毎度、ググっても出てこない小ネタを取り扱っております。
本記事は個人的な見解であり、筆者の所属するいかなる団体にも関係ございません。
0. はじめに
弊社スタイルズでは、GitLabのEnterpriseEditionを利用しております。
利用しておりますと言っても、使っているのはStarter Editionで月額 $4/人の低価格のものです。
Why Starter/Bronze? | GitLab
https://about.gitlab.com/pricing/starter/
このStaterEditionの100人分のライセンスを1年分購入しています。
このライセンスを使う時に、何人が使っているかを計算する方法について解説します。
1. True Up Model
ライセンスを100人分買っても、50人しか使ってなかったらもったいないですよね。
とすると実際の使用人数に合わせたライセンス数を買いたいと思うと思います。
しかし、50人分で買って充分だと思ってたのに予想外にユーザー数が増えて70人になってしまった。
50人のライセンス数を越えたら、51人目はすぐに使えなくなっちゃうの?
そうなると、あと20人分追加で買わないといけないの?
その時に最初に買った50人分の利用期限の1年とずれちゃうよね?
と、いろいろ問題が出てきます。
時々嘘をつく人がいて、50人分で買ってたのに70人で使っちゃえ!なんて人もいるかもしれません。
20人分ただで使えるじゃん!
そういう問題を解決するのが GitLabのtrue-up-modelです。
Pricing model | GitLab
https://about.gitlab.com/handbook/ceo/pricing/#true-up-pricing
1-1. ライセンス数を越えたら使えなくなるの?
まず、ライセンス数を越えた場合の挙動について解説します。
ライセンス数を越えても利用できます。
50人分のライセンスを買っておいて、70人で利用することも可能です。
1-2. じゃあ、少ない数で購入しておいて、70人で使えばいいじゃん?
残念ながらそうはいきません。
70人利用開始すると、Active Userが70になります。
以下のスクリーンショットを見てください。
赤枠で囲った88が現在ログインできるユーザー数です。
88人のユーザーが登録されていてログインできるということが分かります。
で、このActive Usersは、真ん中の欄の一番上の紫の枠のMaximum Usersに反映されます。
このMaximum Usersはハイウォーターマークなので、一旦上がると下がることはありません。
次年度更新時には、リセットされるはずです。
つまり、上の図では、現在は利用者数が88人だが、過去 91人までActive Usersが上がったことがあった。ということを示しています。
(その後、利用者を無効化して88人になっています)
オレンジのUsersが122と91を越えているのは、登録はされているが利用していない無効になっているユーザーが34人いるということを示しています。
LDAP接続している場合にはどうなるか?
LDAP接続していても、ログインしない限りは、Active Usersにカウントされません。
2. Maximum Usersは何にきくのか?
Maximum Usersは、次年度更新時の最低ユーザー数としてカウントされます。
つまり、50人分でライセンスを購入したけど、利用者数が70人になってしまった。
という場合、次年度の更新時の最低ユーザー数は、70人分~になります。
もし、それで100人分のライセンスを購入すれば問題ありませんが、50人分のみのユーザーライセンスを購入するすることはできません。
3. True Up Modelについて
なかなかよいライセンスモデルだと思います。
次年度更新しなければ、1回だけライセンス数をオーバーすることもできますが、基本的に次年度更新もする筈なので、次年度更新時に回収されます。
ライセンス数を厳密に一定のユーザー数で制限してしまうと、それはそれでユーザービリティの低下や請求の手間が発生するので手間の方が大きくなり、利用者とライセンス提供者の双方にデメリットが生じます。
その中間をうまく取った考え方だと思います。