メーラーはMicrosoft365のOutlook for Macを利用しています。筆者はWindows時代からOutlookをメーラーとして利用してきました。ところが、Mac版のOutlookに乗り換えて気付いたことはメールの仕分けルールや受信拒否リストなどをインポート・エクスポートする機能が搭載されていない1ことです。これでは苦労して仕分けルールなどを作っても、いざという時に環境を復元できなくなってしまいます。そこで本記事ではMac版Outlookにおける各種データのバックアップ方法を検証し、別途用意したmacOSのVM上でバックアップデータから復旧出来るかの検証も行いたいと思います。
検証環境
- macOS 11.1 Big Sur
- Microsoft Outlook for Mac 16.44
データの格納先の探索
参考より、以下のPathにOutlook関連のファイルが格納されていることが分かりました。
/Users/$USER/Library/Group\ Containers/UBF8T346G9.Office/Outlook/Outlook\ 15\ Profiles/Main\ Profile/Data/
実際に覗いてみる
ls
コマンドでディレクトリ内を覗いてみます。
$ ls /Users/$USER/Library/Group\ Containers/UBF8T346G9.Office/Outlook/Outlook\ 15\ Profiles/Main\ Profile/Data/
BlockLocks.sqlite Contacts Message Attachments Outlook.sqlite-shm RecordLocks.sqlite-shm Signatures
BlockLocks.sqlite-shm Folders Message Sources Outlook.sqlite-wal RecordLocks.sqlite-wal UIDs
BlockLocks.sqlite-wal Mail Accounts Messages Recent Addresses Rules
Categories Main Outlook.sqlite RecordLocks.sqlite Saved Searches
バックアップの作成
tar
コマンドでアーカイブファイルを作成し、Outlookの各種ファイルをバックアップします。作成したtarファイルを外付けHDなどに移動させます。
cd /Users/$USER/Library/Group\ Containers/UBF8T346G9.Office/Outlook/Outlook\ 15\ Profiles/Main\ Profile/
tar cvzf ~/backup.tgz Data
バックアップの復元
tarファイルを展開してOutlookの環境が復元できるか試みます。実験のためにMacのVMをFusionで作成し、実験しました。結果は以下の様になりました。
-
復元が成功した内容
- メール(署名付きのメールも復元可)2
- メールフォルダ
- 仕分けルール
- 署名
-
復元出来なかった内容
- 受信拒否リスト
- 並べ替えルール
-
復元を試みていない内容
- 予定表
- アドレス帳
- タスク
まとめ
今回Outlook for Macのバックアップ方法について検討しました。一部復元出来なかったものも有りますが、再度作成するのが大変な仕分けルールや作り直しが面倒な署名については復元が出来ました。メールについてもフォルダ分けした状態で復元出来たのでもしもの時の復旧が楽になりそうです。但し、受信拒否リストなど一部復元出来なかったものは今後も調査を続けたいと思います。
Reference
- Outlook2011/2016のメールデータの保存場所はどこですか?
- tar.xz・tar.gzコマンドメモ
- 新版zsh&bash対応 macOSxコマンド入門(西村めぐみ著;2020年;技術評論社)