プログラミングを始めるなら、Pythonがベストです。
そしてAIをパートナーにすれば、想像以上のことができます。
Pythonを独学するための本として「独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで」という本が昔は有名でした。でも、AIをメンターとすることで、その本すら必要ありません。
Qiitaには、以下のような記事がたくさんあります。
「Pythonで複数ファイルをダウンロードしたい」
「PDFをマージしたい」
「plotlyでグラフを描きたい」
これらはClaudeに聞けば、動くコードがすぐに返ってきます。
ドキュメントを読む必要も、チュートリアルを写経する必要もありません。
「AIにコードを書くことを任せたら実力がつかない」と思っている人が多いかもしれません。
本当にそうでしょうか?
動くものを作りながら学ぶ方が、実力がつきます。
この記事では、AIと共同開発するとはどういうことかを、具体的な事例で説明します。
そして、AIがあっても人間にしかできないことが何かを明らかにします。
なぜPythonなのか?
プログラミング言語は数多くありますが、Pythonほど初心者に優しく、かつ本格的な言語はありません。
そして何より、AIがPythonを書くのがとても上手です。
あなたがやりたいことを伝えれば、AIが美しいPythonコードを書いてくれます。
本を買うより、AIに本をつくらせる
【従来の学習】
本を買う → 読む → 古い情報 → 自分のケースに当てはまらない → 挫折
【AI時代の学習】
AIに聞く → 最新情報 → 自分のレベルに合わせた説明 → 自分のプロジェクトで実践
OSSのライブラリであれば、公式ドキュメントは常に公開されています。
AIはそれを読み込んで、あなた専用のチュートリアルを作ってくれます。
本を買う必要はもうありません。本を買ってもその内容はすでに古いのです。
開発環境
コード補完の時代は終わり、エージェントの時代になりました。コードを書くことをAIに任せられる時代です。
私の開発環境
【私の構成】月額$40
├── Claude Pro $20(Opus 4.5との対話 + Claude GitHub)
└── Google AI Pro $20(Antigravity + 画像生成など)
Claude GitHubは、GitHubリポジトリをClaude.aiに直接接続できる機能です。リポジトリのコードをコンテキストとして与えることで、プロジェクト全体を理解した上での対話ができます。
Antigravityは、2025年11月にGoogleが公開したエージェントファーストのIDEです。VS Codeベースで、Gemini 3 ProやClaude Opus 4.5, Sonnet 4.5などのモデルが使えます。公開当初は無料枠が寛大でしたが、現在は本格的にコードを書く場合はGoogle AI Proへの加入が必要です。
私はAntigravityでClaude Sonnet 4.5を中心に使い、PythonとFlutterの実装をしています。Claudeを使うのは、Clode codeより便利ですが、Antigravityは不安定なので、デバッグ・実行はターミナルやAndroid Studio / PyCharmで行っています。
なぜClaudeか?コーディング能力が高く、対話が自然で、日本語も優れているから使いやすいです。SWE-bench Verified では、Opus 4.5 がトップの成績を残しています。
バイブコーディングではなくて、設計をすれば月$40の課金でも不足することはないです。
初心者におすすめの構成
【初心者向け構成】月額$40
├── Claude Pro $20(対話 + Claude GitHub)
└── Cursor Pro $20(開発環境)
私がAntigravityを使うのは、PyCharmに慣れていて、VS Codeは使ったことがないからです。初心者であれば、Cursorから始めるのがお勧めです。
Cursorの利点:
- VS Codeベースで軽量・使いやすい
- 安定性が高い(すでに成熟している)
- 単体でデバッグまで完結
- 8GBマシンでも動作可能
事例:天気予報アプリ
Open-Meteo API(ECMWF)から10日間の天気予報を取得し、グラフとテーブルで表示するアプリをテスト的に作って見ました。
ドメイン知識が鍵
❌ 漠然とした質問:「天気予報アプリを作りたい」
→ 一般的なAPI(OpenWeatherMapなど)しか出てこない
✅ 具体的な質問:「Open-Meteo APIのECMWFモデルを使って、10日間の天気予報を取得するPythonコードを書いてください」
→ 完璧な実装が返ってくる
Open-Meteo + ECMWF(世界最高精度)が無料で使える——これを知っているかどうかが決定的な差になります。AIは万能ではありませんが、正しい質問をすれば最強のパートナーになります。公開する場合は月100万APIコールが€29なのでそれほどの負担になりません。
GUIが苦手? 大丈夫
tkinterで動くものはできたけど、画面が古臭い。「もっと見た目の良いフレームワークは?」と聞いたら、PyQt6、Flet、Flutterを提案されました。
従来: どれか選んで本を読む → 1週間かけて実装 → 間違えたら無駄
AI時代: 「全部作って」と言うだけ → それぞれ完成 → 動かして比較
私はどれも使ったことがありませんでした。でも全部のアプリができました。GUIはAIとの相性が抜群です。パターンが決まっていて、見た目で正しいか確認できるから。
Flutterならモバイルアプリにも展開でき、AIエージェントの組み込みもできました。
🚀 AIエージェントも簡単に組み込める
ここからが、本当にワクワクするところです。
Claude Agent SDKを使えば、AIエージェントをアプリに組み込むことができます。しかも、驚くほど簡単に。PythonでもFlutterでも動きます。
AIが天気予報を解説してくれる
from claude_agent_sdk import query, ClaudeAgentOptions
async for message in query(
prompt="この10日間の天気データを分析して解説してください...",
options=ClaudeAgentOptions(allowed_tools=[])
):
print(message.text)
たったこれだけです。
ClaudeがECMWF 10日間予報を分析し、週間天気の流れ、寒気の南下予測、注意すべき強風・寒波などを解説してくれます。
しかも、チャット形式で追加質問ができます。
「クリスマスの天気は?」「傘は必要?」といった質問に、取得した気象データに基づいて回答してくれます。
AIエージェント組み込みの敷居が下がった
以前なら、AIをアプリに組み込むには複雑な実装が必要でした。今はSDKを呼び出すだけ。Pythonを少し書ければ、あなたのアプリにAIの力を加えられます。
これがPythonの素晴らしさです。 シンプルな言語だから、新しい技術もすぐに取り入れられます。
結論:Pythonから始めよう
個人開発者に必要な2つの力
1. ドメイン知識
「Open-Meteo + ECMWFで世界最高精度の天気予報が無料で使える」
これを知っているかどうかが、決定的な差になります。
2. 設計力(何を作るか決める力)
どんな機能が必要か、どう組み合わせるか、どんなUIにするか。
この構想を描けるかどうか。
実装力は、もうAIが持っている
コードはAIが書いてくれます。
GUIもAIが作ってくれます。
AIエージェントの組み込みも、SDKを呼ぶだけ。
あなたは「何を作りたいか」を考えるだけでいい。
一人で開発を始めて、気づいたらそれが素晴らしいアプリになっている。
Pythonなら、それができます。
今日から始めてみませんか?
コミュニティで情報交換しませんか?
AIと共に開発する環境や手法について、もっと深く話したい方のために、コミュニティを立ち上げました:
- Discord サーバー: AIエージェント実践Lab
- Facebook グループ: AIエージェント実践Lab
興味がある方は、よかったら参加してください!
参考リンク
この記事で作成したコードはGitHubで公開しています。

