はじめに
はじめまして!花王株式会社の@yu_pandaです。
最近話題になっているリアクティブなPythonノートブック marimo を VSCode + uv の環境で試してみたところ使いやすかったので、基本的な使い方をまとめました。
利用した環境は以下の通りです。
- Windows
- Python 3.13
- uv
- VSCode
「ノートブックをGitで管理したい」 「セルの変更に応じて自動で再実行してほしい」
そんな方に特におすすめです。
marimoとは
Python で書かれたリアクティブなノートブックです。使い勝手は Jupyter Notebook に近いですが、仕組みが異なります。詳しくは公式ドキュメントをご覧ください。
Jupyter Notebook を使っていて、こんなことで困ったことありませんか?
- Git で管理したいけど、差分が読みにくい
- VSCode でカーネルを毎回切り替えるのが面倒
- セルを1つ変更すると、関連するセルを手動で再実行しないといけない
これらを解決してくれるのが marimo です。
marimo のノートブックは.py ファイルとして保存されるため Git 管理しやすく、
セル間の依存関係を自動解析して、変更したセルに影響する部分だけを自動で再実行してくれます。
環境構築
拡張機能のインストール
まずは VSCode に marimo の拡張機能を入れます。
- 左側のサイドバーから「拡張機能」を開く
-
marimoと検索 - 表示された拡張機能をインストール
uvで環境セットアップ
Python のパッケージ管理にuv を使用します。
(uv の基本的な使い方は本記事では割愛します)
以下のコマンドで環境を作成し、marimo をインストールします。
uv init -p 3.13
uv sync
uv add marimo
ここまでで準備完了です。
VSCodeでの基本的な使い方
marimo を VSCode で使う際の基本的な操作を紹介します。
ノートブックの新規作成
-
Ctrl+Shift+Pを押してコマンドパレットを開く - "marimo" と入力
-
Create New marimo notebookを選択 - ファイル名を入力して作成
試しに、以下のようなコードをセルに入力してみてください。xやyを変更すると、x+yのセルも自動で更新されます。
ノートブックの開き方(VSCode)
marimo の.pyファイルを開いた際、テキストとして表示されることがあります。
その場合は右上にある marimo アイコンをクリックすると、ノートブック表示に切り替わります。
ブラウザで開く
VSCode ではなくブラウザで編集したい場合は、ターミナルで以下を実行します。
marimo edit your_notebook.py
ブラウザでの変更は VSCode 版にも即時反映されます。
便利な機能
marimo の便利な機能をいくつか紹介します。
リアクティブ実行
marimo はセルの依存関係を自動で解析し、必要な部分だけ自動で再実行してくれます。
VSCode 版では、まれに自動実行が反応しないことがありましたが、その場合は一度「すべてを実行」を行うと、依存するセルが正しく自動で再実行されました。
一方、ブラウザ版では特に問題なくリアクティブ実行されました。
データフレーム表示
追加の拡張機能なしで、データフレームを見やすいテーブルとして表示できます。
※データはVega datasetsを使用しています。

パッケージの自動インストール(uv連携)
セルを実行した際に必要なパッケージが存在しない場合、marimo が uv add を自動で提案してくれます。ブラウザ版では pip など他のインストール方法も選択可能です。
アプリ表示
ノートブックをそのまま Web アプリとして表示できます。marimo.uiにインタラクティブなUIコンポーネントも用意されているので、コードを見せずに簡単なデモを共有したいときに便利です。
marimo run your_notebook.py
おわりに
marimo は、スクリプトの扱いやすさとノートブックの手軽さを両立した新しいノートブックだと感じました。
まだ試せていない機能も多いので、「こんな使い方が便利!」などあればぜひ教えてください!






