はじめに
2022年2月19日にE資格2022#1を受験したので勉強法や感想について書いていきたいと思います。
E資格とは
日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催している人工知能に関する資格試験になります。JDLAが主催している人工知能に関する資格試験としてG検定というものがありますが、知識問題のみのG検定とは異なり、E資格はより広い範囲の深い知識とプログラムでの実装まで問われる資格試験であり、現状日本の人工知能に関する資格試験としては最も難しいと言われています。また、誰でも受験できるG検定とは異なり、E資格はJDLA認定プログラムを修了していないと受験することができません。
G検定に関しては合格済みで記事を書いています。G検定合格体験記
認定プログラム
私はSukillUpAIの認定プログラムを受講しました。認定プログラムは高額なものが多く、個人で受講するのは大変だと思います。私はスキルアップAIが募集していた2023年卒の学生向けの長期インターンプログラムに参加することで、お金をかけずに受験資格を取得しました。この長期インターンについては記事を書いています。
スキルアップAIの認定プログラムは講義資料や講義動画が充実していて、わかりやすく、勉強しやすかったです。この講座は本当は対面での講義も混ざったプログラムだったらしいのですが、コロナの影響で対面での講座が難しくなった影響で、完全オンラインでした。最近完全オンラインの代わりに受講料が安い講座も出たらしいので、気になった人は調べてみるといいと思います。私は完全オンラインで不満に感じる部分はなかったのでオススメです。
試験内容
E資格は120分で100問程度の知識問題を選択方式で回答していきます。シラバスは公式サイトに詳しく載っているので、そちらを見てほしいですが、ざっくりというとディープラーニングの基本的な仕組み(誤差逆伝播法、勾配法、損失関数など)、CNN、RNN、トランスフォーマー、強化学習などが問われます。プログラムの穴埋め問題も出ますが、上に書いた内容の順番で出題頻度が高いように感じます。
G検定と異なる点として、自宅受験ではなくテストセンターでの受験になること、それに伴い試験中に参考書を見たり、ネットでの検索ができないことが挙げられます。
受験費用は一般が33000円で学生が22000円となっています。注意点として、学生料金で受ける場合は事前に申し込みをしてプロモーションコードを発行してもらう必要があります。 E資格の申し込み自体は受験日の前日の23:59までできますが、学生用プロモーションコードの申し込みは2週間前くらいが締め切りです。私はこれを知らず、試験1週間前くらいに申し込みをしようとして気づきました…。JDLA事務局にその旨を伝えるメールを送ったところ、プロモーションコードを発行してもらえました。学生の皆さんは気を付けてください。
勉強法
私は認定プログラムの復習と問題集を用いて試験勉強を行いました。以下にそれぞれ詳細を書いていきます。
1. 認定プログラムの復習
スキルアップAIの講座で配布された資料をnotionにまとめなおす、という復習を最初にしました。それと並行して、配布されたプログラムの復習を行いました。出題される可能性が高い部分に関しては穴埋めになっているので、穴埋めができるようにしました。プログラム問題の勉強に関してはこの配布されたプログラムでのみ行いました。ほかの方の記事などを見ると、ほとんどの方がゼロから作るDeep Learningを利用して勉強していたようですが、配布されたプログラムで十分だと思い私は使いませんでした。
2. 徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集
引用元:https://www.amazon.co.jp/dp/4295011584
私が受講した認定プログラムを開講しているスキルアップAIが作成したE資格の問題集です。認定プログラムの復習を一通りした後に2周しました。解説がとても丁寧で、解説を読むことがとても勉強になりました。最後に1回分模擬試験がありますが、時間がなくてできませんでした。
試験本番
具体的なテスト内容は公表してはいけないようなので、全体的な話をしていきます。難易度としては、かなり簡単に感じました。問題集よりもかなり解きやすく、全くわからない問題は1問だけでした。何周かして問題集の内容が理解できるようになっていれば合格できると思います。スキルアップAIの講座で触れられていなかった内容の問題は2、3問だったと思います。ゼロから作るDeep learningをまったくやらなかったので、受験前はプログラム問題が少し不安でしたが、スキルアップAIのプログラム問題の勉強で十分でした。
感想
E資格はAIエンジニアやAI関連の職業に就く予定なら、勉強しておいて損はない資格だと思います。Kerasなどのライブラリを使えば、ディープラーニングのプログラムは簡単に実装することはでき、深い部分の挙動はわかっていなくても何とかなります。しかし、自分が使っているモデルについて、わからない部分があるのは良くないと思いますし、わかっていた方がエラーの対応やハイパーパラメータのチューニングがうまくいくことがあると思います。
また、自分の専門以外の分野についても体系的に学ぶことができるのはメリットの一つだと思います。私は大学で人工知能を用いた画像解析の研究を行っているので、CNNやGANについての知識はありましたが、RNNやトランスフォーマー、強化学習の分野についてはほとんど知識がありませんでした。今回のE資格でRNNについて学んだことで、自身の研究にRNNの考え方を取り入れる検討を行ったりできました。このように、異なる分野の考え方が生かせる場合があるので、広い知識を持つことは重要だと思います。
結果発表は受験日から3週間以内とのことで、まだ合否はわかりませんが、わかったら追記したいと思います。
結果(3/17 追記)
合格発表のメールが届きました。
手ごたえ的には85~90%取れている気がしたんですが、思ったよりも低かったです。開発環境は問題数が少なく、深層学習の問題数が多いので、全体で80%弱といったところだと思います。 合格ラインは60%くらいという噂なので、かなり余裕をもって合格できたと思います。