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『エンジニアが一生困らない ドキュメント作成の基本』読後感

Last updated at Posted at 2025-10-04

皆さん、こんにちは。王です。

私はこの本を読んで、ドキュメント作成についての考え方が変わりました。

上司からはよく「説明力が不足している」と言われます。いつもコードの流れで機能の説明をしてしまうため、相手に内容が伝わりにくく、困っていました。また、私自身もコードを書くのは好きですが、文章を書くのは苦手です。ドキュメントを書き始めても「何を」「どこに」書けばいいか分からず、時間がかかっていました。そして、できあがったドキュメントは、他の人から「論理が分かりにくい」「話の流れがバラバラだ」と言われることが多かったです。

そのため、これらの悩みを解決したくて、この本を読んで勉強しようと思ったのです。

ドキュメントを速く、正確に、わかりやすく書くために必要なのは「まとまった時間」ではなく、「正しい手順を知っているかどうか」です。そして、ドキュメント作成は「設計」であるという核心的な考え方を教えてくれました。

1.ドキュメントは「設計」から始める

プログラミングでは、要件定義の後に「設計」をしてから「実装」をします。ドキュメントも同じです。

多くのエンジニアは、いきなり文章を書き始めてしまいますが、これが失敗の原因です。この本は、まず「読み手とテーマの選定」をして、次に「構成の設計」をして、最後に「執筆」をする、という手順の重要性を強調しています。

適切な設計をすることで、読み手は必要な情報を効率良く得ることができ、書き手は効率良く作業を終えることができます。

2.思考を整理する「Why/What/How」フレームワーク

ドキュメントの設計図を作るために、この本は強力なフレームワークを提案しています。それが、テーマを3つの要素に分解する「Why/What/How」です。

  • Why(なぜ): なぜそれが必要ですか?(目的、背景)
  • What(何を): 何をするか、何が目標か?(結論、結果)
  • How(どうやって): どうやって実現しますか?(手段、手順)

このフレームワークを使ってテーマを整理すると、頭の中の複雑な情報が整理されて、ドキュメントの構成(アウトライン)が明確になります。アウトラインは、読み手が「どこに何が書いてあるか」を一目で判断するためのナビゲーターです。

【具体的なドキュメントへの応用例】

仕様書作成のポイント:
仕様書を書くとき、開発者がスムーズに作業できるように、情報を分解し整理することが大切です。まずプロダクトの全体像を説明し、それから機能の構成要素(機能1、機能2、画面など)で分解して説明を展開していきます。こうすることで、開発者は全体を理解しながら、各機能を開発できます。

報告書作成のポイント:
報告書では、Why→What→Howの順番で情報を提供するのが基本です。特に、結果(What)から得られた「考察」をしっかり書くことが、報告書の価値を高めます。

3.わかりやすい文章の作り方

設計ができたら、最後に文章の執筆です。この本は、わかりやすい文章を作るための「パラグラフ(段落)」の考え方を教えてくれます。

1パラグラフ=1つの話題: 1つの段落では、「言いたいこと(中心文)」を一つだけ書きます。

展開のパターン:「言いたいこと」をまず書いてから、その下に「理由を挙げる」「具体例を挙げる」「詳細を述べる」といったパターンで文章を展開します。

最初にパラグラフごとの「言いたいこと」だけを1文で書き、その後に理由などを書き足していく、という手順(ステップ)を踏むことで、文章が論理的になり、話の流れがブレなくなります。

結論:ドキュメントスキルは一生の武器

この本は、ドキュメント作成を「感覚」や「才能」ではなく、「手順」と「ロジック」で実現できるスキルに変えてくれました。

私はこの本を読んで、ドキュメント作成に対する不安がなくなりました。ドキュメント作成スキルは、私たちが複雑なアイデアを整理し、他の人に正確に伝えるための、エンジニアとしての強力な武器になります。ドキュメントに苦手意識があるエンジニアに、心からおすすめしたい一冊です。


(参考情報)
この本と、仲田尚央さんの素晴らしいPPT資料(内容が詳しく、論理的なので、本と一緒に読むのに最適です。PPTは無料で公開されていたので、リンクを添付します:
https://speakerdeck.com/naohiro_nakata/basics-of-documentation-for-engineers

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