はじめに
SIMCA onlineのデータソースに、PI systemやAspentechなどのヒストリアンが接続されている場合、SIMCA onlineにダミーモデルをuploadし、configurationしたあとでpredictするとデータセットが作成できます。
筆者は、この方法を知らなかったので、web APIを使ってヒストリアンから関連するタグのデータをすべてダウンロードし、SQLでjoinしてデータセットを作成していました。これがとてつもなく面倒だったのですが、ここで紹介する方法を知ってからは、あまりストレスを感じずにデータセットを作成できるようになりました。ぜひ皆様にも役に立つのではと思いますので、ここに紹介いたします。
ダミーデータファイル (xlsx) の作成
下に示したようなダミーデータファイルを作成します。手順は以下の通りです。
- モデルに入れるタグを決めます。ここでは例として、Variable1, Variable2, Variable3の3タグをモデルに入れることにしています。(実際の筆者のuse caseでは、設備のタグリストから該当するタグを約40個、ここにリストしていました)
- バッチ数は3つとします (Dummy Batch 1, Dummy Batch 2, Dummy Batch 3)。
- Phaseごとに下のようなダミーデータを作成します。Phaseの数は、実際のユースケースのphase数と一致させておくとよいでしょう。ここでは例として 2 phaseとしています。Phase 1はPhase 1と名付けたシートに、Phase 2はPhase 2と名付けたシートに保存します。
- 値を入れます。ダミーデータですので、すべて1で構いません。
Batch ID Phase ID Variable1 Variable2 Variable3
Dummy Batch 1 Phase 1 1 1 1
Dummy Batch 1 Phase 1 1 1 1
Dummy Batch 1 Phase 1 1 1 1
Dummy Batch 1 Phase 1 1 1 1
Dummy Batch 2 Phase 1 1 1 1
Dummy Batch 2 Phase 1 1 1 1
Dummy Batch 2 Phase 1 1 1 1
Dummy Batch 2 Phase 1 1 1 1
Dummy Batch 3 Phase 1 1 1 1
Dummy Batch 3 Phase 1 1 1 1
Dummy Batch 3 Phase 1 1 1 1
Dummy Batch 3 Phase 1 1 1 1
上のようなデータを、例えばdata.xlsxという名前のファイルの"Phase 1"というシートに保存します。また、下のデータを"Phase 2"のシートに保存します。なお、下のデータは phase IDを"Phase 2"と変更しただけで他はすべて同じですが、これで問題ありません。
Batch ID Phase ID Variable1 Variable2 Variable3
Dummy Batch 1 Phase 2 1 1 1
Dummy Batch 1 Phase 2 1 1 1
Dummy Batch 1 Phase 2 1 1 1
Dummy Batch 1 Phase 2 1 1 1
Dummy Batch 2 Phase 2 1 1 1
Dummy Batch 2 Phase 2 1 1 1
Dummy Batch 2 Phase 2 1 1 1
Dummy Batch 2 Phase 2 1 1 1
Dummy Batch 3 Phase 2 1 1 1
Dummy Batch 3 Phase 2 1 1 1
Dummy Batch 3 Phase 2 1 1 1
Dummy Batch 3 Phase 2 1 1 1
SIMCAでダミーモデルの作成
SIMCAを使ってダミーモデル(ダミーのbatch evolution model)を作成しましょう。ダミーデータファイルをimportして、batch evolution modelを作成します。その際、以下の2点にご留意ください。
- 値が全部同じなので、タグを除外しますか、の質問が出てくるが、"No to All"とする。
- 作成されたモデルはcomponentを持たないが、これでよい。
SIMCA onlineへのデプロイとデータ作成
- "Upload SIMCA project"ボタンを使って、projectをuploadする。
- Batch context generatorを作成する。batch start/stopを定義する。
- configurationしていく。各変数をタグと連携したり、phase start/stopの定義。
- configurationができたら、'Predict data'を押してデータ作成。
SIMCA projectをローカルにダウンロード
- 'Update SIMCA project'を押す。
- Select Batches for Update Projectで、上でpredictした3つ以上のバッチを選び、OKを押す(下図参照)。
- そしてprojectをダウンロードすると、上で選んだバッチデータも含まれている。
モデルをupdateする
-
SIMCAでprojectを開く。
-
"Create new model"を押して、新しくダウンロードしたデータを使ってモデルをつくる。基本的にはdefault settingでよい。モデルはOPLSを選ぶ。