はじめに
当社のグループ会社に、人材派遣を行っている会社があります。
（以降、S社と表記します）
S社の業務の一つに、問い合わせのあったお客様に対してアポイント依頼と日程調整を兼ねたメールを送付する といった業務があります。
その一連の業務について、Workato×Slackで効率化を実現したのでご紹介します。
「顧客接点のチャネルが多岐にわたり情報が散在…漏れなく対応したい」
「営業担当のスケジュール確認に手間取っている」
「業務スピードを上げたい」
営業活動について日々このような思いを抱えている方は、参考にしてみてください。
S社のアポ調整の流れ
お問い合わせ発生から打ち合わせまでは、４つの工程に分けられます。
＜Step1＞ LPサイトに訪問されたお客様が、ご相談フォームに会社名／氏名／求める人材等の情報を入力して送信
＜Step2＞ Slackのチャンネルに内容が転送される
＜Step3＞ 新着の問い合わせが届くと、窓口担当がお客様に宛てて日程調整メールを送信
＜Step4＞ お客様と何度かメールをやり取りし、打ち合わせの日程が確定すると営業担当にパスして打ち合わせへ
全体の流れは至ってシンプルですが、＜Step3＞の「窓口担当がお客様に宛てて日程調整メールを送信する」作業は、細かい工程を必要とします。
S社の日程調整メールの特徴
窓口担当は、まず問い合わせを受けたら、過去に取引があるお客様かを確認します。
担当付きなら引き続き営業担当者に任せますが、新規顧客の場合は直近の予定に空きがある営業部員が担当になり得ます。
営業担当がいる場合
営業担当がいない場合
さらに、それぞれのパターンでメールの文面も変えます。
効率だけを重視するなら、調整さんのようなアプリから発行される一律のリンクをメールに貼り付ければ、簡単に日程調整できる時代です。
しかし、S社ではお問い合わせをしてきたお客様に対して、ばら撒き感のない丁寧なメールを送りたいという考えがあり、逐一営業担当のスケジュールをチェックし候補日程を提示しています。
課題
これらを担っていた窓口担当の作業は大変でした。
・kintoneで顧客検索
・Googleスプレッドシートで問い合わせに応じたメール文面作成
・Googleカレンダーで営業部員の予定チェック
・Gmailでメール送信
各アプリケーションを行き来しなければならないですし、
複数名のスケジュールを確認する手間が発生しており、
高い業務負荷とリードタイムの長期化の課題がありました。
Workatoで解決
ソリューションとして、Slackアプリを開発することにしました。
理由は、S社はコミュニケーションにSlackを使っており、慣れ親しんだSlack上の操作だけで業務を完結できれば、手軽で効果を感じやすいと思ったからです。
また、WorkatoではTeamsやSlackといったコミュニケーションツール上で動くbotの開発基盤が充実しているので、開発しやすいこともポイントでした。
作ったのはこんなアプリ
大きく分けて、２つの機能を実装しました。
自動でデータベース検索機能
特定のチャンネルにて、指定キーワードが含まれる新着メッセージをきっかけに、
顧客データベースの検索結果が表示されます。
メール送信機能
ボタンクリック＆フォーム操作だけで担当者の空き予定から日程を選べて、問い合わせのあった顧客にアポ調整のメールを送信できます。
導入効果
①リードタイム50%減
問い合わせを受信して日程調整メールを送信するまで1件あたり6分ほどかかっていたのが、3分に短縮されました。
②業務負荷の軽減
複数のアプリケーションにアクセスしに行かずとも、Slackだけで業務が完結できるので
窓口担当の業務負荷が軽減されました。
③メール誤字・誤送信解消
手作業のオペレーションで発生しがちだった、お客様情報の転記ミスが発生しにくくなり、
メールの誤字や誤送信の解消に繋がりました。
④マニュアルが不要になり引継ぎも楽に
workbotによるガイダンスで業務が行えることによって業務の難易度が下がったので、業務担当者の交代時にも引継ぎがしやすくなりました。
また、こういう使い方もできるのでは？というアイディアとなりますが
窓口担当／営業担当と役割を分けず、営業担当が自分で日程調整する場合にもこのアプリを使えます。
営業担当が外出先でスマホから操作できるので、どこにいてもスピード感をもって顧客対応ができます。
終わりに
今回はSlack、kintone、Googleカレンダー、GoogleSheets、Gmailを連携しました。
Workatoはこの他にも様々なアプリケーションと連携できるので、夢が広がりますね。
同じような業務をしていて、もっと営業活動を効率化したいなと感じている方へのヒントになれば嬉しいです。
以下の記事で、実際にWorkatoの画面をお見せしながら、レシピの作成を紹介しています。
・Workatoを使ってGmailで受信したメールをGoogle Sheetsに自動記載するレシピを作成