先輩が作った構成図を見ながらルーターやスイッチの設定はできる。でも自分でゼロから「このセグメントはVLANをどう切るべきか」「冗長化はどこまでやるべきか」を判断しろと言われると、途端に手が止まる。既存の構成を真似するだけでは、いざ新しいサーバーサイトを設計する場面で通用しない。『インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門 第2版』は、その設計判断の根拠になる考え方を、実際の設計手順に沿って示してくれる本だった。
アドレス設計とVLAN設計の「決め方」が具体的
本書はサーバーシステムを支えるネットワークがどう組み立てられているかを、アドレス設計、VLAN設計、冗長化、仮想化という切り口で解説している。単に技術用語の意味を説明するのではなく、実際に設計する際にどういう基準で決めるべきかという判断軸まで踏み込んで書かれていて、構成図を「読む」側から「作る」側に一歩進める内容だった。
第2版で高速化技術と仮想化設計が補強されている
第2版では2.5G/5GBASE-Tや10GBASE、40GBASE、100GBASEといった高速ネットワーク技術に加えて、サーバー/ネットワークの仮想化設計の手法が新たに盛り込まれている。オンプレミスとクラウドが混在する現在の環境を設計するうえで、この仮想化まわりの知見は特にありがたかった。
読んでよかったポイント
- VLAN設計の章を読んでから、既存の構成を真似るのではなく、通信要件から逆算してセグメントを切る考え方が身についた
- 冗長化の章が、コストと可用性のバランスをどう取るかという判断基準を具体的に示してくれて、上司への説明資料が作りやすくなった
- 400点を超える図解が随所にあり、文章だけでは掴みにくいネットワーク構成のイメージを視覚的に確認しながら読み進められた
- 仮想化設計の章を読んでから、物理構成とオーバーレイネットワークの関係を整理して説明できるようになった
- 高速ネットワーク技術の章が、次期リプレイスの技術選定を検討する際の判断材料になった
まとめ
構成図を真似るだけの設計から抜け出すには、判断の根拠を自分の中に持つ必要がある。まずは自分が担当しているネットワークの一部分について、本書のアドレス設計の章に沿って設計理由を言語化してみてほしい。