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【初心者向け】「家」に例えて理解するAWSネットワーク構成

Last updated at Posted at 2025-09-11

1. はじめに

AWSを学習するときに必ず出てくるのが、以下のようなネットワーク構成です。

  • パブリックサブネット
  • プライベートサブネット
  • ALB(Application Load Balancer)
  • 踏み台サーバー(Bastion Host)
  • NATゲートウェイ

ですが、初心者からすると「なんでこんなに複雑なの?」「直接EC2にアクセスすればいいのでは?」と思ってしまうことも多いです。

そこで今回は、「家」にたとえて直感的に理解できる説明として記事にしました。

2. 対象となる方

  • AWSに限らず、IT全般の初学者の方
  • AWSを学び始めたばかりで、ネットワーク設計の基本がよく分からない方
  • AWS構成図を、ITに精通していないお客様向けに分かりやすく説明したい方

3. 今回説明する構成図

以下の構成図をもとに説明を進めていきます。
初心者向け_AWS構成図.png

4. パブリックサブネットとプライベートサブネット

  • パブリックサブネット
    構成図の緑色の箇所になります。
    例えると、家の門の外にあるインターホンに相当します。
    誰でも歩道や道路から触れることができる場所をイメージしてください。
    インターネットとつながっているため、外からアクセス可能です。
     
  • プライベートサブネット
    構成図の青色の箇所にあたります。
    こちらは、家の玄関やリビングに相当します。
    もちろん外から直接は入れません。
    鍵を持っている人や、門でチェックを受けた人だけが入れる空間です。

外から丸見えの場所(パブリック)と、安全な内部空間(プライベート)を分けることで、セキュリティを確保します。

5. ALBは正面玄関の受付

本構成では、利用者がアプリを使うときは、必ず正面玄関の受付(ALB) を通るようにします。

  • 受付(ALB)で「この人は入っていいか?」を確認
  • 許可された人だけが、リビング(EC2のアプリ)に案内される

これにより、外部から直接サーバーに入れない構造になります。

補足:実際のALBはもう少し多機能です

1. 案内係(負荷分散)

ALBは複数のサーバーに人を振り分ける案内係でもあります。

例)

  • 玄関に複数の案内係がいて、訪問者を空いている部屋(EC2)に案内する
  • 人気のレストランで「こちらの席にどうぞ」と振り分けるイメージ

これにより、サーバーの負荷が1台に集中せず、分散させることが可能です。

2. サービスごとの入り口(ルーティング)

ALBは、アクセスする「URLのパス」に応じて案内先を変えることもできます。

例)

  • /app1 → アプリAのサーバーへ
  • /app2 → アプリBのサーバーへ

家でたとえると、玄関で来客に応じて『リビングに案内』『客室に案内』をする受付係です。

6. 踏み台サーバーは「守衛室」

管理者がサーバーにログインするときも、直接リビングには行けません。

  • まずは「守衛室(踏み台サーバー)」に立ち寄り、本人確認を受ける
  • 守衛室を通った人だけが、サーバーにログインできる

管理者ですら裏口から直接入れない構成にすることで、安全性を高めます。

7. 秘密鍵は特別な合鍵

守衛室に入るには、特別な合鍵(秘密鍵) が必要です。

  • 秘密鍵を持っている人だけが守衛室に入れる
  • 守衛室には、その合鍵でしか開かない鍵穴(公開鍵)がついている
  • 鍵がない人は絶対に入れない

秘密鍵は「本人しか持っていない特別な合鍵」であり、管理者だけが安全にアクセスできる仕組みです。

8. NATゲートウェイは「宅配代行サービス」

プライベートサブネットのサーバーは外から直接アクセスされないと同時に、自分からインターネットに出ることもできません
しかし、ソフトウェア更新や外部サービス利用のために外に出たいこともあります。

そこで登場するのが NATゲートウェイ(宅配代行サービス) です。

  • 家の中の人(プライベートサブネットのEC2)が「牛乳が欲しい」と注文
  • 宅配代行(NATゲートウェイ)が代わりにお店(インターネット)へ買い物に行く
  • 商品を家の中に届けてくれる
  • お店側からは「代行サービスからの注文」にしか見えず、家の中の人が直接見えることはない

これにより、外からは見えないけど、安全に外へ出られる仕組みが実現します。

9. まとめ

  • パブリックサブネット:門の外(誰でも見える場所)
  • プライベートサブネット:家の中(外から直接は入れない)
  • ALB:正面玄関の受付(利用者は必ずここを通る)
  • 踏み台サーバー:守衛室(管理者も必ずここを通る)
  • 秘密鍵:守衛室に入るための特別な合鍵
  • NATゲートウェイ:宅配代行サービス(安全に外のサービスを利用できる仕組み)

AWSのネットワーク設計は初学者の方にとっては一見複雑ですが、家に例えて 「安全にするための動線づくり」 と考えるとシンプルに理解できます。

10. おわりに

この記事では、家に例えてAWSネットワークの基本的な考え方を紹介しました。
本記事によってAWS構成が理解できたり、お客様向けに分かりやすく説明するきっかけになれば嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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