はじめに
2026年7月8日のアップデートで、AWS Builder Centerに無料のサンドボックス環境が追加されました。ワークショップの画面から、事前構築済みのAWS環境を直接リクエストして触れる仕組みです。
目を引いたのは、個人のAWSアカウントやクレジットカードの準備が要らない点です。
この記事では、前半でサンドボックスの始め方と対応ワークショップの一覧を、後半では「Amazon Connect Customer入門」を例に、コンタクトセンターを構築する際に躓きやすい電話番号まわりの注意点とその代替方法について紹介します。
本記事の情報は2026年7月時点のものです。
最新情報については公式ドキュメントをご確認ください。
この記事でわかること
- AWS Builder Center Sandboxが何で、何ができて何ができないのか
- 2026/07/12時点でサンドボックスに対応しているワークショップ8種
- Amazon Connect Customerのワークショップを実施する上で躓きやすいポイントと解決方法
先に結論
- AWS Builder Center Sandboxは、個人アカウントもクレジットカードも要らない無料の検証環境
- アクティベーションから8時間有効・週に1回(毎週日曜リセット)申請可能で、プロビジョニングに15分ほどかかる(参考)
- 執筆時点(2026/07/12)で対応しているワークショップは8種で、半分以上が生成AI/エージェント系(一覧)
- サンドボックス環境では、Amazon Connect Customerで国内番号(+81)は取得できず、国内番号への発信もできない
1. AWS Builder Center Sandboxとは
以下は、What's Newでのアナウンス(和訳)の抜粋です。
AWS Builder Centerで無料のサンドボックス環境が利用可能になりました。
無料のサンドボックス環境は、アカウントを作成せずに実践的なAWS体験を積みたい開発者に最適です。各サンドボックスはアクティベーションから8時間利用可能で、その後は自動的にクリーンアップされます。開発者は週に1つのサンドボックスをリクエストでき(毎週日曜日にリセット)、ほとんどの環境は15分以内に準備完了となります。サンドボックスは、開始当初は一部のワークショップで利用可能で、今後順次利用可能になる予定です。
ひとことで言うと、ワークショップの手順に沿って触れる、制限時間付きの使い捨てのAWS環境を無料で利用できるようになったようです。自分でアカウントを作る必要も、あとから課金される心配もありません。
主なスペックを表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 利用時間 | アクティベーションから 8時間。終了後は自動でクリーンアップ |
| 頻度 | 週1回(毎週日曜にリセット) |
| 準備時間 | 15分程度 |
| 料金 | 完全無料。個人AWSアカウント不要・クレジットカード不要 |
| 対応範囲 | ローンチ時点は 一部のワークショップのみ。 |
| 入口 | AWS Builder Centerのワークショップからリクエスト |
2. 使い方(リクエストの流れ)
サンドボックスのリクエストまでの流れ自体はとてもシンプルです。
AWS Builder Centerへのログインが必須となるため、Builder IDの登録がお済みでない方は先に登録しましょう。
-
アクセス > 無料サンドボックス環境を選択しフィルタリングする(任意)
3.「無料のAWS環境が利用可能」バッジの付いた対応ワークショップを開く
4.「無料サンドボックス環境をリクエスト」を押す(要AWS Builder Centerログイン)
5.15分ほど待つと環境が用意される
3. サンドボックスに対応しているワークショップ一覧(2026/07/12現在)
ログイン後のワークショップカタログで確認したところ、「無料のAWS環境が利用可能」バッジと「無料サンドボックス環境をリクエスト」リンクが付いていたのは、次の8種類でした。
| # | ワークショップ | 分野 | 対応言語 | 時間 | レベル |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | AWS Step Functionsワークショップ | Step Functions / コンピューティング / コンテナ | English, español, 日本語, português, 繁體中文, 한국어 | 3h | 200-中級 |
| 2 | AWS Transform custom(コード変換の自動化) | IAM / AWS Transform / ビルダーエクスペリエンス | English | 1h | 300-上級 |
| 3 | Amazon Bedrock上のClaude Code | Amazon Bedrock / 生成AI | English, 한국어, 日本語 | 3h | 300-上級 |
| 4 | Amazon Quickを使ったAI活用インサイトと自動化 | Amazon Quick Suite / 分析 / 生成AI | English, 한국어 | 3h | 100-基礎 |
| 5 | Claude Code、Kiro、AgentCore、Strands AgentsによるAmazon Bedrockでの開発 | Bedrock AgentCore / Amazon Bedrock / Kiro | English | 4h | 200-中級 |
| 6 | Amazon Connect Customer入門 | Amazon Connect Customer/ コミュニケーション / コンタクトセンター | English, français | 4h | 200-中級 |
| 7 | AI-DLCワークショップ | Kiro / ビルダーエクスペリエンス / 生成AI | English, español | 4h | 300-上級 |
| 8 | エージェンティックAIワークフローの構築とスケーリング | Lambda / Amazon Bedrock / Step Functions | English | 2h | 300-上級 |
利用可能な8種のうち半分以上(3・4・5・7・8)が生成AI/エージェント系でした。
日本語に直接対応しているのは1と3だけですが、ブラウザの翻訳機能等を駆使すれば日本語で学習可能なため適宜利用しましょう。
4. 実際に試してみた
実際に「Amazon Connect Customer入門」のワークショップ用のサンドボックス環境をリクエストしてみました。
リクエストを送信すると以下の図のように無料サンドボックス環境の準備が開始されます。

このワークショップは、クラウドコンタクトセンターを一通り構築するラボシリーズで、Amazon Connect Customerのインスタンスの立ち上げから、問い合わせフローの作成、キュー・ルーティングの設定などのコンタクト(通話・チャット,etc.)に必要な設定はもちろん、Amazon LexやAWS Lambdaなどを利用した実践的なコンタクトセンターの構築・運用方法まで幅広く学べます。
サンドボックスでワークショップを進める
サンドボックス環境の準備が完了すると、Builder IDに紐づくメールアドレスへ「環境の準備が完了した」旨のメールが届きます。
また、ワークショップ内の「あなたのワークショップ」タブにも表示されるので、「無料サンドボックス環境へ移動」をクリックします。
ログイン方法の選択が求められるため、ここでは「AWS Builder ID」を選択します。
ログイン後、イベントの詳細ページに遷移します。
利用規約に同意することでワークショップを開始することができます。
開始後、ワークショップのダッシュボードに遷移します。
左サイドバーのワークショップの目次下部にある「AWSアカウントへのアクセス」より、ワークショップ用のアカウントにログインすることが可能です。
「AWSアカウントへのアクセス」 > 「AWSコンソールを開く(us-east-1)」をクリックすると
マネジメントコンソール(us-east-1)に遷移します。
「Amazon Connect Customer」と検索しAmazon Connect Customerコンソールに遷移し、ワークショップを進めていきます。
ワークショップの構成
ワークショップは英語(と一部フランス語)のみですが、ブラウザ翻訳で和訳しながら進めました。目次は導入とLab 1〜5で構成されています。
ワークショップの構成(クリックで展開)
- Getting Started with Amazon Connect Customer (Amazon Connect Customerをはじめよう)
- Introduction (イントロダクション)
- Prerequisites (前提条件)
-
Lab 1. Deploy and Validate an Amazon Connect Customer Contact Center (コンタクトセンターのデプロイと検証)
- Contact Center Deployment (コンタクトセンターのデプロイ)
- Claim a Number and Quickly Validate the Deployment (番号の取得とデプロイの簡易検証)
- Amazon Connect Customer UI Overview (Amazon Connect CustomerのUI概要)
-
Lab 2. Introduction to Flows (フロー入門)
- Review Flow Types (フローの種類を確認する)
- Review Flow Blocks (フローブロックを確認する)
- Create a Simple Flow (シンプルなフローを作成する)
- Test the Flow (フローをテストする)
-
Lab 3. Creating dynamic, personalized experiences in Amazon Connect Customer (動的でパーソナライズされた顧客体験をつくる)
- Create Queues, Routing Profiles, and configure Users (キュー・ルーティングプロファイルの作成とユーザー設定)
- IAM Policy and Role to allow Lambda to integrate with DynamoDB (LambdaとDynamoDB連携用のIAMポリシー/ロール)
- Create DynamoDB Table to host Contact IDs that will set Membership Level (会員レベルを判定するContact ID格納用のDynamoDBテーブル作成)
- Import AWS Lambda function for integration and data exchange between Amazon Connect & DynamoDB (Amazon ConnectとDynamoDBを連携するLambda関数のインポート)
- Update your Flow with Queues and AWS Lambda functions (キューとLambda関数を使ってフローを更新する)
-
Lab 4. Create Conversational AI Bots (会話型AIボットの作成)
- Create a new Conversational AI Bot (会話型AIボットを新規作成する)
- Configure the Flow with Conversational AI Bots (会話型AIボットをフローに組み込む)
- Test your Conversational AI Bots (会話型AIボットをテストする)
- Lab 5. Amazon Connect Customer Metrics (Amazon Connect Customerのメトリクス)
- Clean Up (クリーンアップ)
- FREE Amazon Connect Customer Training Materials (無料のAmazon Connect Customer学習教材)
※注意: 国内番号は取得も発信もできない
ここまででワークショップ用の環境に入り、Amazon Connect Customerのコンソールまで進めます。
ただし、国内番号の取得や国内番号への発信はいずれもAWSサポートへの起票が必要となるためサンドボックス環境では実施できません。
- 国内番号(+81)の取得: Connect Customer での電話番号の注文と移植に関するリージョンの要件のとおり、日本番号(+81 3 / 6 / 50 など)の取得には事業者の書類3点の提出が前提です。取得リクエストはAWS側と書類をやり取りして進めますが、権限が制限されたワークショップ用アカウントでは、個人契約のアカウントと同じようにその申請(サポートケース)を出せません。
- 国内番号(+81)への発信: Connect Customer を使用してコールセンターがデフォルトで呼び出せる国のとおり、Connectの発信はデフォルト拒否で、日本の携帯プレフィックス(+8170 / 8180 / 8190)は既定で許可されていません。許可する国を増やすにはサポートへのフォーム申請が要りますが、これも同じ理由で出せません。
代わりの進め方
通話そのものを試すには取得できる番号(米国などの外国番号)を取り、エージェントを2人用意しそのエージェント同士でかけ合う形です。いわば1人2役で、片方からもう片方へ発信して動作を確認します。
また、通話にこだわらないなら、チャットで代替してもワークショップは進められます。
まとめ
AWS Builder Centerの無料サンドボックスを触ってみました。アカウントもクレジットカードも要らず、8時間の枠でワークショップの手順をそのまま動かせます。サービスを実際に触って学ぶには、かなり手軽でした。
ただ、後半紹介したAmazon Connect Customer入門では、日本を含む一部地域の電話番号の取得・発信が制限されるため、注意が必要です。通話まわりを確かめたいなら、取得できる外国番号を使ってエージェント同士でかけ合うか、チャットで代替するのがおすすめです。
サンドボックスに対応するワークショップは、今後順次増やしていく予定とアナウンスされているため、気になるものを見つけたら、気軽に試していきたいと思います!
参考







