はじめに
この度、AWS Community Builders に選出いただきました。カテゴリは AI Engineering です。
本記事では、AWS Community Buildersとはどのようなプログラムなのか、応募のきっかけや準備の過程についてまとめます。
これからCommunity Buildersを目指す方の参考になれば幸いです。
自己紹介
普段はAmazon Connectを中心としたコンタクトセンターの設計・構築に携わっており、最近はAI Agentsを活用した生成AI × コンタクトセンターの領域に注力しています。
主なコミュニティ活動としては、2025年6月に選出いただいた2025 Japan AWS Jr. Champions と、JAWS-UGでのイベントの企画・参加を行っています。
また、今年の1月にJAWS-UG彩の国埼玉支部の運営メンバーに正式加入させていただきました。
1. AWS Community Buildersとは
そもそもAWS Community Buildersとはどのようなプログラムなのか、公式ページでは以下のように紹介されています。
AWS Community Buildersプログラムは、AWSに情熱を注ぎ、知識の共有やコミュニティとの連携に積極的な技術愛好家や将来のソートリーダーに向けて技術的リソース、学習機会、ネットワーキングの機会を提供する取り組みです。興味をお持ちのAWS Buildersの方は、AWSのプロダクトチームやAWS Heroes、AWS コミュニティとのつながりを築ける本プログラムにぜひご参加ください。このプログラムでは、AWSの分野別の専門家が有益なウェビナーを提供し、最新サービスの情報をはじめ、技術コンテンツの作成方法、リーチの拡大、そしてオンラインおよび対面でのコミュニティ活動におけるAWS知識共有のベストプラクティスなどを紹介しています。プログラムに参加できるのは、毎年特定数のメンバーに限られています。AWS Buildersの皆様は、ぜひ奮ってご応募ください。
要するに 「AWSに関する技術的なアウトプットを熱心に行っている個人が集まるコミュニティ」 だと思います。
AWSの表彰制度としては、Japan AWS Jr. ChampionsやJapan AWS Top Engineersなどもあります。これらは日本独自のプログラムであり、AWS Partner Network(APN)に参加している企業に所属していることが応募の前提条件となります。一方、Community Buildersはそれらとは異なり、国や所属企業に関係なく、18歳以上であれば誰でも応募できるグローバルな表彰プログラムです。
応募条件
- 18歳以上であれば誰でも応募可能
- 所属組織に関係なく、個人としてのアウトプットが評価の対象
- 特定のカテゴリ(Serverless、Dev Tools、AI Engineeringなど)から、自身の活動としてアピールできるものを選択して申し込む
- エントリーシートを英語で作成する
ベネフィット
- 技術リソース: AWSクレジットによる技術検証などの支援
- 限定情報: AWSのプロダクトチームとの直接の対話、新機能の先行公開(NDA)、限定ウェビナーへの参加
- ネットワーク: 全世界のCommunity Buildersが集まる専用のSlackコミュニティへの招待
- ノベルティ: 「Community Builder」のロゴ入り限定グッズ(パーカー、キャップ、ステッカーなど)のプレゼント
審査では、直近1年間の技術的な発信活動(ブログ記事、登壇、コミュニティ活動、OSSコントリビューションなど)が評価されます。
2. 応募のきっかけ
正直に言うと、AWS Community Buildersの理解度は「名前は聞いたことがある」程度でした。
きっかけは、品川会という勉強会です。品川会は、技術を通じて若手とJapan AWS Jr. Championsの交流の場として立ち上げられた勉強会で、私も参加していました。
その品川会で、同期のJr. Championsである福地さんが「Jr.Championsもいいけど、Community Buildersもね!」というタイトルで登壇されていました。
この登壇の中で、Community Buildersの概要や選出体験、若手がCommunity Buildersを目指す上での成長戦略が紹介されていました。特に印象的だったのは「目指すだけでも大いに価値がある」というメッセージでした。初めてのアウトプットに挑戦したり、社外コミュニティに参加したり、その過程で仲間が見つかる。Community Buildersを目指すこと自体が成長につながるという考え方に共感し、「自分も挑戦してみよう」と思い立ちました。
3. 応募までの道のり
もともとCommunity Buildersを目指して活動していたわけではなく、応募に向けて意識的に準備を始めたのは2025年11月からでした。
直近1年間の活動が審査対象となるため、準備とあわせてそれまでの活動の振り返りを進めていた結果、提出は申込期限当日の2026年1月21日(水)ギリギリとなりました。
エントリーシートの作成プロセス
エントリーシートは英語で作成する必要があります。私は英語が苦手なため、翻訳ツールをフル活用しました。
- 素材の整理: Qiita記事やSpeakerDeckの登壇資料など、パブリックな発信のリンクをKiroに渡し、AI Engineeringカテゴリと相性の良いものを選定してもらう
- 日本語での下書き: AquaVoiceを使った音声入力で、1年間の活動を振り返りながら書き出す
- 英語への翻訳: nani.nowを使って日本語から英語に翻訳
- 品質チェック: 翻訳した英語を日本語に再翻訳し、文章として違和感がないかを確認
- 提出
補足: 利用したAIサービス
-
Kiro:
- AWSが提供するAI搭載IDE
- エージェント機能により、コード生成だけでなくドキュメント作成や情報整理にも活用可能
- Web検索やファイル操作などのツールを組み合わせた対話的な作業に利用可能
-
AquaVoice:
- AIネイティブな文字起こしツール
- 任意のテキストフィールドに対して音声入力が可能
- 発話内容をAIが文脈を理解した上で自然な文章に整形して出力
-
nani.now:
- AIを活用した高速翻訳サービス
- テキストや画像を貼り付けるだけで即座に翻訳
- シンプルな直訳のほか、ビジネス文書やカジュアルな会話などシチュエーションに合わせた文体での翻訳が可能
エントリーシートの設問
具体的には以下の2つの設問に回答する必要がありました。
設問1: あなたの経歴がプログラムにもたらす独自の視点(最大2,000文字)
Q. AWS コミュニティビルダープログラムでは、多様性のあるコミュニティの構築と維持に努めています。あなたの経歴は、プログラムにどのような独自の視点をもたらしますか?
回答の概要としては、Amazon Connectという日本ではまだニッチな領域を、技術に詳しくない方やこれから学び始める方にも分かりやすく伝えることが自分の強みであると述べました。具体的には、ブログ記事やJAWS-UGでの登壇を通じた実践的な知識の共有、Amazon Connect未経験者向けハンズオンの開催など、コミュニティ活動を通じた貢献をアピールしました。
また、この設問では以下のような定量的な活動実績も記載しました。
| 項目 | 実績 |
|---|---|
| 技術ブログ本数 | 8本 |
| 外部登壇回数 | 3回 |
| イベント・ミートアップの主催・企画 | 3回 |
| SNSでのAWS情報共有 | 毎週 |
設問2: AWSサービスを活用した具体的な構築事例(最大2,500文字)
この設問では「What you built / How you built / Why you built / What you learned」の4つの観点で回答しました。
- What you built: Amazon Connect AI Agentsを使ったセルフサービス自動ルーティングシステムの構築と、MCPツールの検証
- How you built: 公式ドキュメントをベースにハンズオン検証を実施。プロンプト設計のトライ&エラーを繰り返し、AIエージェントの応答精度を改善
- Why you built: Amazon Connectは日本では実践的な情報共有が限られており、自身も設計判断に苦労した経験から、ブログでの知識共有を開始。Amazon Q in Connectのユースケース紹介記事は8,000PV・16いいね・3ストックを獲得し、需要の高さを確認
- What you learned: プロンプト設計の重要性と、Human-in-the-Loopの設計(自動化と人間の介入のバランス)の大切さを実感
Tips: とにかく数字で語る
エントリーシートでは、活動実績を具体的な数字で示すことを意識しました。「ブログを書いた」ではなく「8本の技術記事を公開し、8,000PV・16いいね・3ストックを獲得」、「ハンズオンを開催した」ではなく「3回開催し、計20名が参加」のように、可能な限り定量的に伝えることで活動に説得力を持たせました。
まとめ
AWS Community Builders(AI Engineering)に選出いただいた経緯を振り返ってみました。
品川会での福地さんの登壇をきっかけに応募を決意し、AIをフル活用してエントリーシートを作成し、なんとか提出までできました。Amazon Connect一筋で発信を続けてきた活動が、AI Engineeringカテゴリとして評価されたのは素直に嬉しかったです。
これからCommunity Buildersを目指す方にとって、応募の流れやエントリーシートの書き方など、少しでも参考になれば幸いです。
引き続き、Amazon ConnectとAIの領域を主軸とした活動をしていきたいと思います。