はじめに
Webサービスでパスワード認証に bcrypt を使っている人向けの話です。
既存のNode.jsアプリを Docker環境へ移行した際に、
bcrypt が Segmentation Fault（seg fault）で落ちる問題に遭遇しました。
結論から言うと、
原因は alpine-node イメージを使っていたことでした。
Docker化にそこそこ時間を取られたので、同じ罠にハマる人を減らすために記録として残します。
発生した問題
Docker上でアプリを起動すると、以下のような挙動になります。
- ローカル環境では正常に動作
- Docker環境では bcrypt 実行時に seg fault
- エラーログがほとんど残らず、突然プロセスが落ちる
Segmentation fault
import bcrypt from "bcrypt";
await bcrypt.compare(password, hash); // ← ここで落ちる
原因：alpine-node と libc の問題
Dockerイメージに node:alpine（Alpine Linux） を使っていました。
- Alpine Linux は
musl libc - bcrypt はネイティブアドオン（C/C++）依存
- 必要なライブラリ不足・互換性問題で seg fault 発生
解決策：Debian ベースの Node イメージを使う
修正前（問題あり）
FROM node:18-alpine
修正後（解決）
FROM node:18-bullseye
# or
FROM node:18-bookworm
これだけで安定しました。
まとめ
- bcrypt + Docker で seg fault → Alpine を疑う
- 安定性重視なら Debian ベースが無難
- 軽量より「確実に動く」を優先すべき
Docker移行で詰まった人の助けになれば幸いです。