はじめてのOJT担当の心:メンティーが最速で成長するために大切なこと
はじめに
現場で活躍するエンジニアを育てるには、OJT(On-the-Job Training)が非常に重要です。特に若手エンジニアにとって、現場での実践は座学以上に価値ある学びになります。
私は自社開発企業で働く、2年目のWEBエンジニアです。新しく新卒として入社してきてくださるエンジニアのOJTメンターとして活動することになりました。
今まで自分がメンティーの立場で感じたことやマネジメントの書籍で学んだことを整理してみました。
本記事では、私が意識しているOJTの目的、具体的な行動指針、そして方向性の設計についてまとめます。
OJTの目的:3つの柱
1. 最高速度で成長する
エンジニアとして「最高速度で成長してもらう」ことが最も重要な目的です。そのためには以下の点を大切にしています:
- モチベーションを維持すること
- フィードバックはポジティブ:改善点 = 4:1を意識
- 自信を失わせず、前向きに受け取れるよう心がけます。
- 好きな技術分野に関わってもらうこと
- 「好きこそ物の上手なれ」という言葉の通り、興味がある分野こそ、自然と成長が加速します。
- 常にヒアリングを行い、好奇心の方向性を掴みつつも、ブレない軸を育てていきます。
2. 社内コミュニケーション力の強化
エンジニアとしてだけでなく、将来的に他職種に進む可能性も見据えたうえで、社内での円滑なコミュニケーション能力は必須です。
- 方法を一方的に教えるのではなく、「機会」を与える
- 自分から周囲に話しかけるハードルを下げる環境作りを意識
- 質問されたときにはしっかり答えるが、「指示」はしない
- 自発性が何よりの成長の源です。
3. エンジニアとしてのキャリアの方向性を示す
業界の背景や動向を踏まえた上で、その人自身のキャリアの軸を一緒に考えることが大切です。
- 志向性を丁寧にヒアリング
- 「こうすべき」と押し付けるのではなく、考えるヒントや情報を提供し続ける
- 自分の意思で方向性を定めるからこそ、長期的なモチベーションにつながります。
具体的なアクション
ポジティブな関わり方
- フィードバックは「良かった点」を中心に伝える(4:1ルール)
- やりたいことをヒアリングし、好奇心を最大限に活かす場を提供
コミュニケーションのサポート
- 他職種との接点を自然に持てるように、場の創出に努める
- 例:雑談の機会、ご飯に誘う、ミーティング後のちょっとした会話など
- 自分が話しかけやすい雰囲気を率先して作る
キャリア形成の伴走
- 最新トレンドや経験談を積極的に共有
- ヒントを与えつつ、最終的には本人の意思で決めてもらう
OJTの運用スタイル
- 1on1を定期的に実施し、内省と対話の場を作る
- 日常的な声がけで距離感を近づける
- ときにはご飯に行くなど、リラックスした環境で話すことも効果的です
おわりに
OJTは単なる「仕事を教える場」ではなく、その人の成長とキャリアの土台を作る大切な機会です。
だからこそ、本人主体で考え、行動し、成長できるように伴走する姿勢が求められます。
若手エンジニアの可能性を最大限に引き出すために、今後もよりよい関わり方を模索し続けていきたいと思います。