには多数の種類があり、それぞれ異なる戦略でデータを並び替えます。データの状態や規模によって、最適なアルゴリズムは変わってきます。

🔢 本アプリで扱う5つのアルゴリズム

1. 🫧 バブルソート(Bubble Sort)

隣り合う要素を順番に比較し、大小関係が逆なら交換する方法です。これを繰り返すことで、大きな値が徐々に右端へ「浮かび上がって」いきます。最もシンプルで理解しやすいアルゴリズムですが、効率は良くありません。

  • 計算量: 最悪 O(n²)、平均 O(n²)、最良 O(n)
  • 特徴: 実装が簡単だが大規模データには不向き

2. 👆 選択ソート(Selection Sort)

未整列部分から最小値を探し出し、先頭と交換していく方法です。毎回「最小値を選択」する動作が特徴的です。バブルソートより交換回数は少ないですが、計算量は同程度です。

  • 計算量: 最悪 O(n²)、平均 O(n²)、最良 O(n²)
  • 特徴: 交換回数が少ないが、常に全体を探索する必要がある

3. 📥 挿入ソート(Insertion Sort)

整列済み部分に未整列の要素を適切な位置に挿入していく方法です。トランプの手札を整理するイメージです。データがほぼ整列している場合は非常に高速に動作します。

  • 計算量: 最悪 O(n²)、平均 O(n²)、最良 O(n)
  • 特徴: ほぼソート済みのデータに強い、少量データに適している

4. ⚡ クイックソート(Quick Sort)

ピボット(基準値)を選び、それより小さい要素と大きい要素に分割し、再帰的にソートする方法です。実用上最も高速なアルゴリズムの一つで、多くのプログラミング言語の標準ソート関数で採用されています。

  • 計算量: 最悪 O(n²)、平均 O(n log n)、最良 O(n log n)
  • 特徴: 平均的に最速だが、最悪ケースでは遅くなる

5. 🔀 マージソート(Merge Sort)

データを分割し続けて、最終的に1要素ずつにした後、順序を保ちながらマージ(結合)していく方法です。計算量が常に O(n log n) で安定しているのが最大の特徴です。

  • 計算量: 最悪 O(n log n)、平均 O(n log n)、最良 O(n log n)
  • 特徴: 安定した性能、追加メモリが必要

⚖️ アルゴリズムの比較

アルゴリズム 平均計算量 最悪計算量 安定性 メモリ使用 実用性
バブルソート O(n²) O(n²) 安定 O(1) 学習用
選択ソート O(n²) O(n²) 不安定 O(1) 学習用
挿入ソート O(n²) O(n²) 安定 O(1) 小規模データ向け
クイックソート O(n log n) O(n²) 不安定 O(log n) 汎用的に高速
マージソート O(n log n) O(n log n) 安定 O(n) 安定性重視

ポイント:

  • O(n²)のアルゴリズムは小規模データ向き
  • O(n log n)のアルゴリズムは大規模データで威力を発揮
  • データの初期状態によって性能が大きく変わる

🎯 アプリケーションの使い方

🎪 シングルモード

1つのアルゴリズムをじっくり観察できるモードです。

  1. アルゴリズムを選択
    プルダウンメニューから5種類のアルゴリズムを選択します

  2. データパターンとサイズを設定

    • データパターン: ランダム、ソート済み、逆順、重複が多い、山型、ほぼソート済み
    • データサイズ: 10〜1000の範囲で設定(デフォルト100)
  3. 実行ボタンをクリック
    ソートアニメーションが開始されます

  4. 速度調整
    スライダーでアニメーション速度を調整できます

  5. 一時停止・再開
    実行中はボタンが「一時停止」に変わり、途中で止めたり再開したりできます

  6. リセット
    リセットボタンで初期データ生成状態に戻ります

🔄 比較モード

2つのアルゴリズムを同時実行して、性能を視覚的に比較できるモードです。

  1. 比較モードボタンをクリック
    画面上部のボタンで比較モードに切り替えます

  2. 左右のアルゴリズムを選択
    それぞれ異なるアルゴリズムを選択できます

  3. データパターンとサイズを設定
    両側で完全に同一のデータセットが使用されます

  4. 実行ボタンをクリック
    2つのアルゴリズムが同時に実行され、処理速度の違いが一目瞭然です

📈 表示情報の見方

アニメーション実行中は以下の情報がリアルタイムで表示されます。

  • ステップ数: 処理の進行度
  • 比較回数: 要素同士を比較した回数
  • 交換回数: 要素を入れ替えた回数
  • 実行時間: アニメーション開始からの経過時間(ミリ秒)

色分けルール:

  • 赤: 比較中の要素
  • 緑: 交換が発生する要素
  • 橙: 現在の作業対象
  • 黄: ピボット(クイックソートのみ)
  • 青: ソート完了部分

💡 実装の工夫点

🎲 多様なデータパターン生成

アルゴリズムの特性を理解するには、様々な初期データでの動作を観察することが重要です。そこで、ランダム、ソート済み、逆順、重複が多い、山型、ほぼソート済みといった6種類のデータパターンを用意しました。

例えば、挿入ソートは「ほぼソート済み」データで真価を発揮しますし、クイックソートは「ソート済み」や「逆順」で最悪ケースの動作を見せます。これらのパターンを切り替えることで、アルゴリズムの得意・不得意が一目瞭然になります。

🎓 可視化による学習効果

👀 アルゴリズムの動作原理が直感的に理解できる

テキストや擬似コードだけでは掴みにくいアルゴリズムの動きを、リアルタイムのアニメーションで目で見て理解できます。特にクイックソートのピボット選択やマージソートの分割統治法など、複雑な処理の流れが視覚的に明確になります。

🚀 計算量の違いを体感できる

「O(n²)とO(n log n)の違い」を数式で見るだけでなく、実際の動作速度の差として体感できます。同じデータに対して異なるアルゴリズムを比較モードで実行すれば、処理効率の違いが一目瞭然です。

特にデータサイズを大きくすると、O(n²)アルゴリズムの処理時間が急激に増える様子が観察でき、計算量の重要性を実感できます。

🎯 データ特性とアルゴリズムの相性を学べる

挿入ソートが「ほぼソート済み」データで驚異的な速度を発揮する様子や、クイックソートが「ソート済み」データで最悪ケースに陥る様子など、データの初期状態がアルゴリズムの性能に与える影響を体験できます。

これにより、「どんな状況でどのアルゴリズムを選ぶべきか」という実践的な判断力が養われます。

📊 統計情報で定量的に分析できる

比較回数、交換回数、実行時間といった統計情報がリアルタイムで表示されるため、アルゴリズムの効率を定量的に評価できます。理論的な計算量と実際の動作を照らし合わせることで、より深い理解が得られます。

🔥 能動的な学習体験

自分でパラメータを変更し、試行錯誤しながら学べる点が最大の効果です。「この設定だとどうなるだろう?」という好奇心を持って何度も試せる環境は、受動的な学習とは比較にならない学習効果をもたらします。

🎉 まとめ

今回、ソートアルゴリズムを可視化するReactアプリケーションを作成しました。

アルゴリズムの理論的な理解も重要ですが、実際に動いている様子を見ることで、より深く直感的に理解できると感じています。特に複数のアルゴリズムを同時比較できる機能は、それぞれの特性の違いを学ぶのに非常に効果的です。

ぜひ実際に触ってみて、いろいろなパターンを試してみてください。「へぇ〜、こんな動きするんだ!」という発見があるはずです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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