はじめに
このエントリは、Kubernetes 1.12 の CHANGELOG から 既知の問題 (Known Issues) と 廃止された機能および廃止予定の機能 (Deprecations and removals) についてまとめています。翻訳に合わせて補足を追記しています。その他の内容は次のリンク先を参照してください。
- Kubernetes 1.12: 既知の問題 (Known Issues) と 廃止された機能および廃止予定の機能 (Deprecations and removals)
- Kubernetes 1.12: 主な変更点 (Major Themes)
- Kubernetes 1.12: Action Required
- Kubernetes 1.12: 新機能 (New Features)
- Kubernetes 1.12: API Changes
Kubernetes 1.12: 既知の問題 (Known Issues)
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Feature#566 にてデフォルトの DNS プラグインが、kube-dns から CoreDNS へと変更になりましたが、 2000 ノードを超える大規模なクラスタにおいてメモリ使用量の問題が発生したため、
kube-upスクリプト内のデフォルトの DNS プラグインは kube-dns に据え置かれました。
[cluster/kube-up.sh](https://github.com/kubernetes/kubernetes/blob/master/cluster/kube-up.sh) で起動されるクラスターのデフォルトの DNS プラグインが kube-dns のままです、というだけのようです。**Note**
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kube-controller-managerにおいて、--tls-cert-fileまたは--tls-private-key-fileが設定されていない場合、自己署名証明書を生成するために、書き込み可能な--cert-dir(デフォルトでは/var/run/kubernetes) が必要となります。 -
ClusterRoleのsystem:kube-controller-managerがextension-apiserver-authenticationConfigMapのgetに対する権限を持っていないため、kube-controller-managerがこのClusterRoleを利用していた場合、実行時にエラーが発生します。 -
Runtime handler と Windows npipe protocol はまだ crictl v1.11.x でサポートされていません。これらの機能は Kubernetes v1.12.1 と一緒にリリースされる crictl v1.12.0 でサポートされる予定です。
Kubernetes 1.12: 廃止された機能および廃止予定の機能 (Deprecations and removals)
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kubeadmにおいて、Alpha 機能であるHighAvailability,SelfHosting,CertsInSecretsが非推奨となり、v1.13.0 で削除予定です。 -
Cloud Provider における cloudstack および ovirt が非推奨となり、将来のバージョンで削除されます。(#68199, @dims)
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kubectl runからrun-pod/v1を除いた全ての generators が非推奨となりました。この変更はkubectl runをよりシンプルに、podのみを生成するようにする作業の一環で、もしその他のリソースの生成が必要であるならば、kubectl createを利用するようにしてください。 (#68132, @soltysh)今までの `kubectl run` のデフォルトの挙動は `Deployment` の生成だったのですが、今後は、`docker run` のように `Pod` を生成するのみに変更するとのことです。
**Note** -
kubectl logsにおいて非推奨となっていた--interactiveフラグが削除されました。(#65420, @jsoref) -
kubectl version (--client)において非推奨となっていた shorthand な-cフラグが削除されました。(#66817, @charrywanganthony) -
kubectl execにおける--pod (-p)フラグが非推奨となり、将来のバージョンで削除されます。このフラグは現状、オプショナルです。(#66558, @quasoft) -
kubectlにおける--use-openapi-print-columnsが非推奨となり、将来のバージョンで削除されます。--server-printオプションを利用してください。(#65601, @liggitt) -
/watchプレフィックスのついた Watch API における各エンドポイントが非推奨となり、将来のバージョンで削除されます。リソースを watch するための標準的な方法は、list API エンドポイントに対して?watch=trueパラメータをつけることです。(k8s v1.0 からサポートされています。) 全ての client-go クライアントは v1.6.0 からすでにこのパラメータを利用しています。(#65147, @liggitt) -
Heapster からのメトリクスを利用した Horizontal Pod Autoscaler は非推奨となり、将来のバージョンで削除されます。(#68089, @DirectXMan12)