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【Agentforce入門】テキストファイルから日報を自動作成!実用ユースケースのハンズオン全手順(後編)

Last updated at Posted at 2025-12-26

📌 本記事は連載企画の【後編(完結)】です
この記事は、Salesforce Agentforceを使って「議事録ファイルから日報を自動作成するエージェント」を作るハンズオン連載の最終回です。

  1. 前編:環境準備とApex部品の作成 (初めての方はこちらから!)
  2. 中編:Prompt Builder & Flow実装 (ApexとAIをFlowで繋ぐ手順)

ご挨拶と今回のゴール

これまでApex、Prompt Builder、Flowと長い旅を続けてきましたが、いよいよゴールです。
今回の【後編】では、作り上げたロジックをAgentforceのエージェントに「アクション」として搭載し、実際に会話して日報を作らせてみます。


第5章:Agentforceへの実装

作成したFlowを、エージェントが使える「道具(アクション)」として登録します。
ここでのポイントは、「いつ、どうやってこの道具を使うか」をAIに正しく教えることです。

5-1. トピックの作成

Agent Builderを開き、会話のテーマとなる「トピック」を作成します。

  1. [設定] > [Agentforce エージェント] から、第1章で作成したエージェント(営業サポートAIさん)をクリックし、[ビルダーで開く] を選択します。
  2. 画面左側の [トピック] メニューにある [新規▼] > [+]新規トピック をクリックします。
  3. 「このトピックでどのような処理を行いますか?」は、入力を省略して 「次へ」
  4. 以下の設定で作成します。
    • 名前: 日報作成
    • API参照名 Daily Report Creation
    • 分類の説明: ユーザーが日報の作成や要約を依頼したときに使用します。
      • ※この「分類」を見て、AIはトピックを切り替えます。
    • 範囲: ユーザーがアクセス可能な「行動 (Event)」レコードに基づく日報作成に限定されます。
      • AIに「ここまではやるけど、これ以外はやらない」という境界線を教えます。
    • 指示: 省略
    • ユーザー入力例: 省略
  5. [次へ] →(「トピックに含めるアクションを選択」は無し)→ [完了] で作成します。

5-2. アクションの登録

作成したトピックに、Flowをアクションとして追加します。

  1. 作成したトピック(日報作成)をクリックし、トピックの詳細を表示する。
  2. [このトピックのアクション] タブをクリックします。
  3. [新規▼] > [+]新規アクションを作成 をクリックします。
  4. 参照アクション種別から [フロー] を選択します。
  5. リストから、第4章で作成したフロー Agent:日報作成 を選択します。
    💡※リストにない場合は、Flowが「有効化」されているか確認してください。
  6. エージェントアクション表示ラベル: Agent:日報作成
  7. エージェントアクション API 参照名: Agent_GenerateDailyReport
  8. [次へ]

5-3. エージェントアクション設定(最重要!)

ここが最大の山場です。AIに対して「フローの入力変数に何を渡すべきか」を言葉で指示します。

設定項目 解説
エージェントアクション指示 ユーザーから日報作成の依頼があった場合にこのアクションを実行してください。 AIに実行タイミングを教えます。
このアクションで読み込み中テキストを表示 商談議事録から日報を作成しています。

1. 入力 (Input) の設定

AIがフローに渡すデータ(レコードID)について指示します。

設定項目 値(推奨) 解説
引数 recordId フロー側の変数名です(自動表示されます)。
指示 ユーザーが現在開いている行動(Event)レコードのIDコンテキストです。 【重要】
「どのレコードの話か」を特定させるため、より明確に「現在の行動レコードのID」であることを伝えます。
入力が必要 (チェックなし) オフのままでOKです。

2. 出力 (Output) の設定

フローから返ってきた完了メッセージを、チャット画面に表示するための設定です。

設定項目 値(推奨) 解説
引数 completionMessage フロー側の変数名です。
指示 フローの実行結果メッセージです。これをユーザーへの回答としてそのまま表示してください。 【ここを修正】
単に「終わったよ」とするよりも、「ユーザーへの回答として表示する」と明記することで、AIが余計な解釈をするのを防ぎます。
会話に表示 ✅ チェックを入れる ここがポイント!
これにチェックを入れることで、フローで作ったメッセージ(「日報の作成が完了しました...」)が強制的にチャットの回答として表示されます。
出力 表示中 Text

アクションの設定画面で上記のように入力し、[完了] をクリックします。

5-4. トピックの指示を調整

最後に、トピック全体の振る舞いを微調整します。

  1. トピックから 「日報作成」 を選択
  2. [トピック設定] タブを開き、画面下の 「指示を追加」 をクリックし、以下の内容を追記して、「保存」 してください。
あなたは営業担当者の事務作業を支援するアシスタントです。
ユーザーから「日報を作って」「議事録を要約して」と頼まれた場合は、「日報作成アクション」を使用してください。
アクションが完了したら、必ず戻り値(完了メッセージ)をユーザーに伝えてください。

最後に画面右上の「有効化」ボタンをクリックしてAgentを有効化してください。
「設定の問題が検出されました」と、表示される場合がありますが、 「無視&有効化」 ボタンをクリックしてOKです。

第6章:動作確認とトラブルシューティング

設定お疲れ様でした!これですべての準備が整いました。
いよいよ、今回作成したエージェントを実際に動かして、「日報自動作成」を体験してみましょう。

6-1. テスト用データの準備

Agentforceが正しく動くか試すためには、「行動レコード」と「議事録ファイル」の2つが必要です。

  1. Salesforceの通常画面(カレンダーなど)を開きます。
  2. テスト用の 「行動 (Event)」 レコードを新規作成します。
    • 件名: A社様 商談ミーティング など(適当でOK)
    • 開始/終了時刻: 今日の日付
  3. 作成した行動レコードの [関連] > [ファイル] に、テスト用のテキストファイルをアップロードします。
    • ファイル名: 通話ログ.txt
      • ※今回のApexは .txt 形式のみ対応しています。WordやPDFは読み込めないので注意してください。
    • 中身の例: (メモ帳などで作成して保存)
      日時:2025/12/22 13:00~13:05
      方法:電話営業
      参加者:営業、お客様
      
      通話ログ
      営業:こんにちは
      お客様:こんにちは
      営業:今日はよろしくお願いします。
      営業:早速ですが、先日提案した内容についていかがでしょうか?
      お客様:すこしコスパが悪い感じです。このままだと決済するのは難しいです。
      営業:承知しました。さらに良い提案ができるかもしれないので、具体的に気になる部分を教えていただけると幸いです。
      お客様:○○商品は良いのですが、△△商品は効果が期待できないと思っています。
      営業:ありがとうございます。という事は△△商品の値段次第という事でしょうか?
      お客様:主にはそこが問題だと思います。何とかなりそうですか?
      営業:持ち帰って再検討したいと思います。今週中にお返事したいと思います。
      お客様:承知しました。よろしくお願いいたします。
      営業:今日はありがとうございました。
      

6-2. 実画面でのテスト実行

今回は「社内用エージェント」として作成したため、普段使っているSalesforceの画面から直接エージェントを呼び出してテストをしてみます。

  1. テストデータの準備
    先ほど作成した「行動レコード」の詳細画面を開いておきます。
    ※エージェントは「今あなたが見ている画面」を認識するため、必ずこの画面を開いた状態でスタートしてください。

  2. Agentforceの起動
    image.png
    画面右上のヘッダーにある [Agentforce] アイコンをクリックします。
    チャットパネル がスルスルと 開きます

  3. 指示の入力
    チャット欄に以下のように入力して送信します。

この商談の日報を作成して

💡 ここがポイント!
社内用エージェントの凄いところは、 「IDを指定しなくていい」 点です。
あなたが行動レコードを開いているため、AIは「"この" というのは、今見ているレコードのことだな」と文脈(コンテキスト)を自動的に理解してくれます。

~ 処理中... ~

エージェントが「考え中...」となり、Flowアクションを起動します。
設定が正しければ、数秒後に以下のような返答が返ってきます。

エージェント:
「日報の作成が完了し、行動レコードの「説明」欄に保存しました。」
(または設定した完了メッセージ)

6-3. 結果の確認

Salesforceの画面に戻り、先ほどの行動レコードをリロード(再読み込み)してください。

[説明 (Description)] 欄を見てみましょう。
元のメモの下に、区切り線が入って、AIが要約した日報が追記されていれば……

おめでとうございます! あなたは「ファイル読み込み」から「AI要約」までを自動化するエージェントを作り上げました。

6-4. うまくいかない時は?(トラブルシューティング)

もしエラーが出たり、期待通りの反応をしなかったりする場合は、以下をチェックリストとして活用してください。
特に 「エージェントが今どの画面を見ているか(コンテキスト)」 が重要な鍵になります。

症状 考えられる原因と対策
画面右上にアイコンが出ない 権限不足の可能性大
第1章の「1-5. エージェントの利用権限を設定する」をもう一度確認してください。
「どのレコードのことですか?」と聞かれる
または「情報が見つかりません」
コンテキスト認識の失敗
エージェントは「今ブラウザで開いているタブ」を見て判断します。
・ホーム画面やリストビュー画面で話しかけていませんか?
・必ず 「行動レコードの詳細画面」 を開いた状態で話しかけてください。
「すみません、よく分かりません」と言われる トピックの分類ミス
AIが「日報作成トピック」を選んでくれていません。
・トピックの「分類」や「範囲」に「日報」「要約」などのキーワードが含まれているか確認してください。
・「この行動レコードの日報を作って」と、対象を具体的に指示してみてください。
Flowは動いたが、説明欄が空っぽ Apexまたはファイルの不備
・アップロードしたファイルは .txt 形式ですか?(WordやPDFは今回のコードでは読めません)
・ファイルの中身が空ではありませんか?
・文字コードがUTF-8以外だと文字化けして読めない場合があります。
チャットに完了メッセージが出ない アクション設定の漏れ
第5章の設定で、出力変数 completionMessage「会話に表示」 にチェックが入っているか再確認してください。
[説明 (Description)] 欄に「・・・失敗しました」と記載されている フローの間違い
第4章のフローを見直してみてください。

おわりに:Agentforceの活用は応用次第

全3回にわたるハンズオン、お疲れ様でした!

今回作成したのは「日報作成」でしたが、このアーキテクチャ( Apexで読む → Promptで考える → Flowで書く )は、 とても応用が利く 基本パターンの1つです。とにかく動くものが1つ出来れば 理解は加速 していくと思いますので、以下のような応用にもchallengeしてみるのも面白いですね。

  • 他の項目も同時に更新: 商談結果を判定して他の項目も更新する。
  • 引継ぎ資料作成: 関連する活動履歴をすべて読んで、後任者への申し送り事項をまとめる
  • メールの下書き: 過去の商談履歴を読んで、顧客への提案メールをドラフトする

「Salesforceの中にデータがあるなら、AIが代わりに働いてくれる」。
これがAgentforceの真価だと思います。ぜひ、今回の知識を活かして、あなたの組織に合わせた新しいエージェントを生み出してください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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