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Tang Nano、Nano4KのIDEであるGowin EDAインストール(Winのみ)

Last updated at Posted at 2021-12-07

前書き

Tang NanoとNano 4k(HDMI付き)を購入したものの、Tang Nanoの開発環境であるGowin EDAがバージョンアップした所為か公式マニュアルやネットに出回ってる情報が古く起動できなかったり論理合成ツールが使用できなかったりしたので今後購入される方向けに情報を残しときます。

2022/12/15更新
未だにこの記事を参照されている方がいらっしゃるようなので、ソフトウエアのバージョン種別、ライセンスフォームの変更点について追記変更を行いました。

2023/11/17更新
ソフトウエアのエディション毎の表記が変わっていたので修正。
一部見づらい個所の修正。

Gowin EDAのダウンロード、インストール

Gowinは中国国内向けサイトと国外向けサイトの2つが存在し、国外向けサイトは中国語、英語、日本語の3言語対応になっています。

中国国内向けサイト
http://www.gowinsemi.com.cn/
国外向けサイト(日本語含む3言語対応)
http://www.gowinsemi.com/

ちなみにGowin EDAを含めたGowin社関係のサポートは日本語ページへアクセスした場合、日本国内の丸文株式会社が対応してくれるようなのでサポートも日本語OKでした。
*土日祝日などは海外対応になりますが日本語OKです。

さらに日本語ページからPDFのマニュアル等(リリースノート等も)をダウンロードすると日本語翻訳版(おそらく日本語書き起こしで機械翻訳ではない)がダウンロードされます。

今回は国外向けサイトの日本語ページからダウンロードします。

Gowin公式の日本語ページからサポートのGowin EDAホーム(https://www.gowinsemi.com/ja/support/home/)へアクセス。

gowin_eda_home01.jpg

開発環境ソフトやマニュアル等PDFのダウンロードに会員登録が必要なので登録する。

登録に必要なのはメールアドレスと電話番号
(不安であれば適当な捨てアドと適当な11桁の数字で可)

パスワードを適当に決めて必須項目を打ち込んだら、認証画像の4桁の大文字英数字を隣のフォームに打ち込んで[ 登録 ]をクリック。

gowin_regist.jpg

[ 登録 ]をクリック後はメールアドレス認証や確認メールなど無くいきなり登録完了し、ログイン状態でプロフィールに画面行きます。

この画面になれば登録完了

gowin_login.jpg

再度サポートページのGowin EDAホーム(https://www.gowinsemi.com/ja/support/home/)へ行き、左側のカラムかページ下部のどちらかの[ 「Gowin EDA」のダウンロード ]をクリックしてダウンロードページへ移動

gowin_eda_home02.jpg

ダウンロードページへ移動したら、まずはWindowsかLinuxを選択(今回はWindows)し、その下の[ Windowsソフトウエア ]の欄にある最新の[ Gowin Vx.x.x ]の右側の[ クリック ]をクリックしてダウンロード

ちなみに「Gowin EDA」には2つのエディションがあり、大まかな違いは以下のようになっているため基本は無印版を利用してください。

*以前は無印版を「Standard Edition」、Education版を「Education Edition」の表記になっていました。

Education版

  • ライセンス認証不要
  • サポートデバイスが少ない
  • 使用できるIPコア(機能)が制限される
  • オンボードJTAG(USB接続)で書き込みが出来ない

無印版

  • ライセンス認証が必要
  • 全てのデバイスをサポート
  • 使用できるIPコア(機能)の制限なし
  • オンボードJTAG(USB接続)で書き込みが可能

EDA_Download.jpg

*プログラマー等に不具合の多い際などに急遽ベータ版などを正式リリースとして公開している場合がありますが、デザイナーのバージョンは大きく変わらないので基本[ Windowsソフトウエア ]欄から最新のものをダウンロードしてもらって大丈夫です。

ダウンロードが終わったら.zip形式のファイルになっているので解凍して通常のソフトウエアと同様ウイザードに沿ってインストール。

基本なにも触らずそのまま[ Next > ]をクリックして進めれば問題ないです。

gowin_eda_install01.jpg

インストール完了後の最後にドライバーのインストールを聞かれるのでインストール環境に合わせて使わない方のチェックを外す。

分からなければ両方チェックが入ったまま[ Finish ]をクリック。

gowin_eda_install02.jpg

すぐにドライバーのインストールが始まるので何も考えず[ Extract ]をクリックして続行

その後Windowsのドライバーインストールウイザードが出てくるので[ 次へ(N) > ]を押してインストールを済ませる。

gowin_eda_driver_install01.jpg

これで開発環境であるGowin EDAのインストールは完了

Gowin EDAのライセンス申請

公式ページからライセンス申請してライセンスファイルを送ってもらう。

ちなみにこのライセンスは1年間有効の有期ライセンスとなります。
期限が切れた際は再度フォームから申請を行ってライセンスの再発行にて更新してください。

以前のバージョンや、古い他サイトにて紹介されているIPアドレスを指定してライセンスサーバーで認証するフローティング認証は、SiPEEDがライセンスサーバーを用意してグレーな形(というか完全アウト)でライセンス認証されていたため現在は不可能です。
SiPEED公式Wikiも既に書き変わっておりライセンス申請が必須となります。

ライセンス申請にはインストール環境のネットワークカードの物理アドレス(Macアドレス)が必要なのでコマンドプロンプトから探す。

まずWindowsのデスクトップ画面でキーボードの[Win]+[R]キーを同時押しすると「ファイル名を指定して実行」が表示されるので、以下のように「cmd」と入力して[ OK ]をクリックするとコマンドプロンプトが立ち上がる。

win_r.jpg

立ち上がったコマンドプロンプトに「ipconfig /all」と打ち込んで実行

cmd_ipconfig_all01.jpg

出力された結果から適当なネットワークカードの物理アドレス(Macアドレス)をメモなどに控える

ここでも不安な場合は「イーサネット アダプター vEthernet」などのバーチャルネットワークカードや使ってないUSB無線LANなど、インストール環境に存在するネットワークカードならどれでも認証可能

物理アドレス(Macアドレス)は「A0-B1-C2-D3-C4-E5」のような感じの英数字12桁

以下の画像の赤塗りつぶし部

cmd_ipconfig_all02.jpg

物理アドレス(Macアドレス)を控えたら以下のライセンス申請ページに移動する

Gowin EDA ライセンスのご申請(https://www.gowinsemi.com/ja/support/license/)

gowin_eda_license01.jpg

以下の画像のように添付ファイルを受信可能なメールアドレスを指定して必須項目入力したら、先ほど控えた物理アドレス(Macアドレス)をハイフンを抜いて入力。

ちなみに会社名などは必須項目になっているので自営業や個人などと入力すれば問題ないです。
電話番号なども最悪適当でもOK。
(営業目的のようですが個人だと電話が掛かってきたことありません)

ライセンスの種類は「Local Only」を選択して、インストール環境のオペレーティングシステムを選択(今回はWindows)

ソフトウエアは「GOWIN EDA」をクリックして選択し、[ 国または地域 ]をプルダウンで選択。

最後の[ ライセンスの更新 ]は初回は「いいえ」を選択し、以降ライセンス更新の申請時に「はい」を選択する形になります。

必須項目が全部埋まったら認証コードの4桁を入力して[ 提出 ] をクリック。

GAWIN_EDA_Licence01.jpg

GAWIN_EDA_Licence02.jpg

翌日には申請時に入力したメールアドレスにライセンスファイルが添付されて届きます。

ちなみに私は自営業なので自分の屋号と本名で登録しました。

一応、返信メールのドメインは「@marubun.co.jp」でした。
中国から届くものよりは大分安心感があります。

(まぁ、今まで散々中華サイト登録しまくって利用してきたので今更ですが......)

※返信メールは法人からですが担当者名などは一応伏せさせて頂きます。

gowin_eda_license_mail01.jpg

返信メールには添付ファイルが2つ存在し、メール内で説明されている通り

  • gowin_XXXXXXXXXXXX.lic

    Gowin_V1.9.8以前のバージョンのライセンスファイル

  • gowin_E_XXXXXXXXXXXX.lic

    Gowin_V1.9.8.01以降のバージョンのライセンスファイル

となっています。

今回は最新のものをインストールしたので「gowin_E_XXXXXXXXXXXX.lic」の方を利用しますが、一応両方ダウンロードしておきます。

gowin_eda_license_mail02.jpg

次にライセンス認証を行います。

Gowin EDAのライセンス認証

まず、前項の「Gowin EDAのライセンス申請」で送られてきたライセンスファイルをデスクトップ等の分かり易い場所へ移動して用意してください。
(詳しい方やPC作業に慣れている方は不要)

ライセンスファイルの準備が出来たらGowin EDAのインストールフォルダに移動します。

インストール時にインストール先を変更してなければCドライブ直下の「C:\Gowin」です。

そこに「Gowin_license」というフォルダを新規で作成します。

gowin_eda_license_act01.jpg

「Gowin_license」フォルダを作成し終わったらそのフォルダに入り、用意したライセンスファイルをそこに移動してください。

gowin_eda_license_act02.jpg

ここまで終わるとライセンス認証の準備が出来たのでGowin EDAでライセンス認証を行います。

デスクトップのショートカットかスタートメニューからGowinを立ち上げます。

ライセンスファイルが開けないと怒られるので[ OK ]をクリックするとライセンスマネージャーが立ち上がります。

gowin_eda_license_act03.jpg

「License Configuration」の「Use Local License File」にチェックが入ってるのを確認して、[License File:]の横の[Browse...]をクリックして先ほど移動したライセンスファイルを選択。

さらにその下の[Check]をクリックして一応ライセンスファイルを確認。

gowin_eda_license_act04.jpg

「License is OK.」と出れば問題なくライセンス認証されてるので[OK]を押して閉じてください。

それ以外で怒られた場合はライセンスファイルが正しく選択されているかを確認して、再度ライセンスファイルを選択する所からやり直してください。

問題なくライセンスファイルの設定とライセンス認証が済めば[Save]をクリックしてライセンス設定を保存後、[Close]でウインドウを閉じてください。

gowin_eda_license_act05.jpg

ちなみに、ライセンス申請時に提出した物理アドレス(Macアドレス)のネットワークカードやデバイスがないと以下画像のように怒られます。

ライセンス認証出来ないの文言の後に、Host IDが合わないと出ます。

gowin_eda_license_act06.jpg

以上でTang Nano、Nano 4Kの開発環境であるGowin EDAの環境構築が終わりました。

以降は一部を除き(ここ大事)マニュアルや先人たちの解説通りに扱うことができます。

Gowin EDAの論理合成ツール(GowinSynthesis)の利用注意

比較的新しいバージョンのGowin EDAを利用する場合(特にサンプルコードのプロジェクトや他人が書いたプロジェクト)は論理合成時に注意が必要です。

古いGowin EDAではSynthesis Tool(論理合成ツール)に「SynplifyPro」を利用していました。

これは同じGowinが提供している別ツールでGowin EDAインストール時に一緒にインストールされGowin EDAで論理合成時に外部アプリケーションとして利用されていました。

そのため、古いバージョンのGowin EDAではライセンス認証時に別で環境変数にライセンスファイルの所在を登録してSynplifyProのライセンス認証を行う必要がありました。

しかし、比較的新しいバージョンのGowin EDAはSynthesis Tool(論理合成ツール)が「GowinSynthesis」を利用されるようになり、論理合成ツールがGowin EDAに統合されたため、環境変数を操作してSynplifyProのライセンス認証を行う必要がなくなりました。

公式のサンプルコードのプロジェクトや他の方が書いたプロジェクトはほとんど旧バージョンでSynthesis Tool(論理合成ツール)が「SynplifyPro」の時のもののため、そのまま論理合成を行おうとするとSynthesis Tool(論理合成ツール)が無いと怒られます。

以下画像は公式のLチカサンプルを開いてそのまま論理合成しようとした時のものです。

Design SummaryウインドウのSynthesis Toolの項目を見てもらうと分かるように「SynplifyPro」となっています。

gowin_eda_synthesis01.jpg

このようなエラーで論理合成出来ない時は[Synthesis]を右クリックして一番下の[Configuration]をクリック。

gowin_eda_synthesis02.jpg

設定ウインドウが開いたら何も変更せずに右下の[Apply]をクリックして適用後、[OK]を押して設定ウインドウを閉じる。

gowin_eda_synthesis03.jpg

これでSynthesis Toolが「GowinSynthesis」に変更され、[Synthesis]を右クリックから[Run]で論理合成できるようになります。

gowin_eda_synthesis04.jpg

Gowin EDA V1.9.8.01、V1.9.8、V1.9.6.01の3バージョン利用時の注意

現在の最新版であるGowin EDA V1.9.8.01では一緒にインストールされるGowin Programmerにバグがあり、「Cable Setting」の周波数が2Mhzから変更できません。
そのためSRAMへの書き込みのみ利用可能でFlashへの書き込みが出来ません。

設定にて周波数を2MHzから変更することはできますが、[Save]を押しても周波数が保存されず変更することができなくなっているので注意してください。

ちなみに、ひとつ前のGowin EDA V1.9.8だと「Cable Setting」の周波数は変更できますが、そもそもSRAMにもFlashにも書き込めないのでGowin Programmer自体利用不可です。

さらにもう一つ前のGowin EDA V1.9.6.01ではSRAMへの書き込みと「Cable Setting」の周波数の変更とFlashへの書き込みは可能ですが、Programmerが不安定でSRAM、Flash共に書き込めたり書き込めなかったりします。書き込めなくてもProgrammerを一度終了して起動しなおせば書き込めたりします。

現状次のアップデート待ちでGowin EDA V1.9.6.01を利用するのが無難ですが書き込めない時があるなど少々不安定でストレスが溜まると思いますので、SRAMへ書き込みテストしながら開発を行っている間はGowin EDA V1.9.8.01を利用し、開発を終えてFlashへ書き込みたい場合はGowin EDA V1.9.6.01を利用と使い分けるのが賢明なような気がします。

後書き

なんか記事を書いてるうちに画像まで用意しだしちゃって公式インストールマニュアル並みになってしまった。

自分が忘れた時用に備忘録的に書きましたが、今後Tang NanoやNano 4kを触り始める方の為になればと。

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