AWS Well-Architected Frameworkの新しい柱
- re:Invent 2021でW-Aの新しい柱(サステナビリティ)が追加されました。
- サステナビリティとは、直訳すると『持続可能性』。
- https://docs.aws.amazon.com/wellarchitected/latest/sustainability-pillar/sustainability-pillar.html
そもそも Well-Architectedとは?
- AWSとAWSユーザの10年以上の経験からまとめられた設計原則とベストプラクティクス集
- 多くの失敗反省を元に作られ、AWSを活用する際に同じ失敗をしないためのガイドライン
- W-Aフレームワークに基づいた設計レビュー(W-Aレビュー)は、一貫した基準でAWSアーキテクチャーを評価して改善領域を見つけることが目的トラブル(工数不足、設計ミスなど)を未然に防止し、リスクを軽減、スキルアップにも効果
アーキテクチャー設計の評価観点原則
- 運用の優秀性
- セキュリティ
- 信頼性
- パフォーマンス効率
- コスト最適化
- サステナビリティ ← 2015年から6年ぶりに追加
サステナビリティとは?
サステナビリティ
目先の利益を追い求めるのではなく、自然環境や社会システムの維持にも目を向けようという考え方や活動を指す言葉。
環境問題に対するAWSのアプローチ
- "実行中のクラウドワークロードによる環境への影響を最小限に抑えることに重点を置いています。環境への影響とは、特にエネルギー消費と効率にフォーカスしています。"
- Wernerの Tech Predictions for 2022 and Beyond 予測4にも、「サステナビリティは独自のアーキテクチャーを」というキーワードがあります。このあたりも要チェックですね。
責任共有モデル
- 利用者とAWSの間で共通の責任
- AWSテクノロジーを使用して、広範囲なサステナビリティの課題を解決しようぜ、というのがAWSからのメッセージ。
- 課題とは?二酸化炭素排出量の削減、エネルギー消費の削減、水のリサイクル、廃棄物の削減
サステナビリティの柱とは?
- プロビジョニングされたリソースのメリットを最大化し、必要な総リソースを最小限に抑えることで、エネルギー消費量を削減し、ワークロードのすべてのコンポーネントの効率を高めることで、サステナビリティへの影響を継続的に改善する。
- こうした取り組みのためのベストプラクティス。
設計原則
- 影響を理解する
ワークロードの影響を測定して、将来の影響をモデル化(KPI)する。 - サステナビリティの目標設定
長期的なサステナビリティの目標を設定する。 - 使用率の最大化
効率的な設計により高い使用率を確保し、電力効率を最大化する。 - より効率的なハードウェアやソフトウェアの提供を予測して採用する効率的なHW/SW製品を迅速に採用できるようにチェック、柔軟な設計を行う。
- マネージドサービスを使用する
顧客でのサービス共有、電力やNWなどの効率化。 - クラウドワークロードのダウンストリームの影響を軽減する
サービスの利用に必要なエネルギーやリソース量の削減。
質問とベストプラクティス
- SUS1:地域の選択(1)
再生可能エネルギー、炭素強度が低いリージョンを選択。 - SUS2:ユーザの行動パターン(5)
ビジネス要件を満たすために必要なリソースの数を最小限にする。 - SUS3:ソフトウェアとアーキテクチャーのパターン(5)
アーキテクチャーを見直して使用率の低いコンポーネントを統合する。 - SUS4:データパターン(8)
より効率的なパフォーマンスのよいストレージを活用し、不要なデータを削除。 - SUS5:ハードウェアパターン(4)
プロビジョニングとハードウェアの量を最小限にする。 - SUS6:開発と展開のプロセス(4)
ワークロードを最新の状態に保つ。
括弧内は質問数。トータル27個。
※詳しく読み込めたらまだアップデートします。
まとめ
- 環境に目をむける時代がやってきた
- 既存の柱とはちょっと違うので最初は戸惑うかも
改善プロセスや非機能要件についても目を通しておきましょう。 - 他の柱とのトレードオフに注意を
コストとセキュリティ・可用性と同様、信頼性とサステナビリティ・コストの関係性にも留意を - 柱の優先度
- W-Aレビューの時間がかかっちゃう