ふりかえりでは「問題 vs. チーム」の構図をつくるのがセオリーです。それをわかったうえで、あえて「チーム vs. チーム」の対立構図を作ってみました。この記事ではそのいきさつと、なぜそうしたかの「心」を書いてみます。
やったこと
事前にGood/Bad/Ideaの形で意見を書き込んでもらいました。Badに最も多くの意見が集まりました。事務局で多数意見をグルーピングして話題を選定。ふりかえり会への参加は「問題意識のある人」としました。当日は参加したい話題を自ら選んで(ただし一部指名もしました)Zoomのブレークアウトルームで討論してもらいました。
話題を選ぶ際に示したのはこのようなスライドです(〇〇は指名した人です):
ルーム# | 話題 | 参加してほしい人 | ファシリテーター |
---|---|---|---|
1 | 何の役割がどうあいまいで、何が困るか? | 分担があいまいで困っている人 vs. 分担をはっきりさせる立場の人(マネジャー〇〇) | リーダー〇〇 |
2 | 割込み処理、どう減らす/さばく/備える? | 割込みを強いられる人 vs. 割込みを強いる人 (リーダー〇〇) | リーダー〇〇 |
3 | : | : | : |
なぜ対立構図を作ったか
不満を出し切りたかった
特定の人たちに対する現場に不満がくすぶっているのを感じていたので、相互理解のためにそれをあえてぶつけることが効果的と考えました。言われる側からすると反論もあろうし、それを理解するだけで不満の一部は消えると考えました。それを経たうえでなら「問題 vs. チーム」の構図に移行できるだろうと考えました。
言ったもの負けを避けたかった
当社では、なにかの行動を提案した人がそのままその行動をとらされるはめになるという、「言ったもの負け」文化があると最近言われます。そのような文化では、提案をしたくなくなります。対立構造をつくることで、そのような「言ったもの負け」が初めからないことが保証され、安心して発言できると考えました。
結果
筆者の読み通り、以下の結果が得られました:
- 役割の議論では、マネジャーの大変さが伝わり、リーダーたちが「その範囲なら自分たちが引き取れる」と提案しました。
- 割込みの議論では、すべての割込みを避けたいのではなく、お客からの割込みはしようがないという理解が示され、計画できたはずのタスクが割込みになることを防ごうと提案されました。
- 「言ったもの負けにならずに済んだからこの進め方はよい」という意見も出されました。
と、さも成功談のように書きましたが、セオリーから外れることをするのは勇気が要りましたし、「あれで本当に良かったのか...?」というのが本音です。ご意見でも頂ければうれしいです。