Power BIサービスで、「ワークスペースを作成しようとしたら、権限がなくてできなかった」という場合があります。
そういうとき、テナント管理者(多くの場合、社内の情シス部門かと思います)に、ワークスペース作成権限を振ってもらうか、あるいは代わりにワークスペースを作成してもらう必要があります。
しかし、テナント管理者がPower BIの機能に必ず明るいわけではなく、公式の説明も該当箇所がややわかりづらかいと思ったので、書いておきます。
####公式情報はこちら
管理ポータルでの Power BI の管理
https://docs.microsoft.com/ja-jp/power-bi/service-admin-portal
##Power BI管理ポータル
Power BIのテナント管理(その組織内での様々な設定)は、「Power BI管理ポータル」で行うことができます。ワークスペースの作成権限も、ここで設定します。
####Power BI管理ポータルへのアクセス権限
Office 365 のグローバル管理者か、「Power BI 管理者ロール」に割り当てられたユーザーがアクセスできます。
####Power BI管理ポータルへのアクセス方法
Power BIサービスの右上のアイコンをクリックし、「管理ポータル」を選択すると、Power BI管理ポータル画面が開きます。
##ワークスペースの作成権限を設定する箇所
管理ポータルの中の、「テナント設定」>「ワークスペースの設定」の項にあります。
####選択肢
- 組織全体…その組織全員に権限を与える(Proライセンス付与の方)
- 特定のセキュリティグループ…指定したセキュリティグループに含まれるユーザーに権限を与える
- 特定のセキュリティグループを除く…指定したセキュリティグループに含まれないユーザーに権限を与える
テナント管理者へお願いする選択肢としては、
- Proライセンス持っている人全員が自由にワークスペースを作成できるようにしてもらう
- 特定のユーザーのみワークスペースを作成できるようにしてもらう
- 情シス部門が都度ワークスペースを作成し、その編集権限をユーザーに振ってもらう
- Power BI管理ポータルの権限を振ってもらう(ご自身が社内のPower BI利用を統括される場合)
ということになるかと思います。
##ワークスペースについての注意点
ワークスペースには、新しいワークスペースとクラシックなワークスペースの2種類があり、できることが違うので注意が必要です。
新しいワークスペースは現在進行中で進化していて、日本語と英語で公式情報の内容が異なります。(英語の方が新しく、現在の仕様と合っているようです)
日本語
https://docs.microsoft.com/ja-jp/power-bi/service-new-workspaces
英語
https://docs.microsoft.com/en-us/power-bi/service-create-the-new-workspaces
この記事を書いている現在は、すでに新しい方がデフォルトになっているようです。
###Office365グループに関する違い
新しいワークスペースは、Office365グループを自動的に作成しませんが、クラシックなワークスペースは、自動的にOffice365グループを作成します。
どちらを使うかで、テナント管理者とのお話し合いも変わってくるかと思います。
###機能の違い
クラシックなワークスペースに存在した機能のうち、新しいワークスペースではまだ対応していないものがいくつかあり、順次実装されていっているようです。
日本語と英語の公式情報で説明に差があるのですが、英語の方が現状に合っていると思われます。例えば、「利用状況の指標」(レポートへのアクセス情報の取得)は、私の使用環境では使えるようになっていました。
状況が刻々かわるので、使いたい機能が使えるかは、事前にテストしてみた方が無難と思われます。