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【AWS Summit Japan 2026】「Amazon Connect Customerで実現する進化したコンタクトセンター -エージェンティックAIが変える顧客体験-」セッションレポート

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はじめに

2026年6月25日・26日の2日間で開催された AWS Summit Japan 2026で聴講したセッション「Amazon Connect Customerで実現する進化したコンタクトセンター -エージェンティックAIが変える顧客体験-」(BIZ326)のレポートです。

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各セッションはオンデマンドで視聴でき、資料のダウンロードもできるので、あわせてご確認ください。

セッション概要

このセッションは、AIネイティブなコンタクトセンタープラットフォームであるAmazon Connect Customerを、エージェンティックAIという切り口で紹介するものです。前半でカスタマーエクスペリエンス(以下CX)がなぜ重要なのかを押さえ、後半でAmazon Connect Customerの主要なイノベーションを4つの柱(後述)に分けてデモムービーを交えて解説されました。

想定聴講者

  • コンタクトセンターの企画・運用・開発に携わる方
  • Amazon Connect Customerの基本機能を理解していてエージェンティックAIを活用した次世代CXの構築を検討中の方
  • CX変革を牽引するアーキテクトやリード、マネージャー

セッションのゴール

  • エージェンティックAIがコンタクトセンターに何をもたらすかを4つの柱で構造的に把握する
  • Amazon Connect Customerの最新機能と、自組織への適用判断に必要な勘どころを持ち帰る

登壇者情報

項目 内容
セッションコード BIZ326
セッション名 Amazon Connect Customerで実現する進化したコンタクトセンター -エージェンティックAIが変える顧客体験-
登壇者 三好 雄登 氏
所属 アマゾン ウェブサービス ジャパン合同会社(ソリューションアーキテクト)

アジェンダ

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セッションは、CXの重要性から入り、AI時代にCXをどう再構築するか、そしてAmazon Connect Customerの主要なイノベーション(4つの柱)、最後にまとめ、という構成で進みました。

なぜカスタマーエクスペリエンスが重要なのか

最初のパートは、Amazon Connect Customerの機能に入る前に、そもそもなぜCXに向き合う必要があるのかという話でした。

Amazonのカスタマーサービスを支える基盤

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登壇者はまず、Amazonのミッションが「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」だと紹介しました。オンライン小売企業やクラウドプロバイダーに限定しない、すべてのお客様を第一に考えること、これがAmazonの根幹にある考え方だと説明されました。

そのAmazonのカスタマーサービスはAmazon Connect Customer上で動いており、42カ国以上のお客様に16言語で対応し、毎日1,600万件以上の問い合わせを処理しているとのことです。音声通話やチャット、SMS、メール、タスク、ビデオ通話まで、あらゆるやり取りに対応しています。この大規模な運用から得られた知見とテクノロジーをサービスとして提供しているのがAmazon Connect Customerで、すでに数万社のAWSのお客様が利用していると話していました。

CXとは何か

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CXを100人に聞けば100通りの答えが返ってくるかもしれない、と前置きしたうえで、このセッションでは「製品やサービスを通じて顧客がブランドに抱く印象のすべて」と定義していました。ブランドを認知した瞬間から、購入後にサービスを使い続けるあいだもずっと続く、持続的な印象だという捉え方です。

高まる期待と下がる許容度

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なぜCXが重要なのか。Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏の「お客様はたとえ今満足していると言っていても、心のどこかでもっと良いものを求めている」という言葉が引かれ、これが新しいサービスや機能を生み出す原動力になっていると語られました。

調査の結果、80%の顧客が製品と同等に体験を重視し、82%が悪いサービスを受けるとその後離脱する結果が出ており、顧客がブランドから離れるまでに許容する悪い体験の回数が、2023年の3.3回から2024年には2.4回に下がったと話されていました。

お客様の期待が年々高まり、悪い体験への許容度が下がり続けている。だからこそCXがビジネスの成功を左右する、という流れでした。

バラバラなチャネルが生む複雑さ

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次に、現在のコミュニケーションチャネルが抱える課題です。
多くの企業は使い慣れたチャネルごとに別々のソリューションを導入していて、チャネルごとに個別にCXを構築・運用しなければならなくなり、これが運用の複雑さを生みます。
ライセンスコストはチャネルごとに発生し、レポートの整合性も取りづらく、オペレーターは一件対応するたびに複数のアプリケーションを切り替えることになり、結果としてオペレーターの生産性が下がるという指摘でした。

Amazon Connect Customerが目指す形

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CXの改善・運用負荷の軽減を両立するのがAmazon Connect Customerだと紹介されました。
Amazon Connect Customerを利用することでお客様・オペレーター・スーパーバイザーの全てのポジションにシンプルな体験を届けられると続けました。
具体的には、自動化やルーティング、分析がすべて統合され、あらゆるチャネルに対応し、AWSのインフラ上で動くため拡張性も確保されている、という位置づけです。8年前のローンチ当初からAIをネイティブに組み込んでおり、今ではすべてのチャネル、すべてのタッチポイントにAIが浸透していると説明されました。

オペレーター支援へのニーズ

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AIを活用したオペレーター支援機能のニーズが高まっている背景として、オペレーターの疲弊と離職がコンタクトセンター業界全体で最大の課題になっていることが挙げられました。Metrigyの調査では、52%の組織がオペレーターの業務負担を深刻な課題と認識している一方、AI支援を導入した組織ではCSAT(顧客満足度)が60%向上したという報告があるそうです。

ここで登壇者が補足していたのは、オペレーター支援の価値は対応時間の短縮だけではない、という点でした。余裕が生まれることでお客様一人一人に寄り添った対応ができるようになり、それが満足度向上に直結する。数字の裏にある意味まで触れていたのが納得感につながりました。

AI時代のカスタマーエクスペリエンスを再構築する

適材適所なAI

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導入として投げかけられたのが、「AIにどこまで任せるのか、線引きに悩んだことはないか」という問いでした。Amazon Connect Customerは「適材適所なAI」という考え方を大切にしている、と説明されます。

すべてをAIに任せることも、すべてを人が対応することもできるが、実際にはその中間の「AIと人を組み合わせたいというニーズ」が大半だろうと説明されました。
具体的には、銀行振込のように手順が定まった定型処理には、確実に正しい答えを返す決定論的AIが向いている一方で、お客様の意図を柔軟にくみ取り、状況を自ら判断してアクションまで実行するような場面では、エージェンティックAIが向いているとAIと人の向き・不向きと応対の比重について解説がありました。

Amazon Connect Customerはルールベースの正確さから、自然言語による柔軟な対話、自律的な判断と実行まで、あらゆるタイプのAIをオーケストレーションします。すべてAIかすべて人間かの二択ではなく、自社のペースで段階的に移行できることをアプローチとして掲げていました。

AIと人間のチームワーク

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このアプローチの土台にあるのが、AIと人間がチームメイトとして協働するという考え方です。AIはお客様のチームメイトであり、同時に現場のオペレーターやスーパーバイザーのチームメイトでもある。的確な判断力や共感力、お客様との信頼関係を築く力といった人間が得意なことを最大限に生かし、AIがそれを支える。一方で残高照会やパスワードリセットのような定型処理はAIに任せる。任せるところは任せ、生かすところは生かす、このバランスが重要だと強調されました。

4つの柱

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主要なイノベーションは大きく4つの柱に整理されていました。

  1. AIによる自律的なアクション:できる限りAIで自動化しつつ、判断や共感が求められる場面では人間がしっかり介入する
  2. AIと人間の適材適所な連携:オペレーターの隣に頼れるAIチームメイトがいる環境を実現する
  3. データからお客様の好みを把握:適切なタイミングで行動につなげられる気づきによって、先回りしたスムーズな体験を実現
  4. 成果の測定と継続的な改善:テストや分析の機能によってAIを安心して本番投入し、継続的に品質を高めていく

以降は、この4つを一つずつデモを交えて見ていく構成でした。

柱1:AIによる自律的なアクション

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1つ目の柱に関する新機能として、次の5つが挙げられました。すぐに使えるAIエージェントが組み込まれている「ファーストパーティーエージェント」は、よくあるコンタクトセンターのシナリオに対応済みで、短期間で立ち上げられます。「MCPツールサポート」は、MCP(Model Context Protocol)という業界標準のプロトコルを通じてバックエンドシステムと連携し、大掛かりな開発をしなくてもAIエージェントが実際のアクションを実行できるようにします。「エージェンティックボイス」は先進的な音声モデルでより人間らしいセルフサービス体験を実現し、「AIエージェント評価」でAIサービスの品質を測定でき、「Bedrock Knowledge Basesサポート」でカスタムナレッジベースを扱えます。

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さらにサードパーティーエージェントのオーケストレーションも可能です。Amazon Connect Customerはファーストパーティーとサードパーティーの両方のエージェントを、自律的かつ協調的にオーケストレーションします。AIによるセルフサービスで定型業務が自動化されれば、オペレーターはより複雑で判断力が求められる対応に集中でき、運用コストの削減とオペレーターの生産性・満足度の向上につながる、という説明でした。

デモ:スニーカーの配送トラブルを電話で

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ここから架空の小売企業AnyCompanyを舞台にしたデモが始まります。シナリオは、オンラインで注文したスニーカーの配送先を間違えて自宅にしてしまったお客様が、出張先のホテルに届けてほしいが、これから飛行機に乗るので時間がない、という状況です。

登壇者が強調していたのは、お客様は要件を整理して伝えてくれるとは限らない、という点でした。考えながら話したり、以下のようにいくつもの要望を一度にまとめて伝えてきたりすることもあるので、その状況に対応できるAIエージェントが求められていると説明されていました。

靴を注文したんですが、ホテルじゃなくて間違えて自宅に送っちゃったみたいで。今回のサミットジャパンで使いたかったんですよね。私のミスなんですが、どうすればいいか分からなくて。返金でもいいかなと思ってるんですが、できればイベント先のホテルに届けてもらえたら一番嬉しいです。あと早めに対応してもらえると助かります。今から飛行機に乗るので、そろそろ電話が切れちゃうかもしれないんですよね。

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これに対してAIエージェントは、長い説明を理解したうえで、急いでいることを察知して動きます。電話番号からお客様を特定し、注文状況を確認すると、商品はすでに発送済みで自宅へ配送中でした。
配送業者のシステム上、発送済みの商品は配送先を変更できないため、別途新しい商品をホテルへ送る形を提案します。
しかし、在庫を確認すると同じランニングシューズは在庫切れだったため、チャットへの切り替えを提案し、プッシュ通知でリンクを送り、自宅に届く商品の返品用ラベルはメールで送信するという一連の処理を人間のオペレーターを介さずにすべてAIエージェントが自律的に実行していたのが見どころでした。

お客様のとりとめのない話をさばきつつ、時間がないという制約に合わせてチャネルを切り替える判断まで自分で行っている点に、エージェンティックという言葉の実感がありました。

柱2:AIと人間の適材適所な連携

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2つ目の柱の新機能は4つ紹介されていました。

  • エージェンティックなオペレーターアシスタント:従来のステップバイステップガイドにエージェンティック機能を組み合わせ、オペレーターが次に取るべきアクションや関連情報をリアルタイムで受け取れるようにする
  • ケース要約:通話中も通話後も、やり取りの内容を自動で要約する
  • 役割に合わせた操作画面:ノーコードのインターフェースで、ビジネス部門の担当者が技術チームに頼らずコンタクトフローの更新やプロモーションの変更を自分で行えるようにする
  • Salesforce Contact Center向けAI機能:Amazon Connect CustomerのAIアプローチをSalesforce環境でもそのまま使える

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登壇者は、これらは人間のオペレーターを置き換えるものではなく、オペレーターがより効率的に、より質の高い対応をできるようにするためのものだと念を押していました。

  • 強みは、AIと人間をまたいで状況に応じた最適な連携をリアルタイムに組み立てられること
  • AIエージェントが最初の問い合わせ対応とデータ収集を行い、複雑な問題はオペレーターに引き継ぐ
  • 引き継いだあともバックグラウンドでAIがオペレーターを支援し続ける
  • ただの引き継ぎではなく、お客様がAIと話していてもオペレーターと話していても文脈が途切れず、一貫した体験が続く

デモ:新人オペレーターDiegoの画面

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デモは先ほどのシナリオの続きです。登場するのは、AnyCompanyに入社して間もない新人オペレーターのDiego。Amazon Connect Customerのツールを使って素早くお客様をサポートできるようになっています。

Diegoがチャットを引き受けると、画面には次の情報が並びます。これによりDiegoはそれまでの会話をそのままシームレスに引き継げます。

  • 左側: AIエージェントとお客様のやり取りの履歴
  • 右側: オペレーターを支援するコネクトアシスタント
  • 中央: お客様の詳細情報と、AIが生成した簡潔な対応サマリー

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お客様概要を開くと、直近のアクティビティや会員登録日、シャツサイズ、オープンケースといった情報がまとまっています。お客様にはすでに商品のレコメンデーションが送信済みであることもわかります。

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コンテキストビューを使うと、Diegoはお客様に送られたものとまったく同じレコメンデーションを確認できます。この情報をもとに、Diegoは過去のAIエージェントとの会話履歴とサマリーを参照しながら、配送先変更の目的やおすすめ商品についてお客様に質問していきます。

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お客様がスニーカーに興味を持ち、自分のサイズの在庫があるか確認したいと言うと、右側のコネクトアシスタントがその質問を自動で検知し、在庫確認の手伝いを提案します。Diegoが提案を受け入れると検索が始まり、お客様情報から足のサイズを取得して社内の在庫を検索し、サイズ在庫があることを確認できました。続いてお客様がイベント用にもう1つ商品が欲しいと言うと、新人で在庫に詳しくないDiegoに代わって、AIアシスタントがお客様のプロフィールと他のお客様の購買傾向から最適な商品を提案し、AIが作成した返信メッセージまで用意してくれます。

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AIが作成したメッセージはコピーしてそのまま貼り付けるだけで、大幅な時間の節約になります。お客様が購入に進むと、Diegoは商品をカートに追加し、コンテキストビューからチェックアウトを開始します。画面に表示されるガイドに沿って操作するだけなので、新人でも迷うことがありません。最初から最後まで画面がオペレーターをガイドするため、次に何をすべきか迷ったり過去の経験に頼ったりする必要がなくなる、という説明でした。

最終的にお客様は、目当てのスニーカーも追加アイテムも手に入れることができました。新人オペレーターの立ち上げや、対応品質のばらつきに課題を感じている組織は多いと思います。AIと人間のオペレーターがシームレスに連携することで、新人でも高品質なサービスを提供できる。登壇者はこれを 「人に依存しない応対品質の平準化」 と表現していました。

AIが下書きまで用意してくれるとはいえ、最後に送る判断はオペレーターが握っている。その線引きがデモ越しにちょうどよく見えたのが、この柱でいちばん腑に落ちたところでした。

柱3:データからお客様の好みを把握する

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3つ目の柱です。多くの組織ではデータがシステムごとにバラバラに散在していて、お客様の全体像をつかんで適切なアクションにつなげるのが難しい。この課題を3つのアプローチで解決します。

1つ目は「AIを活用した予測インサイト」(プレビュー)。Amazon Connect Customerの顧客プロファイルに蓄積されたデータをAIが分析し、5つのレコメンデーションアルゴリズムで商品提案やクロスセルを実現します。セルフサービスでもオペレーター対応でも使え、カート放棄や購入後といったタイミングに合わせて自動でメッセージを届けるトリガーベースのキャンペーンも実行できます。2つ目は「マルチステップジャーニー」。問い合わせを単発で扱うのではなく、チャネルをまたいでお客様の行動や好み、履歴に合わせて進化していくつながった体験を設計できます。3つ目は新たに対応した「WhatsAppサポート」です。

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データの価値を段階的に高めていくプロセスは、取り込み・統合・拡充・予測の4ステップで説明されました。「取り込み」では、CRMや注文管理、ロイヤリティプログラムなど主要なシステムからデータを取り込みます。事前構築されたコネクタとAPIによって接続のハードルが下がっているそうです。「統合」では、AIがレコード同士のつながりを自動で見抜いて結合します。単純な項目一致だけでなく、データが完全に揃っていなくても、異なるレコードが同一のお客様であることをAIが判断できます。「拡充」では、通話履歴やお客様の好み、サービス利用のパターンを自動的に取り込んでプロファイルを厚くしていきます。CRMだけでは見えてこない関係性のレイヤーを追加できるわけです。こうして揃い、拡充されたデータが「予測」につながります。

デモ:ローコードのAIエージェントビルダー

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デモでは、先ほどお客様が受け取っていたレコメンデーション体験が、どう設計されているのかを設定画面で見せてくれました。すべてはローコードのAIエージェントビルダーから始まります。お客様の発話から問い合わせの意図を自動で判別する、顧客情報を参照して状況に応じた回答を生成する、対応を通じて必要な情報を集める、外部ツールと連携して実際の処理まで実行する、といったことをより少ないコードで実現できるようになっていました。

セキュリティについては、セキュリティプロファイルでAIエージェントがアクセスできる範囲を、人間のオペレーターと同じ仕組みで制御できます。対応言語やツール連携、プロンプト、ガードレールもこの画面から設定します。

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ツールの割り当て画面では、お客様に合った商品レコメンデーションの取得などをツールとして設定できます。MCP連携によってAIエージェントはバックエンドシステムとそのままつながり、返品用配送ラベルの送信やリアルタイムの在庫管理といったアクションを実行できます。ガードレールの設定では、AIが会社のポリシーやルールから逸脱しないよう、自動化の範囲をコントロールできます。

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続いてジャーニーです。その前提として、アウトバウンドキャンペーン機能の説明がありました。キャンペーンの案内や督促といったアウトバウンド業務には、チャネルがバラバラで重複通知が発生する、電話に出ないお客様の後処理に工数がかかる、といった共通の課題があります。アウトバウンドキャンペーン機能は、適切なお客様に適切なタイミングとチャネルで自動的にコンタクトし、留守番電話も自動で検出するので、オペレーターは実際に応答したお客様との対応に集中できます。

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ジャーニーはこのアウトバウンド業務をさらに進化させ、複数チャネルをまたいで一貫した顧客体験を設計・実行する機能です。先ほどのデモでお客様が音声からプッシュ通知、チャットへとシームレスに移行した体験は、このジャーニーによるものでした。ジャーニーデザイナーはSMS、音声、メール、チャット、WhatsAppを横断的に調整し、お客様の応答に基づいて次のアクションを定義できます。メールが開封されたか、SMSがブロックされていないかといった配信状況をリアルタイムで確認し、必要なら次のステップとして電話チャネルを組み込むこともできます。

日本ではLINEがよく使われていますが、ジャーニービルダーはカスタムチャネルにも対応していて、Lambda経由でLINEに通知を送るといったカスタマイズも可能だと紹介されていました。ABテストにも対応しており、複数のメッセージパターンを用意して開封率の違いを検証し、その結果をダッシュボードで確認しながら改善のサイクルを回せます。連絡頻度をコントロールするガードレールも備わっていて、タイムゾーンや休暇、祝日を自動で考慮し、すべてのメッセージが適切なタイミングと適切なチャネルで届くようにします。

日本だとLINE対応の可否が導入の分かれ目になりがちなので、標準チャネルになくてもLambdaで逃げ道を作れる点は実務的に効くポイントだと感じました。

柱4:成果の測定と継続的な改善

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最後の柱です。「AIを導入したものの、品質をどう測ればよいかわからない」という声をよく聞く、という導入から始まりました。これに対する新機能が3つ紹介されました。

「強化された監視と分析機能」は、オペレーターとAIエージェントの両方がお客様の問い合わせをどう処理しているかをすべて可視化し、詳細なメトリクスや対応の流れ、結果を1つの画面で確認できます。「テストとシミュレーション」は、本番環境に展開する前にCX全体を検証する機能で、AIエージェントの応答やルーティングのロジック、複雑なマルチステップジャーニーをテストし、お客様に影響が出る前に潜在的な問題を見つけられます。「マネージャー向けAIアシスタント」(プレビュー)は、サービスレベルの低下など運用上の課題をAIが先回りして検知し、人員配置の調整やリアルタイムの設定変更といった具体的なリカバリーアクションを提案します。

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ポイントは、これが個々の問い合わせだけの話ではないということです。すべてのチャネルとオペレーターがどう連携してお客様にサービスを届けているか、その全体像を把握する。AIエージェントのパフォーマンスから顧客満足度のトレンドまで、問題も改善の機会も素早く見つけられる詳細な指標が用意されています。

デモ:テスト・評価・分析・改善のサイクル

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デモでは、AIエージェントを本番に出す前にどう検証し、出した後にどう品質を確認するか、テスト・評価・分析・改善のサイクルを見せてくれました。

「テスト」では、テストやシミュレーション機能で事前にお客様対応をシミュレーションし、本番リリース前に品質を担保します。「評価」では、オペレーターとAIエージェントがチームとしてどうお客様をサポートしているかを、リーダーがスコアリングで評価できます。こうした評価はこれまでオペレーターに対しては行えていましたが、AIエージェントについてもまったく同じ基準で評価できるようになった、というのが新しい点でした。デモではすべてのやり取りを詳細にスコアリングする画面が示されていました。

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「分析」では、AIエージェントのダッシュボードでオペレーターとAIエージェント双方の処理状況を可視化します。バージョンごとのAIエージェントの平均会話ターン数を比較すれば、どの設定やアプローチが効率的かを把握できます。いつ何回AIエージェントが呼び出されたか、どのナレッジベースが何回参照されたかを見ることで、お客様が今何を知りたがっているか、そのトレンドもつかめます。たとえば「今週は在庫確認の問い合わせが急増している」といった傾向をダッシュボードで把握し、ナレッジベースやプロンプトの改善につなげる。テスト・評価・分析・改善のサイクルがAmazon Connect Customerの中で回せる、というのがこの柱のまとめでした。

これまでオペレーターに対して行っていた評価を、AIエージェントにも同じ基準で当てられる。派手な機能ではないものの、AIを本番に出す不安を減らすという意味では、地味に効く部分だと思います。

カスタマーエクスペリエンスの未来

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デモを終え、登壇者はCXの未来について話しました。エージェンティックAIの未来が語られることは増えているが、Amazon Connect Customerはすでにグローバル規模で実運用に使われている。お客様はより良い体験を求め続けていて、この流れは止まらない。だからこそ今エージェンティックな体験を始めることが、新しい標準になっていくという考えでした。Amazon Connect Customerがあれば、すべてのやり取りが単なる処理ではなく、関係性を深める機会へと変わっていく、と締めくくっていました。

まとめ

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セッションの最後は3点に整理されていました。

1つ目は、CXがビジネスの成功を左右するということです。お客様の期待は年々高まり、悪い体験への許容度は下がり続けているので、CXの重要性はますます高まっています。2つ目は、AIはすべてを置き換えるものではなく、適材適所で活用するものだということです。Amazon Connect Customerは決定論的AI、生成AI、エージェンティックAI、そして人間のオペレーターをシームレスにオーケストレーションし、すべてAIかすべて人間かではなく、お客様のニーズに合わせたグラデーションで対応できます。3つ目は、Amazon Connect Customerが1つの統合プラットフォームです。AIによる自律的なアクション、AIと人間の適材適所な連携、データからお客様の好みを把握、成果の測定と継続的な改善の4つを実現可能であることを指していました。以上により、お客様が本当に求めている体験の実現に集中できる、というメッセージでした。

おわりに

4つの柱という枠組みがわかりやすく、実際に「1本のスニーカーの返品シナリオ」として最初から最後まで通しでデモを見ることができたため、機能の説明が体験としてつながって理解できました。
AIエージェント・有人オペレーターのそれぞれの担当領域を完全に分けるのではなく、役割に応じて柔軟に割り振るというイメージが強く、その柔軟さがオペレーターの対応業務の効率化と強化された顧客体験の両立につながるものだと改めて認識しました。

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