はじめに
YADEでのシミュレーションは、基本的に「シミュレーションの手順を書いたPythonスクリプト(.py)ファイル」を作成し、それを「YADEの実行環境で動かす」という流れで行います。
この記事ではUbuntuのターミナルのみを使って、
- スクリプトファイルを作成・編集する方法
-
作成したスクリプトファイルを実行する方法
の2ステップを解説します。(前の研究から時間が空きまくって起動や作成の方法を忘れたため冷や汗かきつつ備忘録を残しておこうとしたまでです)
1. YADEスクリプトファイルの作成・編集
ここでは、Ubuntu二標準で搭載されているシンプルなテキストエディタ「nano」を使う方法を紹介します。
ステップ1:nanoでファイルを開く
まず、ターミナルで作業したいフォルダに移動し、以下のコマンドを実行する。ここでは例としてpracticeフォルダのpractice-01.pyというファイルを開くとする
cd practice
nano practice-01.py
これを実行するとターミナルが切り替わり、nanoエディタが開けます。
ステップ2:コードを書き込む
エディタが開いたら、チュートリアルなどのPythonコードを入力していきます。
ここではまあ実例は面倒くさいためチュートリアルが載っている公式URLを貼りつけておきます。
ホンマに簡単な例で書いときます。(自分アホなのでこれやっとかな忘れてそうなので)
# print文でテスト
print("YADEスクリプトファイルの作成に成功しました!")
# 3Dビューを開くための準備
from yade import qt
# 3Dビューのウィンドウを開く
qt.View()
正直print()だけでいいっちゃいいのですが、このシミュレーションの醍醐味はなんといっても3Dシミュなので、例示しておきます。
↓こっちは実際の3Dシミュレーションのチュートリアルです。ぜひぜひ遊んでみてください
https://yade-dem.org/doc/tutorial-examples.html
ステップ3:保存して終了する
ここがnanoの少し特殊なところで、操作はCtrlキーとアルファベットで入力します。
-
Ctrl+O(Write Out = 保存)
これを押すと画面下に保存するファイル名(今回ならpractice-01.py)が表示されます。
そのままEnterキーを押して、保存を確定します。 -
Ctrl+X(eXit = 終了)
これを押すとnanoエディタが終了し、もとのターミナルに戻ります。
これでpracticeフォルダにpractice-01.pyというスクリプトファイルが作成されました!
2. YADEシミュレーションの実行
スクリプトファイルが準備できたらいよいよ実行です。
ステップ1:スクリプトのあるフォルダに自分が今いることを確認
ターミナルが先程ファイルを作成したフォルダ(今回ならpractice)にいることを確認します。
もし違う場所にいたらcdコマンドで移動してください。
ステップ2:yadedailyコマンドで実行
yadedaily(yadeの場合もあり。自分の環境ではdailyの方でした)コマンドの後ろに実行したいファイル名を指定します。
yadedaily practice-01.py
実行結果の例
ステップ1で入力した例のとおりであればターミナルには
YADEスクリプトファイルの作成に成功しました!と表示され、
同時にYADEの操作パネルと3Dビューのウィンドウが新しく出てくるはずです。
おわりに
これで「ファイルを作成→コードを編集→保存→実行」というシミュレーション開発の基本的なワークフローが完成しました。
次の記事では主に使う関数やそれの引数についての備忘録を書くつもりです。
基本自分宛ての備忘録として書きますが、もし見てくれた方がいるなら、その方のお役に立ててれば幸いです。