この記事について
Apple SiliconのMacで快適にBlu-rayを再生する環境をOSSのVLC media playerで構築する方法について紹介します。
事の起こり
MacでBlu-ray再生環境としてMacgo Mac Blu-ray Player Proを愛用してきました。しかし、このアプリはIntel Mac専用アプリであり、Rosetta 2経由で動作しています。これまで特に動作に問題はなく、快適に愛用してきました。しかし、この状況を脅かす事態が。。。何とmacOS 27を最後にIntel Macへの対応を終了し、合わせてRosetta 2について廃止するとAppleから発表が有りました。タイムリミットはそれ程残されていません。よって、Apple Siliconにネイティブ対応したバージョンをインストールしたいのですが、近年MacgoはBlu-ray Playerの開発を事実上ストップしているようでして、Apple Siliconにネイティブ対応するという発表は2026年8月現在出されていません。サポートに問い合わせてみましたが、梨のつぶて。。。そこで代替手段は無いかと探りました。ところが、市販アプリでMacに対応(Apple Siliconネイティブ対応)でBlu-ray再生出来る物がほぼ存在しません。見付かってもx86専用でRosetta 2経由での利用となり、問題解決になりません。WindowsならばPower DVDやWinDVDなど選り取り見取りなのですが。。。そんな時、OSSのマルチメディアプレイヤーのVLC media playerの存在を思い出しました。実はかつてインストールを検討したことが有りました。しかし、市販のBlu-rayは対応していない場合が有ると聞いたので諦めていました。ところが、以前父親が所有している市販Blu-rayをWin環境でVLC media playerで再生した記憶が。。。そこでMacでも出来るのでは?と考えたのですが、一筋縄とは行かず、試行錯誤した検証過程をまとめておこうと思います。
※ 今すぐインストールしてBlu-rayを快適に楽しみたい方は「まとめ」にお進み下さい。
VLC media playerのインストール
VLC media playerのインストールはとても簡単です。公式ページからインストーラーをダウンロードしてインストールするだけです。
早速Blu-rayを再生するも失敗
さて、インストールが完了したら手持ちの映画のBlu-rayを再生してみました。ところが。。。

Blu-rayが再生出来ない上にエラーメッセージまで表示されました。。。
![]()
追加セットアップ
実はVLC media playerで市販のBlu-rayの再生を有効化するために追加でライブラリのインストールとキーファイルの格納が必要です。詳細は参考情報の以下のURLを参照して下さい。
- 参考情報
このページから以下のVLC Blu-Rayのリンクにアクセスし、Blu-rayの再生を有効化するために必要なライブラリのインストールとキーファイルの格納を実施します。
早速再生するも。。。しかし。。。
Blu-ray再生時のエラーは解消しませんでした。エラーメッセージの内容も同じでした。つまり、問題は解決していません。。。そこれでChatGPT君の力も借りつつ対処することにしました。
GPT君の助言1: ライブラリはCPUアーキテクチャに合った物か?
GPT君に相談してみました。GPT君から格納したAACS Dynamic LibraryのファイルのCPUアーキテクチャをfileコマンドで出力してみました。
$ file /usr/local/lib/libaacs.dylib
/usr/local/lib/libaacs.dylib: Mach-O 64-bit dynamically linked shared library x86_64
x86_64と出力されました。つまり、VLC media playerはarm64向けのものをインストールしていますが、ライブラリのアーキテクチャはx86_64なので一致していません。GPT君曰く、Apple Silicon用のAACS Dynamic LibraryはHomebrewを用いてインストール可能とのことなので、以下のコマンドでarm64版をインストールします。
sudo rm /usr/local/lib/libaacs.dylib
brew install libaacs
再度再生を試みるも。。。しかし。。。
矢張り同じエラー。。。arm64版をインストールしたにも関わらず有効化されていない可能性が有ります。GPT君に再度相談することに。
GPT君の助言2: ログを記録し内容を確認
GPT君からVLC media playerを一旦終了した後、再度起動してBlu-rayを再生するまでのプロセスをファイルに記録し、AACSのロードが正しく行われているか確認を行うことを勧められました。以下のコマンドを用いました。
/Applications/VLC.app/Contents/MacOS/VLC \
--no-one-instance -vvv 2>&1 | tee ~/vlc-bluray.log
grep -Ei 'aacs|libaacs|bluray|libbluray|dylib|dlopen|library|error' \
~/vlc-bluray.log
ログの内容を確認したところ、No usable AACS libraries found!とのエラーメッセージが。。。つまり、Blu-rayを再生時にAACSを正しくロード出来ていないことが分かりました。
GPT君の助言3: ライブラリのパスを直接指定して起動
GPT君からライブラリのフルパスを指定して起動し、再生すれば上手く行くのではないかと勧められました。最初に勧められたコマンドは以下のコマンドだったのですが、実はこの後GPT君が暫く迷走します。。。
その内容は割愛します。。。
LIBAACS_PATH="$(brew --prefix libaacs)/lib/libaacs.dylib" \
/Applications/VLC.app/Contents/MacOS/VLC -vvv 2>&1 | tee ~/vlc-aacs.log
結果として、以下のコマンドを勧められました。.dylibの部分を含めずにパスを渡しています。
LIBAACS_PATH="$(brew --prefix libaacs)/lib/libaacs" \
/Applications/VLC.app/Contents/MacOS/VLC -vvv 2>&1 | tee ~/vlc.log
今回は無事Blu-rayを再生出来ました!エラーも出ませんでした!成功です!
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GPT君の助言4: ターミナルを使わずに起動
さて、これでBlu-rayをVLC media playerを用いて再生することが出来るようになりました。しかし、起動時に毎回ターミナルでAACS Dynamic Libraryのパスを渡して起動は煩雑です。ターミナルを使わなくてもAACSをロード出来るようにします。launchctlコマンドを用います。
launchctl setenv LIBAACS_PATH /opt/homebrew/lib/libaacs
念のため、設定を確認します。
$ launchctl getenv LIBAACS_PATH
/opt/homebrew/lib/libaacs
これでターミナルを用いずともVLC media playerでBlu-rayを無事再生出来ました。
GPT君の助言5: 設定の恒久化
このままではMacを再起動すると設定したパスの値は消えてしまいます。よって、LaunchAgentsを用いてMacにログイン時に自動的に環境変数LIBAACS_PATHを設定出来るようにします。以下のコマンドを実行します。
mkdir -p ~/Library/LaunchAgents
cat > ~/Library/LaunchAgents/local.libaacs.environment.plist <<'EOF'
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN"
"http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<dict>
<key>Label</key>
<string>local.libaacs.environment</string>
<key>ProgramArguments</key>
<array>
<string>/bin/launchctl</string>
<string>setenv</string>
<string>LIBAACS_PATH</string>
<string>/opt/homebrew/lib/libaacs</string>
</array>
<key>RunAtLoad</key>
<true/>
</dict>
</plist>
EOF
コマンドの実行後、plistが有効化どうか確認します。以下のコマンドを実行します。
plutil -lint ~/Library/LaunchAgents/local.libaacs.environment.plist
正常なら以下のように末尾にOKと表示されます。
...: OK
Macを再起動し、VLC media playerで問題無くBlu-rayを再生出来ることを確認します。再生出来れば成功です!お疲れ様でした。
まとめ
これまでの内容を踏まえて設定方法をまとめておきます。
keydb.cfgを格納
keydb_jpn.zipを以下のリンクからダウンロードします。ダウンロード方法は下図の様にリンクを右クリックし、リンク先を別名で保存をクリックし、保存します。Zipファイルを展開し、keydb.cfgを~/Library/Preferences/aacs/に格納します。
mkdir ~/Library/Preferences/aacs/
cp ~/Downloads/keydb.cfg ~/Library/Preferences/aacs/
AACS Dynamic Libraryをインストール
Homebrewを用いてインストールします。
brew install libaacs
LaunchAgentsのplistを作成
以下のコマンドを実行します。実行後にMacを再起動し、VLC media playerを起動し、Blu-rayが問題無く再生出来るか確認して下さい。再生出来れば成功です!お疲れ様でした。
mkdir -p ~/Library/LaunchAgents
cat > ~/Library/LaunchAgents/local.libaacs.environment.plist <<'EOF'
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN"
"http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<dict>
<key>Label</key>
<string>local.libaacs.environment</string>
<key>ProgramArguments</key>
<array>
<string>/bin/launchctl</string>
<string>setenv</string>
<string>LIBAACS_PATH</string>
<string>/opt/homebrew/lib/libaacs</string>
</array>
<key>RunAtLoad</key>
<true/>
</dict>
</plist>
EOF
今回ChatGPTとログの内容などをやり取りしつつトラブルシューティングを行いました。途中GPT君の迷走が有りましたが、トラブルシューティングも随分楽になりました。しかし、AACSライブラリを自動的に探してロードしてくれれば良いのですが。。。近々Issueを上げようと思います。
