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Dockerで手軽に!今直ぐ試そう EC-CUBE 3.0 開発版 (Docker+Apache2.4+PHP5.4+PostgreSQL9.2)

Last updated at Posted at 2015-06-06

はじめに

日本発オープンソースなECサイト構築ツールとして、長い歴史を持つ EC-CUBE ですが、遂に EC-CUBE 3.0 としてメジャーバージョンアップを迎えようとしています。
2008年頃に2.0がリリースされたと思いますので、実に約7年ぶりのメジャーバージョンアップでは無いでしょうか。1

ティザーサイト紹介

ティザーサイトの紹介によると、フレームワーク入れ替えUI刷新全機能API対応等、大型アップデートになる様です。

個人的には、現行 EC-CUBE は、お金を扱うシステムの宿命なのか、かなりレガシーな実装で、ちょっとした変更をする時も、本体を修正する事を躊躇う事が多かったため、内部構造の刷新や全機能API対応に大きく期待しています。
また、開発リポジトリがgithubへ移行され、リリースに向けて活発に開発されています。

ec-cube+docker.png

今回は、そんな大型アップデートが迫った EC-CUBE3 を、いち早く手軽に試す方法として、dockerコンテナを用いたEC-CUBE3の環境構築について紹介します。

構築環境

今回、テストした環境は下記の通りです。

  • docker (1.6.2)
  • Apache (2.4.10)
  • PHP (5.4.41)
  • PostgreSQL (9.2.11)
  • EC-CUBE (eccube-3.0.0-dev@20150606)

事前準備

dockerコンテナが動作する場所(環境)を準備します

自分は、dockerコンテナの動作場所として ニフティクラウド 上に構築した CoreOS (695.0.0) を利用しました。

docker公式レジストリから必要なdockerコンテナイメージをダウンロード(pull)します

  • PostgreSQL

    $ docker pull postgres:9.2.11
    
  • Apache + PHP

    $ docker pull php:5.4.41-apache
    
  • EC-CUBE3

    $ docker pull ysaotome/ec-cube3:3.0.0-dev
    

必要なイメージがダウンロード出来ているか確認します。

$ docker images | egrep -e 'postgres|php|ec-cube'
ysaotome/ec-cube3           3.0.0-dev           130350c3ffe4        3 hours ago         728.6 MB
php                         5.4.41-apache       87a53e013cb2        8 days ago          468.3 MB
postgres                    9.2.11              473f41a24e4e        10 days ago         212.6 MB

基本編:docker で EC-CUBE 3.0 最新開発版を試す

  1. データベースとしてPostgreSQLをコンテナで立ち上げます

    $ docker run -d \
        --name cube3dev-postgres \
        -e POSTGRES_USER=cube3_dev_user \
        -e POSTGRES_PASSWORD=password \
        -e POSTGRES_DB=cube3_dev \
        postgres:9.2.11
    
    • 引数の意味
      • --name cube3dev-postgres : cube3dev-postgres という名前のコンテナとして起動
      • -e POSTGRES_USER=cube3_dev_user : PostgreSQLのユーザを cube3_dev_user へ設定
      • -e POSTGRES_PASSWORD=password : PostgreSQLのパスワードを password へ設定
      • -e POSTGRES_DB=cube3_dev : PostgreSQLの初期DBを cube3_dev で作成
      • postgres:9.2.1 : 起動するPostgreSQLのバージョンは 9.2.11 を指定
  2. EC-CUBE 3.0 および Apache + PHP を コンテナで立ち上げ、 PostgreSQL と接続します

    $ docker run -d \
        --name cube3dev \
        --link cube3dev-postgres:postgres \
        -p 8080:80 \
         ysaotome/ec-cube3:3.0.0-dev
    
    • 引数の意味
      • --name cube3dev : cube3dev という名前のコンテナとして起動
      • --link cube3dev-postgres:postgres : cube3dev-postgres という名前のコンテナをこのコンテナ内部から postgres として接続(link)する
      • -p 8080:80 : dockerコンテナ外部(手元のパソコン等)の 8080 番ポートを、dockerコンテナ内部の 80 番ポートへ割り当てる
      • ysaotome/ec-cube3:3.0.0-dev : 起動するEC-CUBEのバージョンは 3.0.0-dev を指定
  3. EC-CUBE コンテナの起動確認

    $ docker logs -f cube3dev
    .
    .<ログが流れる>
    .
    Finished Successful!
    
    • 現在のEC-CUBE3では、初回に起動させる設定スクリプトで、必要なPHPのパッケージを Composer でダウンロードしてくるため、起動に多少時間がかかります。
    • 流れるログを眺めながら、 Finished Successful! と表示された事を確認したらセットアップ完了です。
    • 確認出来たら Ctrl + C で抜けられます。
  4. ブラウザからアクセスして動作確認

    • 任意のブラウザからEC-CUBEへアクセスする事が出来ます
      • 手元で動作させている場合のURL例 : http://localhost:8080
        範囲を選択_004.png
    • /admin/ へアクセスする事で管理画面の動作の確認も出来ます
      • 手元で動作させている場合のURL例 : http://localhost:8080/admin/
      • ID: admin PW: password にてログインしてください
        範囲を選択_005.png
  5. 起動中のコンテナへログインする

    • 起動中コンテナへログインして、適時設定変更やコード編集が可能です。
    $ docker exec -it cube3dev bash
    
    • 引数の意味
      • exec -it cube3dev bash : cube3dev という名前のコンテナへ bash でログイン(正確には、bashを追加起動)
  6. お片づけ(dockerコンテナの停止と削除)

    • EC-CUBE 3.0 を堪能したらdockerコンテナを片付けて終了です
    docker stop cube3dev cube3dev-postgres && \
    docker rm cube3dev cube3dev-postgres
    
    • 引数の意味
      • stop cube3dev cube3dev-postgres : cube3devcube3dev-postgres という名前のコンテナを停止(stop)
      • rm cube3dev cube3dev-postgres : cube3devcube3dev-postgres という名前のコンテナを削除(rm)

以上!

応用編:自分で EC-CUBE 3.0 コンテナを作成(ビルド)してみる

ここまでに紹介した方法で、「今直ぐ手軽に最新版を試したい!」という要望は満たせるかと思いますが、「特定のバージョンを試したい」、「自分で変更を加えたバージョンを試したい」という要件もあると思います。
そんな時は、自分で EC-CUBE 3.0 コンテナをビルドしてみましょう。
特に、ここまでに紹介した方法では、最新の開発版を試すため、試す時期によっては全く起動すらしない事も考えられます。その場合は、過去の安定バージョンを指定して試す事で解決が可能です。

応用編(1):特定のバージョンを試したい

  1. 試したい EC-CUBE3 の版数を確認する
    ブラウザで EC-CUBE3開発サイトのタグ一覧 へアクセス
    image
    良さそうな版数を探します。例えば、 3.0.0-beta2 を使ってみましょう。

  2. 元となる EC-CUBE3 の dockerコンテナ設定(Dockerfile)を入手します
    git clone コマンドで Dockerfile をダウンロード

    $ git clone https://github.com/ysaotome/docker-ec-cube3.git
    
  3. 版数を変更
    適当なエディタでDockerfileを編集します。

    $ vim docker-ec-cube3/Dockerfile
    

    修正箇所 :
    ENV ECCUBE_BRANCHE 3.0.0-dev

    ENV ECCUBE_BRANCHE 3.0.0-beta2
    と変更して保存

  4. Dockerfile をビルドする

    $ docker build --rm -t ysaotome/ec-cube3:3.0.0-beta2 docker-ec-cube3/
    
  5. 独自にビルドした EC-CUBE3 コンテナを起動する
    基本編の手順を上から進め、手順2.で、起動するコンテナを指定していた ysaotome/ec-cube3:3.0.0-devysaotome/ec-cube3:3.0.0-beta2 へ変更すれば完了。

応用編(2):自分で変更を加えたバージョンを試したい

  1. 本家 EC-CUBE3 のレポジトリをコピー(fork)して編集する
    forkおよび変更の加え方、そして本家レポジトリへのプルリク送付までは、下記記事が詳しい。
    ここでは、forkしたレポジトリURLが https://github.com/ysaotome/ec-cube であるとする。

  2. 元となる EC-CUBE3 の dockerコンテナ設定(Dockerfile)を入手します
    git clone コマンドで Dockerfile をダウンロード

    $ git clone https://github.com/ysaotome/docker-ec-cube3.git
    
  3. EC-CUBE3 取得先レポジトリの変更
    適当なエディタでDockerfileを編集します。

    $ vim docker-ec-cube3/Dockerfile
    

    修正箇所 :
    RUN git clone -b ${ECCUBE_BRANCHE} https://github.com/EC-CUBE/ec-cube.git ${ECCUBE_PATH}

    RUN git clone -b ${ECCUBE_BRANCHE} https://github.com/ysaotome/ec-cube.git ${ECCUBE_PATH}
    と変更して保存

  4. Dockerfile をビルドする

    $ docker build --rm -t ysaotome/ec-cube3:myedit docker-ec-cube3/
    
  5. 独自にビルドした EC-CUBE3 コンテナを起動する
    基本編の手順を上から進め、手順2.で、起動するコンテナを指定していた ysaotome/ec-cube3:3.0.0-devysaotome/ec-cube3:myedit へ変更すれば完了。

新しい EC-CUBE 3.0 の活躍に期待してます。


  1. とは言え、EC-CUBEの場合は、2.XXのXX部分のバージョンアップで大分差があったりしましたが。

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