はじめに
この記事では、AI搭載エディタであるCursor内でMCP (Multi-purpose Copilot) サーバーをセットアップし、Slackと連携させる手順を解説します。
これにより、Cursorのチャットから直接Slackの操作(メッセージの投稿、チャンネル情報の取得など)が可能になります。
1. 必要な情報の取得
まず、連携に必要な以下の2つの情報を取得します。
1-1. slackTeamId
の取得
slackTeamId
は、所属するSlackワークスペース固有のIDです。
- デスクトップのWebブラウザで、対象のワークスペースURL(例:
acmeinc.slack.com
)を開きます。 - ページが読み込まれると、ブラウザのアドレスバーのURLが
https://app.slack.com/client/TXXXXXXX/CXXXXXXX
のような形式になります。 - この中の
T
から始まる文字列(例:T12345ABC
)がslackTeamId
です。
1-2. slackBotToken
の取得
slackBotToken
は、Slack APIを操作するためのボット用トークンです。各自で作成・取得する必要があります。
-
Slackアプリの作成とBot Tokenの取得:
- こちらの記事を参考に、Slackアプリを作成し、Bot User OAuth Token (
xoxb-
で始まるトークン) を取得してください。
- こちらの記事を参考に、Slackアプリを作成し、Bot User OAuth Token (
-
権限 (Scopes) の設定:
- 作成したSlackアプリに、実行したい操作に必要な権限 (Scopes) を付与してください。例えば、チャンネルへのメッセージ投稿には
chat:write
、チャンネルメッセージの読み取りにはchannels:history
やgroups:history
などが必要です。必要な権限は操作内容によって異なります。
- 作成したSlackアプリに、実行したい操作に必要な権限 (Scopes) を付与してください。例えば、チャンネルへのメッセージ投稿には
2. ボットを操作対象のチャンネルに招待する
手順1で作成したSlackアプリ(ボット)を、Cursorから操作したいSlackチャンネルに招待します。
- チャンネル内で
/invite @ボット名
と入力して実行するか、チャンネルの設定メニューから招待してください。 - 参考: Slack Botの作り方〜インタラクティブな機能の実装まで〜 # 6. インストールしたボットを操作対象のチャンネルに招待する
3. Smitheryで接続設定
Smithery の Slack MCP Server 設定ページにアクセスします。
-
slackTeamId
とslackBotToken
の入力欄に、手順1で取得した値をそれぞれ入力します。 - "Connect" ボタンをクリックします。
4. MCPサーバーの設定実行
Smitheryのページに、MCPサーバーを設定するためのコマンドが表示されます。
- 表示されたコマンドをコピーします。
- Cursorを開き、ターミナル(内蔵ターミナルまたは任意のターミナル)にコマンドを貼り付けて実行します。
- コマンドが正常に実行されると、Cursorの設定ディレクトリ内に
MCP.json
という設定ファイルが生成され、slackTeamId
とslackBotToken
が自動的に書き込まれます。
# Smitheryで表示されるコマンドの例 (実際のコマンドを使用してください)
cursor mcp install @smithery-ai/slack --settings='{"slackTeamId":"TXXXXXXX","slackBotToken":"xoxb-..."}'
5. MCPサーバーの起動
- Cursorの設定画面を開きます (Mac:
Cmd+,
, Windows/Linux:Ctrl+,
)。 - 左側のメニューから "MCP Servers" を選択します。
- "Slack" サーバーを見つけ、スイッチをオンにして起動します。
これで設定は完了です。Cursorのチャットで @slack
のようにメンションすることで、Slackの操作が可能になります。またはslackに関するチャットをエージェントに投げると、SlackのMCPを叩いてくれます。
まとめ
この手順により、Cursorから直接Slackを操作できるようになり、開発中のコンテキストスイッチを減らすことができます。ぜひ試してみてください。