はじめに
Teamsにいつからかひょっこり登場した「承認」アプリ。なんとなく使ってはいたものの、あまりきちんと調べたことがなかったので、どこまで使えるのか調べてみました。
承認アプリの追加方法
承認アプリを使う場合、アプリストアから「追加」または「開く」ところからスタートします。(組織によっては左側のアプリメニューにピン止めされているかもしれません)

アプリストアから承認アプリを開くと、そのままアプリを開く以外にチームのチャネルやチャットグループに追加して開くこともできます。
開き方による違いは正直よくわかりませんでしたが、チャネルなどに追加すると、アプリを起動するためのリンクの投稿が自動作成されるので、導線の工夫程度なのかなと思いました。
アプリを開くと、自分宛ての承認依頼申請の一覧と自分が申請したものの一覧が表示されます。
※ Power Automateで承認フローを運用している場合、フローで処理された承認アイテムの履歴も表示されます。
※申請の内容は、申請者と承認者に指定されたユーザーのみが見ることができます。組織の管理者であってもすべての申請履歴を見ることは原則不可となります。
「基本要求」と「テンプレート」
画面右上の「新しい承認要求」をクリックすると申請を開始できるのですが、「基本要求」から申請を行う方法と、あらかじめ用意されたテンプレートを使って申請を行う方法が用意されています。

それぞれの違いや利用における条件を後述しようと思います。
基本要求
基本要求はいわゆるフリーフォーマットでの申請で、特に制限なく利用できます。
件名、承認者、申請内容、添付ファイルなど最低限の入力項目で申請が可能です。

申請したアイテムは「送信済み」の一覧に表示され、状態が「要求しました」となります。
承認者が申請を承認または却下すると、この状態のステータスが変更されます。

テンプレート
組織では申請の種類に応じてある程度決まった入力フォームを用意しておきたいケースが多いと思います。承認アプリでもあらかじめテンプレートを用意することができるのですが、いくつか条件や注意点があります。
①テンプレートの作成、変更にはチームの所有者の権限が必要(作成済みのテンプレートの利用はメンバーでも可)
②テンプレートはチームに紐づいて管理されるため、申請対象者に応じてテンプレートを紐づけるチームの設計や管理が必要
(例えば全社的に利用したい場合は全社員がアクセスできる申請用のチームを用意したり、部門管理の場合は部門ごとのチームを設けるなど)
管理者でテンプレートを管理する場合それほど大きい問題はないかと思いますが、一般のユーザーにもテンプレートの作成を許容したい場合には、特に①の条件を踏まえてどのような運用が望ましいかの検討が必要だと感じました。(所有者の権限を持っていると他の人のテンプレートを誤って削除したり、チームやチャネル自体の削除もできてしまうので利用者へのマニュアルやアナウンスが重要です)
では、実際にテンプレートを作成する画面も見ていきたいと思います。
作成の権限を持つユーザーで承認アプリを開いて左下の「テンプレートの作成または管理」をクリックするとテンプレートの管理画面にアクセスできます。

右上の「新しいテンプレート」をクリックし、「テンプレートの選択」または「最初から作成」を選んでフォームのカスタマイズを進めます。
作成したい申請のテーマに近いテンプレートから作成すると、手間が省けてよいですね。(テンプレートを選ぶとプレビューが表示されます。)

続いてテンプレートを管理するチームを選択すると、フォームの作成画面が開きます。
作成は画面では「①基本設定」→「②フォームデザイン」→「③ワークフロー設定」の3ステップで設定を行っていきます。
②のフォームデザインでは、Microsoft Formsと同じようなUIで入力項目の設定が可能ですが、Formsよりも利用できる項目数が限られます。(テキスト、日付、選択肢のみ)

③のワークフロー設定では、承認に関する設定を行います。
※末尾の「コメントは必須です」は、Teams管理センターのアプリ設定からテナント全体で強制的に必須にすることも可能ですが、特に指定していない場合はテンプレート単位での制御が可能です。

テンプレートを公開するとテンプレートの一覧に追加され、新しい承認の作成画面にもテンプレートが表示されるようになります。

まとめ:承認アプリの使い道は
今回承認アプリについて調べた感想として、簡易的な申請管理にはとても良い機能だと思いました。
チームの作成や管理をユーザーに委任している組織だったり、メールやチャットで依頼していたようなことをワークフローっぽくやってみたいという場合には使えそうかなと。
一方で、複雑な承認ルートが必要な場合や申請された情報をどこかに一元管理したい場合には機能不足な面があると感じました。(承認アプリの申請情報はDateverse上に保存されるようですが、出力にはこれまた条件が必要です。)
複雑な申請フローや履歴管理を行いたい場合は、Power Automateを使った承認フローを組むか、ワークフロー専用のサービスなどを利用するのがよさそうです。


