はじめに
AWS Support のサポートプラン体系が大きく刷新されます。
今回の変更が実質的に“値上げ”なのか、それとも“値下げ”なのか気になっているのではないでしょうか。
結論から言えば、旧 Developer Support を利用していた私の視点では、サービス内容が大幅に強化されている一方で、最低料金は据え置きという構造になっており、「実質的にはステルス値下げでは?」と感じる内容でした。
本記事では、旧プランと新プランの違いをできるだけわかりやすく整理しつつ、特に Developer Support 利用者が押さえるべきポイントをまとめます。
以下はコンソール上からの新プランとなります。
旧プランと新プランの対応関係(個人的見解マッピング表)
| 旧プラン | 新プラン(実質的な後継) | 理由・補足 |
|---|---|---|
| Developer Support | Business Support + | 価格帯も役割も近く、機能的にはそのまま“上位版”に置き換わったイメージ |
| Business Support | Business Support + | 値段が下がる |
| Enterprise On-Ramp(廃止) | Enterprise Support | 値段が下がる |
| Enterprise Support | Enterprise Support(新) | 値段が下がる |
| (旧に相当なし) | Unified Operations Support | - |
※利用料ですが条件付きでパーセンテージ変動があるので、詳細は公式をご確認ください
旧 Developer Support は機能・料金帯ともに Business Support + が実質的な後継となり、旧 Enterprise On-Ramp は提供内容と位置づけの観点から Enterprise Support へ移行する形になる、というのが私の見解です。
※旧プランは2026/12/31まで利用できるようです。
すべてのプランと機能を比較
1. 基本情報・料金
| 機能 | ベーシック | 開発者サポート | ビジネスサポート | エンタープライズ On-Ramp | エンタープライズサポート | Unified Operations |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
料金 (月額料金の最低額) |
無料 | 29 USD または月額の3% |
100 USD または月額の10%~3% |
5,500 USD または月額の10% |
15,000 USD または月額の10%~3% |
50,000 USD または段階的レート |
| 24時間365日サポート | × | 営業時間内 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| アカウント・請求サポート | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
2. 応答時間 (初回応答)
| ケース重大度 | ベーシック | 開発者サポート | ビジネスサポート | エンタープライズ On-Ramp | エンタープライズサポート | Unified Operations |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 一般的なガイダンス | × | 24時間未満 | 24時間未満 | 24時間未満 | 24時間未満 | 24時間未満 |
| システム障害 | × | 12時間未満 | 12時間未満 | 12時間未満 | 12時間未満 | 12時間未満 |
| 本番システム障害 | × | × | 4時間未満 | 4時間未満 | 4時間未満 | 4時間未満 |
| 本番システムダウン | × | × | 1時間未満 | 1時間未満 | 1時間未満 | 1時間未満 |
| ビジネス不可欠なシステムダウン | × | × | × | 30分未満 | 15分未満 | 15分未満 |
3. テクニカルサポートチャネル
| 機能 | ベーシック | 開発者サポート | ビジネスサポート | エンタープライズ On-Ramp | エンタープライズサポート | Unified Operations |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ケース起票権限 | × | 1ユーザー | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
| メールサポート | × | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| チャットサポート | × | × | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| 電話サポート | × | × | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| Slack連携 (AWS Support App) | × | × | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
4. アーキテクチャ・運用支援
| 機能 | ベーシック | 開発者サポート | ビジネスサポート | エンタープライズ On-Ramp | エンタープライズサポート | Unified Operations |
|---|---|---|---|---|---|---|
| アーキテクチャガイダンス | × | 一般 | コンテキスト対応 | コンテキスト対応 | コンサルティング | コンサルティング |
| Trusted Advisor | × | ベーシック | フル | フル | フル + 優先度 | フル + 優先度 |
| テクニカルアカウント管理 | × | × | × | 担当プール | 指定TAM | 専任TAM & エンジニア |
| プロアクティブサービス | × | × | × | × | イベント管理等 | 運用レビュー・改善計画 |
5. セキュリティ・その他サービス
| 機能 | ベーシック | 開発者サポート | ビジネスサポート | エンタープライズ On-Ramp | エンタープライズサポート | Unified Operations |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 脅威検出・インシデント | × | × | × | × | リクエスト | リクエスト |
| Health Dashboard / API | Dashboardのみ | Dashboardのみ | 両方 | 両方 | 両方 | 両方 |
| AWS サポート API | × | × | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| サードパーティ支援 | × | × | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| インシデント検知/対応 | × | × | × | × | 追加料金 | ✓ |
| Managed Services | × | × | × | × | 追加料金 | 追加料金 |
6. 請求とコスト管理
| 機能 | ベーシック | 開発者サポート | ビジネスサポート | エンタープライズ On-Ramp | エンタープライズサポート | Unified Operations |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 請求アシスタンス | ✓ | ✓ | ✓ | コンシェルジュ | コンシェルジュ | 専任スペシャリスト |
【比較表】旧 Developer Support と 新 Business Support +
| 項目 | 旧 Developer Support | 新 Business Support + |
|---|---|---|
| 最低料金 | 29 USD/月 | 29 USD/月(同じ) |
| 変動料金(利用料の割合) | 一律 3% | 9% → 7% → 5% → 3%(段階制) |
| サポート提供時間 | 営業時間内のみ | 24時間365日(24/7) |
| 問い合わせチャネル | ウェブ(メール)のみ | 電話・チャット・ウェブ対応 |
| クリティカル障害対応(SLA) | 明確なSLAなし | ビジネスクリティカル:30分以内に人的対応 |
| Trusted Advisor | ベーシックチェックのみ | 500以上のフルチェックにアップグレード |
| GenAIリアルタイム回答 | なし | あり(AIによる推奨・回答) |
| プランの扱い | 廃止(2027/1/1まで利用可) | 正式提供プランとして継続 |
個人開発者や小規模利用者は今までは契約していても旧Developer Supportが多いと思うので、新プランで一番良くなったと感じるのは、これまでメールのみだったサポートが 電話やチャットにも対応したこと、
そして Trusted Advisor がフルチェックに強化されたこと、さらに サポート対応時間が24時間365日に拡大されたことです。
これらを踏まえると、今回の変更は“ステルス値下げ”と言えるのではないかという印象を持っています。
それでは、よいAWSライフを!
