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エンジニアの将来と、今やるべき3つのこと

Last updated at Posted at 2022-12-24

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さぁラストいくぞ!

トラストバンク 2022年アドベントカレンダーも本日が最終。
ラストは、トラストバンクCTO やまざき/やまけんが寄稿させていただきます。


メリークリスマス ! みなさんはどなたとクリスマスを過ごしていますか?
一人で。家族と。恋人と。友達と。

それぞれのクリスマスをお過ごしいただいているかと思います。 みなさまのクリスマスが楽しい1日となりますように。
今日があまりハッピーでない人は、来年こそ良い一年となりますように。

CTOとして向き合うエンジニアの成長と市場価値

私は内部にも外部にも常にこのように話しています。

「大きな覚悟を決めて、この会社で働くことを選択してくれた人は、そのエンジニアを預かる責任者として個々の成長と市場価値の向上にはしっかり向き合いたい」

「いつか退職/転職という別れの時期が来たとしても、この会社で過ごした時間が人生において価値ある時間であったと笑顔で言える状態を作りたい」

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エンジニアの転職というイベントはネガティブなものではなく、大きく成長する転機でもあると考えています。
いつか自分が市場にたった一人で向き合ったときに、自分自身が何者かであり、市場から評価される状態であることを作っていくことが大切です。

そして、日常生活において大きな時間を捧げる、「労働/会社時間」を通じて会社としても最大の成長機会と市場価値向上の機会を提供していきたいと考えています。

そのようなビジョンを持っている企業であり、実際に成長を実感出来ていたら結果として、その会社で働くことに意義があり働き続けたいと思うでしょ?

ではエンジニアの市場価値って?

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それではエンジニアの市場価値ってなんでしょうか?
ITエンジニア不足は社会課題として多く流布されています。 以下は経済産業省の結構古めな将来推計資料です。
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※ 出典 経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果

市場価値というものが、給料/年収というお金に換算するものだと定義すると、上記図を見ると明らかに未来の需給バランスは、需要>>>>供給なので、市場原理からすると特別なことをせずとも、ITエンジニアの市場価値(お金)は上昇していくはずです。

やったね!!!! エンジニアのみなさん 未来は明るいよ!!!!

ほんとにそうか?

このまま周辺環境が変化しないと、需要と供給のバランスはたしかに需要優位拡大の傾向が強いです。
それは、変化しないこと。が前提。変化は絶対にします。

変化1 プログラミングスキルの汎化

プログラミング出来る人
それは、エンジニア
エンジニアって、特殊技能
エンジニアは、スペシャリスト

そういう環境が続く訳はありません。 スペシャリストっていうのは聞こえがいいですが、多くの場合には急激な環境変化に伴い発生したテンポラリーな役割だと考えています。

  • 昔は、キーボード叩いて文字を打つだけの職業が「キーパンチャー」と呼ばれてスペシャリストでした。
  • 昔の駅員さんは、いかに早く切符を切るかが重要なスキルでした
  • 伝統工芸と呼ばれる産業は、昔は一般的な製造業であったが産業革命により一部芸術的な要素を除くと職業としては衰退していったものです

昔のインフラエンジニアは、ネットワーク機器のメーカー毎にスペシャリストが存在していたり、オンプレ前提なので物理的な作業をする人が各企業に存在していました。
現在のパブリッククラウドでケーブルの結線とか、ネットワーク機器のメーカー毎のポリシーの書き方とか意識しないですよね?

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※ 出典: 文部科学省 市町村教育委員会における小学校プログラミング教育に関する取組状況等調査

上図のとおり、プログラミングが義務教育化されていくのは時間の問題です。 たとえ義務教育にならなくとも過去よりもずっとカジュアルにプログラミングに触れることが出来る環境は既に整備されています。

つまり、プログラミングは特殊技能でなく、確実に社会人として求められるベーススキルへと変化していくはず。

変化2 AIの台頭

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プログラミングには多くの流派があり作法があります。

  • 言語の種類 (Java、Ruby、Go、Pythonなどなど)
  • 設計手法 (DDD、クリーンアキテクチャ、デザインパターンなどなど)
  • 概念 (モノリシック、マイクロサービス、モジュラモノリスなどなど)

これらはあくまで、「人」がプログラミングをするという前提において抽象化して扱いやすくしている概念です。
極論プログラミングは、「代入」「分岐(if)」「繰り返し(for/while)」の組み合わせです。

言語とか設計手法とかを見つめると、とても人間的で情緒的で感覚的なイメージがありますが、プログラミングの本質は最終は0と1のビットの羅列に過ぎないので、AIが得意でない訳がありません。

AIが自由にプログラミングを正しく作ってくれるのなら、その過程である言語とか設計手法とか、もはやどうでもいいのです。だって人間がそれに関わる必要がないから。

変化3 プログラミングの簡素化

エンジニア ( ここでは主にプログラマー )が特殊技能として成り立つのは、プログラミングというものが一定程度の難易度があるから。という前提があります。

今、私はこの記事をQiitaで書いています。 QiitaでもNoteでもNotionでもいいですが、記事を書くってかんたんですよね?
テーブル組んだり、段落分けしたり、かんたんに出来ちゃいます。

現在はこのような記事の投稿は、経営者でも学者でもそれ以外の人でもかんたんに出来る世界です。

一方で、15年ぐらい前は、ブラウザで見えるこのような記事を書く為にはHTMLの知識が必須でした。
表組みだって、イチイチtableを記述してtrとかtd駆使していました。

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おそらく遠い将来ではAIがプログラミングを自動でする世界になると思いますが、その手前においても、わざわざプログラミング言語を書かなくてもボタンでポチポチするだけでシステムが完成する世界が広がると思います。今だって一部そうですし。

だからこそ、今やるべきこと

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このように、私はエンジニアとしての特殊技能は決して安泰ではないと考えています。
短期的にはまだ需要が高まると思いますが、数年後の市場価値は今の行動が決めると考えています。

やるべきこと1 AIを「作る側」に廻る

オンプレミスのインフラが減少してパブリッククラウドが台頭した昨今、「インフラエンジニア」という職種のニーズは明らかに減少しました。

しかし、AWSに代表されるパブリッククラウドの提供会社のには、現在でもオンプレミスインフラを管理し、IaaS/PaaSとして提供する側のエンジニアとして業務する優秀なエンジニアが存在しています。

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AI人材は今後どんどん不足していきます。
言われたことを作るプログラマースキルはどんどん汎化されていきますが、AIを作る側の担い手は供給の難しさもあり不足は高まると思います。

アメリカや中国では、AIエンジニアの年収は3,000万円を超えることも珍しくないと聞きます。

AI/機械学習と言うと、数学的な微分/積分/線形代数などの知識が必要なイメージが強く、学習コストの高さから心理的に敬遠しがちですが
日々の業務を自動化したり、ちょっと簡単にする活動を心がけ行動を積み重ねることが重要だと考えます。

AI/自動化により仕事を奪われる側ではなく、AI/自動化を作る側に廻ろう

やるべきこと2 作り手でなく、担い手となる

既に記載したとおり、「決められた要件に基づいて、プログラミングを実施する」という技能はコモディティ化/自動化により必要性は減退していくと考えます。

労働集約的な業務はいつだってテクノロジーの進化に伴って別のものに代替/置換されていきました。

では、残された私達が私達にしか出来ないことは何なのか?

それはもっと感情や情緒に近いところにあると思います。

愛とか恋とか、美味しいとか、楽しいとか、悲しいとか。 まだAIから遠いナニカ。

世の中に出されていく新しいサービスの多くは、

  • 面倒だったものを便利にするもの
  • 感情的に/情緒的にポジティブなもの
  • 金銭的/対価的にディスカウントされるもの
    の3つに多くは分類されます。 ( 分類しきれないものもあると思いますが。。。 )

この「感情的に/情緒的に」の部分は、多くの企業では「企画」と呼ばれる役割の専門です。
今こそエンジニアは、言われたものを作る側ではなく、何を届けるかの部分に視野を広げていくのが良いと考えています。

何を届けるか、本質的な価値を考えられる「サービスエンジニア」になろう

やるべきこと3 変化をし続ける

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「生き残る種とは、最も強いものではない。 最も知的なものでもない。 それは、変化に最もよく適応したものである」

「一時間の浪費をなんとも思わない人は、人生の価値をまだ発見してはいない」

有名なダーウィンの言葉ですね。

この記事は「エンジニア」を主語においてここまで記述をしてきました。だって、AdventCalendarだし、私CTOだし。

でもエンジニアである前に、私もみなさんも「人間」です。
エンジニアの市場価値。っていうよりも、私の市場価値。あなたの市場価値。 本当はそっちのほうが大事な話です。

そして、人は変化出来る生き物です。私もあなたも。

今日の記事は今後起こるであろうエンジニアの市場についてお話をさせていただきましたが、あなた自身の市場価値を決める最強の一手は、

「今後を見据え自らの市場価値を高めていくための変化を自分自身で実施していく」

この一手です。

誰か(たとえば私の今日の記事)に触発されての行動でもいいですが、最終的に変化をするのは自分自身です。

結局最後は自分。「エンジニアの市場価値」ではなく、「あなたの市場価値」を高めるための変化を

最後に

そんなトラストバンクではエンジニアを全方位的に募集しています!!!!
ぜひ一緒に変化を楽しみながら働いていきましょう

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