9月から新しい所属となりAmazon Connectに触れる機会が増えたYamashitaです。
先月も様々なアップデートがありましたが、その中でも生成AI絡みの注目のアップデートからピックアップします。
Amazon Connect で生成 AI を活用したメールの会話の概要と推奨応答を提供 -2025/10/03
Amazon Connect で、生成 AI を活用したメール会話の概要、推奨アクション、メール会話への応答(下書き)がエージェントに提供されるようになりました。
これにより、エージェントはメールをより効率的に処理できるようになり、顧客はより迅速で一貫したサポートを受けることが可能になります。
この機能を有効にするには、 メールによる問い合わせをエージェントに割り当てる前に、Amazon Q in Connect ブロックをフローに追加 します。
ナレッジベースを追加してプロンプトを定義することで、メールの生成AIを活用したアシスタントの出力をカスタマイズできます。
これにより、一貫したカスタマーサービスを提供するために、会社の言語、口調、ポリシーに合った応答をAIエージェントに生成させることが可能になります。
また、今回Amazon Q in Connectに対し、Eメール用に新たに3つのAI エージェントと4つのAIプロンプトが追加されました。
これらを使用して、Amazon Q in Connect はお客様から受信した問い合わせ E メールに対して、「メール会話の概要」「関連するナレッジベースと推奨アクション」「メール会話への応答(下書き)」を提供します。
本機能の利用を開始するには、上述した AI プロンプトと それらを使用した AI エージェントを設定が必要です。
それから、日本語に対応したAI エージェントを設定する際は、AIエージェントの設定画面のロケールで「Japanese」を指定。
その他のアップデートについては以下のとおりです。
1.Amazon Connect が会話の録音とトランスクリプトに対する詳細なアクセス許可の提供を開始- 2025/10/24
会話の録音データと文字起こしデータへのアクセス権限を、UIを通じてより詳細に設定できるようになりました。
これにより、管理者はより柔軟でセキュアなアクセス制御の実現が可能になります。
2.Amazon Connectのアウトバウンドキャンペーンがプレビューダイヤリングに対応し、エージェントの制御性を向上-2025/10/24
Amazon Connect のアウトバウンドキャンペーン機能に、通話開始前に顧客情報を確認できるプレビューダイヤルモードが追加されました。
この機能により、エージェントは発信前に顧客の名前、アカウント残高、過去のやり取りなどの重要な情報を確認し、最適なタイミングで発信することが可能になります。
また、キャンペーンマネージャーはプレビュー設定をカスタマイズし、エージェントの行動、キャンペーン結果、顧客エンゲージメントの傾向を新しいダッシュボードで監視できるようになっています。
3.Amazon Connect がスレッド表示に対応し、エージェントの返信に会話履歴が含まれるように – 2025/10/23
Amazon ConnectのEメールに、会話の文脈を理解しやすくする新機能が追加されました。
エージェントの返信に過去のやり取りの履歴が自動的に含まれるようになり、さらにメールのやり取りをスレッド形式で表示が可能になります。
また、エージェントと顧客の双方が過去のコミュニケーション内容を簡単に確認できるようになり、会話の流れや文脈を把握しやすくなりました。
4.Amazon Connect が初期評価結果に基づく自動フォローアップ評価のサポートを開始 – 2025/10/21
これにより、初回の評価結果に基づいて、特定の状況を分析するためのフォローアップ評価を自動的に開始することが可能になります。
営業機会やエスカレーション、その他の重要なやり取りなど、特定のシナリオについてより深いインサイトを得ることが可能になりました。
このような自動化された評価プロセスにより、品質管理の効率化とサービス品質の向上が実現できます。
5.Amazon Connect がスケジュール遵守に関する設定可能なしきい値を提供開始 -2025/10/14
Amazon Connectでスケジュール遵守に関する設定可能なしきい値の提供が開始され、エージェントのパフォーマンスをより柔軟に追跡できるようになりました。
また、エージェントのシフト開始または終了の繰り上げと繰り下げや、個々のアクティビティのしきい値を定義できるようになります。
今回のリリースにより、マネージャーは本当の遵守違反に目を向け、軽微なスケジュール逸脱がエージェントのパフォーマンスに及ぼす影響を除外できるようになり、マネージャーの生産性とエージェントの満足度が向上します。
6.Amazon Connectがエージェントスケジュール準拠の通知をサポート -2025/10/11
Amazon Connectでエージェントのスケジュール準拠通知がサポートされるようになりました。
これにより、エージェントがスケジュールされたアクティビティを順守していないことを積極的に特定することが簡単になります。
また、エージェントが準拠基準値を超えたときに、EventBridge経由でメールまたはテキスト通知をスーパーバイザーに自動的に送信するルールを定義できます。
これらの自動通知により、ダッシュボードを継続的にモニタリングする必要がなくなり、サービスレベルが低下する前に積極的な介入が可能になり、スーパーバイザーの生産性と顧客満足度の両方が向上します。
7.Amazon Connect でエージェントのスケジュール設定のコピーと一括編集をサポート -2025/10/10
Amazon Connectでエージェントのスケジュール設定のコピーと一括編集がサポートされるようになり、設定と管理が容易になりました。
既存のスケジュール設定をコピーして新しいスケジュール設定を作成できます。
これにより、管理者が構成管理に費やす時間が短縮され、生産性と運用効率が向上します。
8.Amazon Connectで、関連ケースをリンクし、カスタム関連項目を追加し、それらを検索するための新しいケースAPI をリリース -2025/10/07
Amazon Connectで関連するケースをリンクしたり、カスタム関連項目を添付したり、それらを検索したりして、ケースデータをプログラムで拡充できるようになりました。
これにより、エージェントは問題をより迅速に解決するために必要なすべてのコンテキストを把握できます。
9.Amazon Connect でサービスレベルの計算がカスタマイズ可能に -2025/10/06
Amazon Connectで特定のニーズに合わせてサービスレベルの計算をカスタマイズできるようになりました。
スーパーバイザーとマネージャーは、問い合わせがサービスレベル基準を満たしていると見なされる時間しきい値を定義し、どの問い合わせの結果を計算に含めるかを選択できます。
これにより、スーパーバイザーとマネージャーは、事業運営により合致したサービスレベルメトリクスの計算を作成できます。
10.Amazon ConnectでChromeOSでのエージェント画面録画のサポートを開始 -2025/10/03
Amazon ConnectでChromeOSデバイスを使用するエージェントに対して画面録画機能が提供されるようになり、エージェントのパフォーマンスを簡単に向上させることが可能になりました。
画面録画を使用すると、顧客との通話を聞いたり、チャットの文字起こしを確認したりするだけでなく、問い合わせを処理する際のエージェントのアクション (音声通話、チャット、タスクなど) を監視することで、エージェントにコーチングが必要な領域 (例: 対応の処理時間が長い、ビジネスプロセスの違反など) を特定できます。
11.Amazon Connect が分析データレイクでエージェントの休暇残数データを提供 -2025/10/03
Amazon Connectが分析データレイクでエージェントの休暇残数データを提供するようになり、このデータからレポートやインサイトを簡単に生成できるようになりました。
これにより、分析データレイクのさまざまな休暇カテゴリ (有給休暇、病気休暇、休業など) にわたる最新および過去のエージェントの休暇残数にアクセスできるようになりました。
Amazon Connect分析データレイクは、コンタクトセンターのデータ分析を効率化し、より深いインサイトを得るための機能を持ちます。
最大の特徴は、複雑なデータパイプラインを構築することなく、Amazon Connectの運用データに直接アクセスできる点にあります。
12.Amazon Connect で発信通話における顧客入力を簡単に取得 -2025/10/02
Amazon Connectで発信音声ウィスパーフロー用に[顧客の入力を取得する]および
[顧客の入力を保存する] フローブロックがサポートされるようになりました。
[顧客の入力を取得する]フローブロックを使用すると、顧客が発信通話に応答した後、エージェントに接続される前に、発信通話で顧客にプロンプトを再生できます。
また、顧客の応答はDTMF入力またはAmazon Lex Botを介して収集できます。
これにより、エージェントへの接続前に、発信通話でインタラクティブかつ動的な顧客入力をキャプチャすることができます。
例えば、[顧客の入力を取得する] フローブロックを使用して、エージェントによる発信通話の一部としての通話録音について顧客の同意を得て、それを使用して Amazon Connect Contact Lensの録音と分析をトリガーできます。
終わりに
先月は全部で13項目ものアップデートがありました。
これはもはやPre re:Inventといってもいいのかもしれません。
今月のアップデート、re:Invent2025でのアップデート情報、新たなサービスの発表が楽しみです。