PoAのプライベートチェーンネットワークに後からsignerノードを追加する方法(geth)

背景

• 現状サーバー2台、ノード2つだけでPoAのプライベートチェーンネットワークを構成している
• この状態だと1ノード死亡しただけでブロックの生成が止まってしまうので、もう1ノード追加したい
• ブロックを生成できる(signが可能な)ノードじゃないといけないので、単につないで同期するだけでは駄目
• geth@ v1.8.20-stableを使用

手順

https://ethereum.stackexchange.com/questions/45578/how-can-we-add-new-nodes-under-poa を参考に手順を以下にまとめる。

新しいノードの準備

• 既に動いている2つのノードをそれぞれnode1, node2、新しいノードをnode3と呼ぶことにする
• 新しく立てたサーバーにgethを入れる
• アカウントを作成する

$ geth --datadir node3/ account new
Your new account is locked with a password. Please give a password. Do not forget this password.
Passphrase:
Repeat passphrase:
Address: {(新しいEOAのアドレス)}

• このとき使ったパスワードをファイルに入れておく

$ echo 'hogehoge' > node3/password.txt

• 既に使っているgenesis.jsonをそのまま新しく立てたサーバーに持っていってinitする

$ geth --datadir node3/ init genesis.json

node3の接続

• 各ノードのstatic-nodes.jsonにnode3のenodeを追加する(bootnode使ってる場合は当然不要)

[
  "enode://(node1のenode)",
  "enode://(node2のenode)",
  "enode://(node3のenode)"
]

• この状態でnode1とnode2を起動し直し、node3を起動するとブロックの同期はできるが、node3のログに

WARN [01-13|16:32:47.353] Block sealing failed err="unauthorized signer"

と出てnode3はブロック生成を許されていないことがわかる。

新しいsignerのpropose

• node1のコンソールにアタッチする

geth attach node1/geth.cpc

• コンソールでclique.propose("新しく作ったnode3のEOAのアドレス", true)とする。

> clique.propose("(新しく作ったnode3のEOAのアドレス, 0x始まり)", true)
null

• node2についても同様のコマンドを打つ。
• 51%以上(今回は2つ)のノードでproposeがされたため、node3の新しいアカウントがsignerに追加される。なお、即追加されるわけではなく、いくつかブロックの生成を待たないといけない(かも)。

> clique.getSigners()
["(node1のcoinbaseアドレス)", "(node2のcoinbaseアドレス」)", "(新しく作ったnode3のEOAのアドレス)"]

これで例えばnode1とnode3しか動いてなくてもブロックが生成されるようになる。