MuleSoft Anypoint Platformの構成要素と、その配置パターンの組み合わせからなるデプロイメントオプションについて説明します。
Plane
Anypoint PlatformにはControle PlaneとRuntime Planeの大きく2つのトップレベルの要素から構成されています。
Controle Plane
APIの設計、再利用、管理といったサービスセットを提供する要素で、Design CenterやManagement Center、Exchangeに該当します。
Controle Planeには以下のタイプがあります。
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US Cloud
米国内のクラウドにホスティングされているマルチテナント構成のControle Plane。 -
EU Cloud
EUのGDPR(一般データ保護規則)に従ったEU向けのマルチテナント構成のControle Plane。 -
Goverment Cloud
米国政府機関専用に設計されたControle Plane。 -
Private Cloud Edition
クラウドソリューションの使用を制限する厳しい規制またはコンプライアンスの要件がある場合に、オンプレミスやプライベートクラウドでホスティングするタイプのControle Plane。
Runtime Plane
アプリケーションがデプロイされる場所であり、MuleランタイムエンジンおよびAnypoint Connectorsなどの他のアプリケーション関連サービスが実行される場所です。
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CloudHub
AWS上にホスティングされた
MuleSoftが運用するMuleランタイムのクラウドサービス。99.99%の稼働率や、ワンクリックでのスケーラビリティが行える。 -
On-Premise
自前のサーバにMuleランタイムをホストおよび管理する構成。 -
Anypoint Runtime Fabric
CloudHubのようなスケーラビリティやダウンタイムなしの再デプロイメントの機能を、オンプレまたはAzureやAWSなどでホスティングする構成。
Deployment Option
Controle PlaneとRuntime Planeの組み合わせにより、以下のデプロイメントオプションがあります。
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CloudHub
Control Plane:マルチテナントCloud
Runtime Plane:CloudHub
全てクラウドで構築するインテグレーションプラットフォーム (iPaaS) の構成。 -
Hybrid
Control Plane:マルチテナントCloud
Runtime Plane:On-Premise
データセンター内だけでの連携など、クラウドにはデータを流さずオンプレだけで処理をする構成。 -
Anypoint Runtime Fabric
Control Plane:マルチテナントCloud
Runtime Plane:Anypoint Runtime Fabric
オンプレサーバの管理を自動化しスケーラビリティやダウンタイムなしのデプロイメントを実現する構成。Hybrid構成のRuntime管理を高度化したイメージ。 -
Anypoint Platform Private Cloud Edition
Control Plane:Private Cloud Edition
Runtime Plane:On-Premise
Runtimeで処理されるデータだけでなく各種メトリクス等も含めて全て閉じた環境で扱うような厳しい規制やコンプライアンス要件がある場合の構成。
Control PanelにマルチテナントCloudを使う場合と比べて機能的な制限がある。
#まとめ
実際の導入にあたっては、CloudHubまたはHybridパターンを採用するケースが殆どではないかと思います。場合によってはRuntime PlaneにCloudHubとOn-Premiseを組み合わせて運用する選択肢もあるかと思います。
ネットワークを含めた基盤としての要件を鑑みて、導入計画の初期から最適なデプロイメントオプションを検討する事が重要です。