ChatGPTに質問すると、うまくいく日もあれば、同じ聞き方なのにまるで的外れな答えが返ってくる日もある。そのたびに言い回しを足したり削ったりして、勘で直しているうちに、何が効いたのか自分でも分からなくなる。『大規模言語モデルを使いこなすためのプロンプトエンジニアリングの教科書』は、その「勘」の部分を、技法として順に整理してくれる本だ。
基本から複雑な技法まで、順番に並んでいる
本書は、大規模言語モデルの応答を改善・向上させる方法を、基本的なものから複雑なものへと紹介していく。第1章でプロンプトエンジニアリングと大規模言語モデルの関係を押さえ、第2章で入門、第3章で基本タスク、第4章でFew-shotプロンプトと性能向上のテクニックへ進む。聞き方を変えると答えがどう変わるかを、段階を踏んで確かめられる並びになっている。
業務で使う人にも、アプリに組み込む人にも
一般的な業務でChatGPTを使う人と、アプリ開発で使いたいエンジニアの、両方を想定した内容だ。第5章にはテンプレートを使ったプロンプト集があり、後半の第6章ではWeb APIとオープンなLLMの使い方、第7章では高度なプロンプトエンジニアリングの手法を組み込んだプログラム例が載っている。画面で試すところから、コードで呼び出すところまで、同じ本の中でつながる。
対象はChatGPT(3.5/4)、Google Gemini、Anthropic Claude、Microsoft Bingチャット、Llama 2などのオープンなモデルで、特定のサービスに限らない汎用的な技術を身につける作りになっている。
読んでおきたい理由
- 答えがぶれたときに、プロンプトのどこを直すかを、技法の名前で考えられるようになる
- 第4章のFew-shotなど、性能を上げる技法を、順を追って試せる
- 第5章のテンプレートを、日々の業務のプロンプトの出発点に使える
- 第6章でWeb APIの呼び出し方に触れられるので、画面で試した聞き方をそのままコードに移せる
- 416ページあり、入門から応用までを1冊で通せるので、あとで引き直す手元の資料にもなる
まとめ
プロンプトは、慣れで書くこともできるが、技法として知っておくと、直す場所が見えるようになる。まずは第2章と第4章を読んで、いま困っている聞き方を1つ選び、書き方を変えて答えがどう変わるか比べてみてほしい。