はじめに
いまMagicPodは、Autopilot / AIアサーション / AIロケータなど、次々とAI機能をリリースしています。
しかし、実際に「どれが、何を、どこまで助けてくれるのか?」を把握するのは、正直しんどい。
ならば、AI自身にMagicPodを語ってもらえばいい。
本稿では、MagicPod MCP(Model Context Protocol)サーバーを通じてAIに質問しながら、MagicPodのAI機能群を整理・解説していきます。
“AIがAIを説明する時代”の到来を、あなたも体感してみませんか。
本題
MagicPod MCPサーバーとは
MagicPod MCPサーバーは、AIエージェントからMagicPodの機能を直接操作・問い合わせできるブリッジとなるモジュールです。2025年4月にベータ版がリリースされ、現在も機能拡張が進行中です。
MCPサーバーでできること(現状)
- テスト実行の自動化:Web APIを経由して、テストケースの一括実行や特定条件でのフィルタリング実行が可能
- 実行結果の取得・分析:テスト結果の統計情報やメタデータを自動取得
- ヘルプセンター参照:MagicPodのドキュメントをAIが自動検索し、使い方やトラブル解決を提案
今回は、3つ目の「ヘルプセンター参照」を利用します。
セットアップ
MagicPod MCPを使うには、まずセットアップが必要です。難しくありません。
今回はClaude Desktop を使用します。
必要なもの
- Claude Desktop
- Node.js(npxコマンド)
- MagicPodのAPIトークン
Claude Desktopの場合
設定ファイルを編集
-
macOS:
~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json
以下を記述(YOUR-API-TOKENはMagicPod「システム連携」ページで取得):
{
"mcpServers": {
"magicpod-mcp-server": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "magicpod-mcp-server@latest", "--api-token=YOUR-API-TOKEN"]
}
}
}
Claude Desktopを再起動すれば、AIチャットからMagicPod MCPサーバーが利用可能になります。
ヘルプページを読んでいそうです!
MagicPodのAI機能を整理する
では、MagicPod MCPを使いながら、MagicPodの生成AI機能を整理していきましょう。
MagicPodに搭載されているAI機能
MagicPod内には、複数のAI機能が存在します。
| 機能名 | 役割 | AIクレジット消費 |
|---|---|---|
| MagicPod Autopilot | テストケースの自動生成・修正提案 | 消費あり(平均1.5/セッション) |
| AIアサーション | 自然言語で書いた期待値をAIが自動判定 | 消費あり(平均0.02/実行) |
| AIロケータ | UI要素の自動検出・ロケータ生成 | 消費なし |
| 自動修復 | UIの変更を自動検知してスクリプトを修正 | 消費なし |
AIクレジット消費機能の「MagicPod Autopilot」と「AIアサーション」は、月額課金に加えて別途AIクレジットが必要になります。スタンダードプラン2025では毎月20クレジット無料付与されるため、計画的に利用することが重要です。
実際に聞いてみた例
質問1:AIアサーションの使い方
Q: MagicPodでAIアサーションを使う場合の最適なシーン教えてください
回答(MCPサーバー経由)
AIアサーションは以下の3つのシーンで効果的です:
- データ意味の理解が必要なチェック:検索条件と結果の整合性、在庫状態の確認など、従来は複数の確認コマンドの組み合わせが必要だった案件
- 動的に変化する複雑な画面:一覧画面やフィード画面など、内容が常に変わるため安定したロケータベースのテストが難しかった領域
- 人間の感覚が必要なチェック:デザイン崩れの確認、コントラスト比、テキストの可読性など、従来は目視確認に頼らざるを得なかった項目
注意点:既存のコマンド(画像差分チェック等)で十分テストできている場合は、わざわざAIアサーションに置き換える必要はありません。クレジット消費を避けるため、本当に必要な箇所だけに限定することをお勧めします。
このように、MCPサーバーはドキュメント内容を自動検索し、単なる機械的な説明ではなく、実践的な活用シーンを提示してくれます。
質問2:AIロケータと従来のロケータの違い
Q: MagicPodのAIロケータは他のAI機能と何が違いますか?また、クレジット消費は発生しますか?
回答(MCPサーバー経由)
AIロケータは他のAI機能と異なり、AIクレジットを消費しません。
- MagicPod Autopilot:テスト全体の生成・修正に使用、クレジット消費あり
- AIアサーション:期待値の自動判定に使用、クレジット消費あり
- AIロケータ:UI要素の検出に使用、クレジット消費なし
AIロケータは「リアルタイム簡単テスト作成」機能の一部として、全プランに無料で含まれています。アプリ画面からAIが自動的にクリック可能な要素を検出し、ロケータ候補を提示する仕組みです。これにより、ユーザーは検出された要素を選ぶだけで、安定性の高いロケータを簡単に設定できます。
このように、似た名前の機能でも仕様が大きく異なる場合があり、MCPサーバーに質問することで即座に整理できます。
質問3:AIクレジットのコスト試算
Q: スタンダードプラン2025で毎月20クレジット無料で、
Autopilotを月平均1.5クレジット/セッション消費するなら、月何セッションまで実行できますか?
初回無料枠も含めて教えてください
回答(MCPサーバー経由)
スタンダードプラン2025の場合:
毎月の無料利用:
- 毎月20クレジット(毎月1日付与、月内消費が必須)
初回無料利用:
- 初回登録時に100クレジット一括付与
- 有効期限は90日
計算例:
- 毎月無料20クレジット ÷ 1.5クレジット/セッション = 月約13セッション
- 初回100クレジット ÷ 1.5クレジット/セッション = 初回約66セッション(90日間有効)
AIアサーションと組み合わせると、1セッション + AIアサーション1000回実行で約0.52クレジット消費されるため、より効率的に利用できます。
定量的な試算もMCPサーバーが自動計算してくれるため、企業の稟議や予算計画に即座に反映できます。
AIクレジット戦略
MagicPodのAI機能を活用する上で、AIクレジット管理は必須です。
クレジット消費リスク対策
現状、MagicPodではプロジェクト単位でのAI機能の無効化設定がありません。ただし、エンタープライズプラン向けに「プロジェクトごとのオプショナル機能制御」が近日中に提供予定とのこと。
今からできる対策:
- 組織更新権限を最小限のユーザーに限定
- 月次監査ルールで「AIクレジット利用状況」ページを確認
- 現場ルールで「AIアサーションは本当に必要な箇所だけ」と周知
MagicPod MCPの今後の展開
現在ベータ版のMagicPod MCPですが、公開ロードマップでは以下が予定されています。
- 自動修復の高度化
- より複雑なテストシナリオへの対応
MCP標準の拡大に伴い、他のツール(CI/CDツール、監視ツール等)との連携も加速するでしょう。
まとめ
今回は、MagicPod MCP「ドキュメント検索の自動化」をご紹介しました。
また、以下の観点で
✅ 効率化:複雑なテスト管理タスクが自然言語で実行可能
✅ 意思決定支援:テスト結果分析が自動化され、改善ポイントが明確化
✅ 学習コスト削減:ドキュメント理解が不要。知識がなくても使える
✅ 拡張性:他のMCPサーバーとの連携で、テスト自動化が次のレベルへ
MagicPodを導入済みの組織であれば、MCPサーバー統合は確実に投資価値があります。ベータ版の段階から試しておくことをお勧めします。
参考リンク
- MagicPod MCPサーバー(ベータ版)- 公式ドキュメント
- MagicPod AIクレジット - 公式ドキュメント
- MagicPod Autopilot - 公式ドキュメント
- AIアサーション - 公式ドキュメント
- MagicPod MCPサーバー GitHub リポジトリ
記事作成日:2025年11月11日
参考ドキュメント版:2025年11月11日時点の公式サポートサイト
