Webディレクターの @yonekawa_a です。
この記事は フォトクリエイト Advent Calendar 2019 の 11日目です。
ASC_runningの中の人をしています。こんにちは。
中の人といっても、某文具メーカさんとか、某硬いアイスバー販売さんとかのキラキラした企業アカウントさんたちを横目で見ながら、「サービスが更新されたよ」ということを地道に伝える活動をしてます。
この運営しているtwitterの大元であるサービスは、週末に開催されるスポーツイベントにカメラマンを派遣し、参加者の写真を撮影しwebで公開して購入してもらう、というものになります。主にtwitterでは、「 今週末の開催のどのイベントに撮影に行きますよ 」ということ、「 公開したらメールを送るので登録してね 」、「 公開したから見に来てね 」の3つを発信しています。
なぜwebディレクターがtwitter運用しているんだ?と言う疑問が湧くとは思うのですが、とりあえず置いといてもらって、今回はtwitterを更新するにあたってPDCAを回しながら更新しているお話をします。
そもそもPDCAとは?
社会人になるといきなり「PDCAを回せ!」と言われて、なんだそれはと戸惑う経験をする方は私以外にもいると信じているのですが、twitter運用する際にPDCAを取り入れてみたらと声をかけていただきました。
その際におすすめされて読んだ本は冨田 和成さんの 『図解 鬼速PDCA』です。
今日はこの本の内容を紹介するのではなく、実際に実行してみた話をメインにしたいので、実行時の考え方を簡単に説明します。
PDCAとは「 成果に導くための『仮説』を立てて実行するための確認項目 」と書かれています。
要するに成果が必ず出る「 だろう 」という仮説に対して具体的にどう動けばいいかを考え、実践し、出た結果に対して修正を加えるという考え方です。
また、PDCAには階層があり、分けると「 大PDCA(KGI) 」「 中PDCA(KPI) 」「 小PDCA(KDI) 」になっています。KGI(最終的な目標)を達成するために、大きく何をすべきかの指標であるKPIを立て、KPIを達成するために具体的に何をすべきかの指標であるKDIをたて、KDIを達成するために実際のタスクとしてTODOがあるという考え方です。図にするとこんな感じです。
ここでいうKGI・KPI・KDIとは下記のことを示しています。
KGI( Key Goal Indicator):最終的な目標(=ゴール)の達成率
KPI( Key Performance Indicator):KDIを達成したことにより達成できる指標
KDI(Key Do indicator):実際に立てたTODO(行動計画)の達成率
※KDIは「鬼速PDCA」の著者冨田和成さんが作り定義した言葉です。
というのを踏まえて、実際にtwitter運用に当てはめていきます。
STEP1:twitterでできることを考える
まず、大PDCAを回すためのKGIを考えます。その際にSNSを運用するにあたってSNSができることについて調べました。
この中で大きな目標として「商品販売」を選びました。
選んだ理由としては、twitterを運用する上で本当に売り上げが生まれるのか?工数かける意味があるのかを知りたいというところが大きいです。
商品販売の目標で「 どれくらいの売り上げを上げる 」=「 KGI 」となります。
KGIを達成するために(大PDCA)
まずKGIの目標として売り上げ金額を設定しました。
その売り上げを達成するために、できることを考え、考えた施策に対してさらに具体的な目標を立てていきます。(中PDCAへ)
今回は売り上げ金額を上げるにはまずサイトへ来てもらうことが大切という考えから「 クリック率のアップ 」を目標としました。
弊社のサービスはとても個人に寄り添うものなので、サービスへの流入が配布チラシやメールに頼りがちになってしまいます。そこで、SNSは3つ目の流入経路の確立を目指そうという形になりました。
STEP2:クリック率をアップするには
クリック率をアップするためには、当たり前ですがリンクをつけた投稿をしなくてはいけません。
ユーザーに伝えたいこととしては下記の3つになります。
- 今週末の開催のどのイベントに撮影に行きますよ
- 公開したらメールを送るので登録してね
- 公開したから見に来てね
このうち「今週末の開催のどのイベントに撮影に行きますよ」と「公開したらメールを送るので登録してね」は写真の公開前なのでいわゆる「公開通知メール登録をしてね」ということが訴求となります。
そして「公開したから見に来てね」は実際に「写真が公開されたので買いに来てね」ということが訴求になります。
このように、twitterでの発信内容として大きく「公開通知メール登録」「写真公開のお知らせ」の2種類にわけました。
クリック率アップという目標から具体的な2つの訴求の目標が生まれました。
ここからさらに実践レベルに目標と行動を移していきます(小PDCAへ)
課題を決めるPOINT
余談ですが、課題を決める際のポイントは下記の3つになります。
インパクト(効果):実現可能性は度外視してこれを改善したら理想的というもの
時間:その課題をクリアするまでにかかると想定されている時間
気軽さ:継続が大切。取り掛かりやすいもの・続けやすいものも基準にする
個人的にはこの中では特に「気軽さ」を重要視しています。
SNSという性質上、始めるのは簡単ですがやめるのも簡単です。ですがいきなり更新が止まってしまう企業アカウントというのはユーザにとっては不親切な気がします。ですので、出来るだけ続けられることを意識して課題やTODO設定を行なっています。
STEP3:日々の業務での動きを決める
ここまで来たらTODOまでに落とし込みます。
このTODOというのは「会社出勤する」を中目標と仮定した際に、「朝起きる」「着替える」「朝ごはんを食べる」くらいのやることリストみたいなものだと思っていただけるとわかりやすいかと思います。
今回は1つのイベントに対して2つのツイートすることが「TODO」となりました。
1つ目は「公開通知メール登録」訴求のツイート
これはイベント開催前に「カメラマンとして参加者のあなたを撮るよ!写真を販売する予定なのでメール登録すると便利だよ」を伝えるためのツイートです。
だいたい開催の2、3日前にします。
2つ目は「公開開始のお知らせ」ツイート
イベント写真の販売準備が整い、イベント参加者へ見てもらえる状態になった際に「写真をサイトで公開したから見に来てね(買ってね)」を伝えるためのツイートです。
写真公開日にだいたいツイートします。
※このTODOリストは運用開始2ヶ月後のTODOリストです。
TODOを確実に実行するという目標がKDIになります。
KDIを達成した結果に対してKPIの効果検証(check)を行い、調整(adjust)してまたTODO(KDI)に落とし込みます。という小さいPDCAサイクルを回していきます。
STEP4:実際に運用して改善する
とても長い前置きとなりましたが、twitterの運用までにここまで準備しました。
実際に運用を開始してツイート内容はもちろん、時間や画像に関して今回は「公開通知メール登録」訴求のツイートに対して、どのように改善を行なっているかを書きます。
運用開始時の「公開通知メール登録」訴求のツイート
- URLとメール登録しての一言
- 複数イベントを同時に行なっている
- イベント3日前の18時前後にツイート
- 画像はつけていない
PDCAを回し改善した後の「公開通知メール登録」訴求のツイート
- URLとメール登録しての一言+新しく撮影に入る場合にはその旨を伝える
- 1イベントに対して1つのツイート
- イベント3日前のお昼12時前後にツイート
- イベント開催当日にもツイートする
- イベント終了時間に合わせてツイート
- 画像をつける
改善点について
改善点①URLとメール登録してくださいの一言
URLとメール登録しての 文言の見直し + 新しく撮影に入る場合にはその旨を伝える ように改善しました。
撮影に入るよという認知のため一言つけたりします。特に初めて撮影に入るイベントや数年ぶりに開催や撮影に入るイベントに対してはカメラマン=オールスポーツ の認知に繋がって欲しい狙いがあります。
また「 写真公開後、メールにて公開通知が受け取れる「公開通知メール」の登録受付中です! 」という具体的な文言にすることでユーザーが主体的にクリックしてくれるように見直しをしました。
改善点②複数イベントを同時に行なっている
1イベントに対して1つのツイート
最初に運用をしていた頃はユーザーへどのような訴求の仕方をしたらいいかわからず、とりあえず情報をということで1ツイートに2つ以上のイベントをつけて投稿を行なっていました。
それをやめて、1つ1つのイベントに対して1ツイートと変えました。
理由としては2つ。1つ目はイベントの公式さんが気づいてリツイートしてくださる率が上がる点、2つ目は効果測定をしやすい点です。
SNSでのユーザーの関心が強いイベントや、イベントに対しての反応などを数字で追うことができるようになりました。
改善点③イベント3日前の18時前後にツイート
イベント3日前の お昼12時前後 にツイート
帰りの時間を狙ってお昼にしていたのですが、今週末のイベントにこれから参加するランナーさんは夜走っていることが多いので、お昼休憩の時間を狙って投稿するようにしました。
数字にも結構顕著に表れていました。
また反対に、写真を公開したツイートは公開日の夕方にツイートをしています。それは先週イベントに参加したランナーさんが週末ゆっくり写真を見て、イベントを思い出してもらうきっかけになりやすい時間帯が夕方だったためです。
改善点④ 画像はつけていない
画像をつける
これも顕著に反応に差がありました。
画像をつけるとき、これから撮影のイベントに対してどんな画像がいいかと考えたんですが、弊社は毎年撮影に入らせていただいていることが多いので昨年イベントの画像を使って画像を作成しています。画像選びのポイントは、参加者が「みたことある」「イベントに確かにあった!」と既視感や親近感がわく画像を基準に選んでいます。
改善点⑤イベント開催当日にもツイートする←new!
イベント終了時間に合わせてツイート
運用開始当初は行っていなかった投稿です。これまで「公開メール登録訴求」はイベント開催3日前くらいのツイートのみだったのですが、一番ユーザーの関心が高まるイベント当日のイベントが終わったタイミングを試してみたところ、思いの外多くの反応を得られました。
ですが、イベント開催3日前くらいにツイートというのもイベント主催者が気付きやすい、イベント前に弊社のサービスを知って、実際にイベント当日カメラマンを見つけポーズを取って映える写真を取ってもらう=購入意欲のUPに繋がるのではと思い運用後、イベント3日前とイベント当日と訴求内容は同じですがツイートをするようになりました。
効果としては全体的に公開通知メール登録者のアップがありました。
まとめ
このように日々のツイートをしながら、効果検証をし、少しずつ文言を変えたり、投稿時間を変えてみたり、画像をつけたりと試行錯誤しています。
フォロワーアップ施策を無理に打たなくても、地道に少しずつ改善を加えながら継続的にツイートすることでフォロワー数も少しずつですが増えてきました。また、 PDCAを回す=継続運用 の、かなり地道な改善を重ねていくことで、当初の目的の一つであるtwitterからの流入も大きく伸びました。
日々改善していることは本当に微々たることですが、継続して行う前提としているので無理のない範囲で他業務と兼用しながら行っています。
最初にしっかりと目的を作ってPDCAの階層ごとの目標を定めた上でTODOに落とし込むので、実際に何をしないといけないんだと迷う時間が大きく減って、動きやすいです。
今回のこの記事では、twitterの運用に対してPDCAを回すという紹介をしました。twitterだけでなく、こうした小さいPDCAを回してユーザーに使いやすいものに改善していくという考え方は、運営しているサービスに対して活かしていけると思います。
最後に
フォトクリエイトでは自分で計画、実行を実現できる環境があります。少しでもご興味をお持ちいただけたようでしたら、人事部門の担当者 twitter: @tetsunosuke へお知らせください。
(※1)引用)schooからWebマーケティングの基本とアクセス解析
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