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Power Systems Virtual ServerとIBM Cloud x86 IaaS間を、Cloud Connectionsでセルフサービスで接続する

Last updated at Posted at 2021-11-26

2024年3月以降に新規作成したワークスペースでは、Power Edge Router(PER)が有効になっており、当ページに書いた操作は不要になっています("クラウド接続"のメニュー自体が表示されなくなっています)。 PER対応のワークスペースをVPCやClassicに接続する場合はこちらをご参照ください。
2024年3月より前に作成したPER未対応のワークスペースの場合に当ページの内容をご参照ください。

Power Systems Virtual ServerとIBM Cloud x86 IaaS(VPCやClasscの環境)は、ネットワーク的には別になっており、初期状態では疎通していません。疎通させるには、間にDirect Linkをオーダーする必要があります。

これまでは、Direct LinkにPower側サブネットをアタッチする作業についてはユーザー側では行えず、caseを起票して接続してもらう必要がありました(その方法は こちらの記事に書きました)。今回、「クラウド接続(英語表記:Cloud connections)」により、セルフサービスでこの接続を行えるようになりました。
https://cloud.ibm.com/docs/power-iaas?topic=power-iaas-cloud-connections

これで、x86とPower VS間の接続を、慣れれば5〜10分といった短時間のうちに行えるようになりました。

Power VSの管理画面に、「クラウド接続」というメニューが増えています。
青色の「接続の作成」ボタンを押します。

image.png

x86とPower VS間はDirect Link Connect 2.0が必要となりますが、それもクラウド接続に連動しており、自動で生成されます。こちらに記載の通り、x86とPower VSの間のDirect Link Connectは、1データセンターあたり2本まで無償です。

  • 速度:通信要件に合わせて速度を指定します。
  • グローバル・ルーティング:オフの場合、Direct Linkをオーダーしたリージョンのx86環境のみにアクセスできます。Direct Linkをオーダーしたリージョン以外にもアクセスしたい場合はグローバルルーティングをオンにします。
  • エンドポイント宛先:Power VSから接続したいClassic環境やVPC環境を指定します。ここで指定した環境とPower VSの間で、経路交換が行われます。言い換えると、このクラウド接続に連動して自動で作られるDirect Link Connect 2.0のVirtual Connectionをどこに対して張るか?という指定となります。このクラウド接続のオーダーが終わると、Direct Link 2.0も自動で生成されますので、後から、Direct Link 2.0の構成画面でVirtual Connectionsを追加しても構いません。
  • サブネット:x86と疎通させたいPower VSのサブネットを指定します。

「接続の作成」ボタンを押下します。

image.png

作成開始されます。

image.png

image.png

クラウド接続に連動し、Direct Link Connect 2.0も自動で生成されます。
通常のDirect Link管理画面(ポータルにログインし、 https://cloud.ibm.com/interconnectivity/direct-link )で情報を見る事ができます。
自動的にBGPが確立し、先ほど指定したVPCやClassicへのVirtual Connectionも作られています。

通常のDirect Linkと違う点として、「この Direct Link は読み取り専用です。 リンク固有のアクションは、プロバイダー・ポータルを介して開始する必要があります。」とあります。Power VS側からオーダーしたので、読み取り専用となっている部分もある、という意味です。例えば、このDirect Linkの削除は、ここからはできず、クラウド接続側を削除する必要になります。仮想接続(Virtual Connection)の追加はここから可能ですので、別のVPCに繋ぎたい場合にはこの画面から行います。

image.png

ここまででネットワーク観点での設定は完了しており、あとはOSの世界でルーティングを設定すれば、疎通するようになります。

AIXのルーティング設定。今回の通信先である、Classicの10.129.177/26と、VPCの172.16.0.0/16宛のパケットを、Power VS側で指定したsubnetのゲートウェイ(192.168.23.1)に送るよう静的経路設定します。

image.png

対向のx86側サーバーでも、Power VSのセグメントへのパケットはプライベート側のゲートウェイに渡すよう必要に応じ設定します。

無事に疎通しました。(※Latencyが大きいのは、今回の構成では、Power VSがロンドン、対向のx86環境は東京にあるためです。)

PowerVSからVPC
# ping 172.16.50.5
PING 172.16.50.5 (172.16.50.5): 56 data bytes
64 bytes from 172.16.50.5: icmp_seq=0 ttl=49 time=229 ms
64 bytes from 172.16.50.5: icmp_seq=1 ttl=49 time=229 ms
64 bytes from 172.16.50.5: icmp_seq=2 ttl=49 time=229 ms
PowerVSからClassic
# ping 10.129.177.42
PING 10.129.177.42 (10.129.177.42): 56 data bytes
64 bytes from 10.129.177.42: icmp_seq=0 ttl=49 time=236 ms
64 bytes from 10.129.177.42: icmp_seq=1 ttl=49 time=236 ms
64 bytes from 10.129.177.42: icmp_seq=2 ttl=49 time=236 ms

セルフサービスでPower VSとx86間の疎通を設定できるようになり、非常に楽になったと思います。

GREトンネルの構成について

PowerVS側ルータでGREトンネルを終端する構成の場合、Cloud Connection作成時にTransit Gatewayは有効にせずに、Classic Infrastuctureへの直接接続を構成します。
https://cloud.ibm.com/docs/power-iaas?topic=power-iaas-cloud-connections#configure-gre-tunnel

下図の例で言うと、172.16.108.1がPowerVS側のGRE終端IPアドレスになり、VRAからアンダーレイNWで疎通できるようになりますので、VRAからこのアドレス宛にGREを構成します。そして、VRA側のGREトンネル内IPとして172.16.108.6を構成します。PowerVS側のトンネル内IP172.16.108.5は、自動的に構成されます。GREトンネル確立後、経路情報の交換は、Docsに記載の通り、PowerVS側ASN=64999、VRA側ASN=64880としてBGP over GREで行います。
image.png

VRA設定例
set interfaces tunnel tun0 address 172.16.108.6/29
set interfaces tunnel tun0 encapsulation gre
set interfaces tunnel tun0 local-ip 10.xx.xx.xx ← VRAのプライベートIP
set interfaces tunnel tun0 remote-ip 172.16.108.1
set protocols bgp 64880 address-family ipv4-unicast network x.x.x.x ← PowerVSに対し、BGP over GREで広告したいセグメント情報
set protocols bgp 64880 neighbor 172.16.108.5 address-family ipv4-unicast soft-reconfiguration inbound
set protocols bgp 64880 neighbor 172.16.108.5 ebgp-multihop 255
set protocols bgp 64880 neighbor 172.16.108.5 remote-as 64999
set protocols bgp 64880 neighbor 172.16.108.5 update-source 172.16.108.6

以上

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