AWS PrivateLinkの名前解決は、PrivateLinkを使用する際の重要なポイントの一つで、プライベート接続先のエンドポイントにアクセスするためにDNSをどのように設定するかが関わります。以下はその基本的な概要です。
1. PrivateLinkの概要
AWS PrivateLinkは、VPC内のサービスを他のVPCやオンプレミス環境から安全に使用できるようにするためのサービスです。エンドポイントはインターフェイス型VPCエンドポイントを使用して、ターゲットサービスへのプライベート接続を確立します。
2. 名前解決の仕組み
PrivateLinkを使った接続では、エンドポイントの名前解決が重要になります。AWSは、エンドポイントの接続に必要なDNS名を自動的に生成します。
(1) デフォルトのDNS名
- インターフェイスエンドポイント作成時、AWSは以下の形式のリージョン固有のDNS名を自動生成します:
<サービス名>.<リージョン>.vpce.amazonaws.com
- 例えば、Secrets Managerに接続する場合:
secretsmanager.us-east-1.vpce.amazonaws.com
(2) プライベートDNSの有効化
- VPCエンドポイント作成時にプライベートDNS名の有効化を選択すると、標準サービスのDNS名をプライベートIPアドレスに解決できます。
- 例:
secretsmanager.us-east-1.amazonaws.com
がプライベートIPに解決される。
- 例:
- これにより、既存のアプリケーションやサービスのDNS設定を変更する必要がなくなります。
(3) カスタムDNS設定
- プライベートDNSを無効にした場合や、独自の名前解決を行いたい場合、Route 53や他のDNSサーバーを使用してカスタムDNS名を設定できます。
- Route 53のプライベートホストゾーンを使用する。
- 手動でDNSレコードを管理し、指定した名前をエンドポイントに解決する。
3. 名前解決の設定手順
-
インターフェイスエンドポイントを作成
- AWS Management Console、CLI、またはAPIを使用。
-
プライベートDNS名の有効化
- 作成時に「プライベートDNS名を有効にする」オプションを選択。
-
必要に応じてカスタムDNSを設定
- Route 53または他のDNSソリューションを用いて設定。
4. 名前解決のトラブルシューティング
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名前解決できない場合:
- プライベートDNSが有効化されているか確認。
- 正しいVPCのサブネットとセキュリティグループが設定されているか確認。
-
DNSレコードの競合:
- カスタムDNS設定とAWSが提供するDNS名が競合していないかを確認。
5. 補足情報
-
サポートされるサービス:
- PrivateLinkは多くのAWSサービスで利用可能です(例:S3、Secrets Manager、CloudWatch Logsなど)。
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クロスアカウント接続:
- 他のアカウントのサービスに接続する場合、提供されたサービス名とエンドポイントが正しいか確認が必要です。
AWS PrivateLinkの名前解決設定は、エンドポイント作成時のオプション選択やDNSサービスの利用方法次第で柔軟に調整可能です。構成や利用ケースに応じて適切に設定してください。