概要
PIVOT 様と事例を交えて、クラウドリフトに潜むしくじりポイントを大公開 !!
今後を見据えた PIVOT 様のビジネス映像メディアのクラウド化。TOPGATE ではオンプレミス環境から Google Cloud へのリフト支援。その際に出た「違う!そうじゃない!」悲鳴と怒号、悲しみと安堵。今回はクラウドリフトに潜む“しくじりポイント“の公開に付き合ってもらおう。
株式会社トップゲート 竹内 薫 氏
開発部 インフラチームリーダー
株式会社トップゲート 小川 智寛 氏
開発部 部長 兼 執行役員 VPoE
PIVOT株式会社 蜂須賀 大貴 氏
プロダクトマネジメントチーム プロダクトマネージャー
PIVOT株式会社 黒澤 進伍 氏
プロダクトマネジメントチーム ソフトウェアエンジニア
所感
しくじり、というワードがタイトルにある通り、
オンプレミスからクラウドへ移行するというプロジェクトにおける「しくじり」話。
個人的には、成功したお話を聞くよりも、
こういったお話の方がリアリティがあり、すごく参考になる事が多いと思っています。
セッションでは、発注者としてPIVOTさん、そして受注し移行作業を進める側としてトップゲートさんが対談形式で登壇。
そもそもしくじり話をこの両者登壇という形で実現できている時点で、両者の関係性がそこそこ良好である事は感じ取れます。
(もし悲惨なことになっていたら、実現しなかったろう・・・)
内容としては、技術的な見落としなども所々にあるものの、
話の主軸は、「プロジェクトマネジメント」だと思います。
発注者側として、どのように依頼し、進捗を確認・管理し、作業をしてもらうか。
受注側として、どのような期待を持たれて、期待されるスケジュールや最低限の達成ポイントはどこにあるのか。
こういったコミニュケーションがいかに大事であるか、ということを感じることができました。
それにしても対談の中で、PIVOTさん、トップゲートさんの関係性が見えて、色々あったけどいい雰囲気で達成できた、というワン
チーム感があって、見ていてとても気持ちが良かったです。
深夜作業にslackに飛んでくる不吉なメッセージなど、当時の心中は穏やかでなかったかもしれないですが、
互いに責めるのではなく、その状況の中でも、目的達成のために「何をするのがベスト」なのか、を企業の垣根を超えて一つのチームとなって推し進めていった、というがとてもいいなと感じました。
チーム作りは、自社内・外問わず、プロジェクトのとても大事な要素であることを再認識。
内容メモ
PIVOT
映像番組を軸としたビジネスメディア。
youtubeで毎日無料配信中。
クラウドリフトの背景
- 完全外注でローンチしたサービス
- オンプレミスで構成されていた
- 1つの物理サーバーが単一障害点に
- メンテナンスが困難
- GCPとAWSがクラウド移行の候補に
- コンペを実施
- 安全性
- メディアを安定的に配信可能
- 金額
- スモールスタートできるかどうか
- 将来性
- 映像系サービスの将来性
- 分析基盤
GCPの優位性
- 分析領域が強い
- コンテンツのデータ分析をする上で、GA4やBigQueryとの親和性が高い
アーキテクト
パネルディスカッションより
PJの初速
- クラウド選定事、GCPが安全性・安定性、ダウンタイムの最小化など要望に合致した。
- 初回ミーティングは「こんにちわ」の時間がすごく長かった
- スケジュールなどの話があると期待していた
- 4/3にキックオフ→スケジュールが出たのがGW明け
- 現状把握がまだできていない状況だった
- 当初の想定ではGW開けぐらいにはリフト完了のつもりだった
- 発注する側が丸投げすると起こる
LXDのTG殴り
- 作業範囲の役割分担が曖昧だった
- 役割と技術スタックが想定と違った、その点でのコミニュケーションが足りなかった
- slackなどは流せてしまうので、ミーティングを実施して進捗を確認
墾田永年DMS
- DMS=データベースマイグレーションサービス=DB間のデータ移行サービス
- ダウンタイムをなくすために利用を決めていた
- ダウンタイム0で利用できると聞いていた
- そのためのDNS
- いざ移行となった時にDMSが使えない
- サポートに問い合わせ
- 従来のDBが、クラウドSQLに取り込めない構成・設定になっていた
- それもやむなし、書き込みを停止した場合の影響範囲を調査
- 会員登録などの書き込みは停止してもやむなし
- ただし、閲覧、メディアの再生は絶対に止めたくない
- bump&リストアで対応
- 1h想定でメンテナス時間を設定
- 深夜帯
- しかしうまくいかず。。。。(夜中2時)
- slack上がお通夜状態
- 1hが経過しそうなので、一旦切りもどし
- メンテナンス時間としてはスケジュール通り
- しかし目的達成できず。。。
- チェック不足
- 再度チャレンジして移行完了
- 達成時にはワンチームで喜びを共有
ショックザパリス
- GCPのパリリージョンで障害があった
- トップゲート側でその対応にリソースが大幅に割かれる事態あった
- PIVOT側(発注側)には関係のない話
プロマネ(コミニュケーション)
- 最初からいかにワンチームを作れるか、で今回の至る所のしくじりポイントを解決できたと思う
- 知識不足、技術不足はあるものの、コミニュケーションがとれていれば、もっと早く気づけていたのでは。
まとめ
PIVOT × トップゲートの話ではあるが、今回のしくじりは、相手がどこであろうと発生したと思う。
発注側はスケジュールの許容範囲やデッドライン、ワンチーム作りを意識する必要があるという学び
受注側は、スケジュールやマイルストーン、リスクヘッジなどをいかに考えられているか。
マネジメントは重要。
プロジェクトを進める上で、発注側、受注側、それぞれでのマネジメントが大事