監視項目をどんどん足しているのに、夜中のアラートは減らず、障害の本当の原因には気づけない。何を監視して何を捨てるかの基準がないままだと、運用は疲れるばかりで、監視の仕組み自体が信用されなくなる。『入門 監視 ―モダンなモニタリングのためのデザインパターン』は、監視の基本原則から、各領域での設計までを順に説明してくれる本だ。
前半で、監視の原則とパターン、アンチパターンを押さえる
前半は、監視のベストプラクティスと、デザインパターン、アンチパターンが中心になる。ツールの使い方の前に、何を目的に何を見るのかという考え方を固められる構成だ。
後半は、領域ごとに監視の基盤を作る
後半は、フロントエンド、アプリケーション、サーバ、ネットワーク、セキュリティの各テーマで、強力な監視の基盤をどう設計して実装するかを示している。付録には、日本語版ならではの、監視SaaSの導入や活用方法も収録されている。
読んでおきたい理由
- 原則の章を読むと、アラートを増やす前に、何のために見るのかを、チームで話し合う材料が手に入る
- アンチパターンを知っておくと、いまの監視設定のどこが疲れの原因なのかを、見直しやすくなる
- フロントエンドからネットワークまでの領域別の章が、監視の抜け漏れを点検するチェックリストになる
- セキュリティの監視にも触れているので、運用とセキュリティの境目を整理するきっかけになる
- 付録の監視SaaSの話が、自社に合うツールを選ぶ前の、考え方の下敷きになる
まとめ
監視は、増やすほど安心になるわけではなく、設計の良し悪しで運用の負担が決まる。まずは、直近1か月に鳴ったアラートを書き出して、その中で実際に対応が必要だったものがいくつあったかを数えるところから試してみてほしい。