コーデック
特許
AV1

AOM AV1コーデックと特許管理

Alliance for Open Media(AOM) により開発されているロイヤリティ・フリー(Royalty-Free)な動画像コーデック「AV1」と、同コーデックにおける特許(Patent)の考え方についての情報収集メモ。

超要約:

  • コーデック仕様エンコーダ/デコーダ実装 の ロイヤリティ・フリーを保証する。
  • この保証が 現在から将来に渡って担保される よう最大限配慮されている。特に 防御的解除 条件により特許訴訟への対抗策が明示されている。
  • 防御的解除=(発端の)訴訟を起こした団体/個人に対して、即時のライセンス解除を発動する。

旧来のMPEG系コーデックとの違い:

  • AV1では 特許ライセンス許諾範囲がエンコード処理を包含する。MPEG系ではデコード処理の必須特許のみが許諾範囲であり、エンコーダ実装には別途での考慮が必要であった。
  • AV1では 特許ライセンス許諾範囲がエンコーダ/デコーダ実装を包含する。MPEG系では参照エンコーダ/デコーダ実装のソフトウェア・ライセンスは特に統一されていない。
  • AV1では コーデックの初期策定段階から ロイヤリティフリー実現にむけてた合意を行っている。MPEG系では妥当で公平なライセンス(RAND)条件への同意のみであり、具体的な特許使用料の議論は仕様策定の後で行われている。

Alliance for Open Media Patent License 1.0

https://aomedia.org/license/patent-license/

(下記の日本語抄訳は部分的な意訳であり無保証の参考情報にすぎません。)

  • 各ライセンサー(Licensor)は、本ライセンスにある条項および条件に従うことを前提に、自己および承継人と譲受人を代理して、あらゆる実装(Implementation)を製造、使用、販売、販売の申し出、輸入または頒布するための必要請求項(Necessary Claims)を、譲渡不能で(non-sublicensable)、永久的に(perpetual)、全世界で(worldwide)、非排他的に(non-exclusive)、無償で(no-charge)、ロイヤリティー・フリーの(royalty-free)、(本ライセンスで明確に記述されるものを除いて)解除不能な(irrevocable)特許ライセンスを、ライセンシー(Licensee)に対して付与する。
  • 防御的解除(Defensive Termination): 万一、いずれかのライセンシー(Licensee)、その関係者(Affiliates)または代理人が、特許訴訟を開始ないし提出、支持した、もしくは他団体や個人に対し任意の実装(Implementation)の必要請求項(Necessary Claims)侵害を主張する訴訟へ加わった場合、本ラインセンスの下でライセンシー(Licensee)に付与された特許ライセンスは、1)その訴訟が開始団体による実装(Implementation)に関する最初の訴訟提起へ応えるものである、または 2)その訴訟が本ライセンスの解除を強制する提起(ライセンシー(Licensee)による第三者行動の参加を含む)である場合を除き、行動の開始日をもって即時解除される。
  • 必要請求項(Necessary Claims)とは、(a)現在および将来の任意時点でライセンサー(Licensor)に保有ないし管理され、(b) (i)仕様(Specification)をW3C勧告とみなしてW3C Policy as of February 5, 2004で定義される必須請求項(Essential Claim)、または (ii)参照実装(Reference Implementation)により侵害される、あらゆる特許の請求項を意味する。
  • 実装(Implementation)とは、参照実装(Reference Implementation)を含む、エンコーダ(Encoder)かつ/またはデコーダ(Decoder)を意味する。
  • 参照実装(Reference Implementation)とは、Alliance for Open Mediaから最終成果(Final Deliverable)としてリリースされるエンコーダ(Encoder)かつ/またはデコーダ(Decoder)を意味する。

参考