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コード以外にも伝わっている

エンジニアではない立場で、Qiitaを見ている人間がいます。
KDDIアジャイル開発センターで採用担当をしている渡邊です。

普段は、ソフトウェアエンジニアやスクラムマスターなど、技術職の採用を担当しています。
その中で、候補者の方のQiita記事を読む機会が多くあります。

この記事では
人事はQiitaをどう読んでいるのか
コード以外に、どんなことが伝わってきているのか

このあたりを、あまり着飾らずにお話ししてみようと思います。

技術的な正しさを評価する記事ではありません。
採用担当として、候補者のことを理解するためにQiitaをどう見ているか、
その視点で読んでいただけるとうれしいです。

人事・採用担当がQiitaのどこを見ているか

人事が見ているのは、コードの中身そのものだけではありません。
記事のテーマと、その人のキャリアとのつながりには自然と目がいきます。

職務経歴書に書かれている業務や技術と、Qiitaで書いている内容にどれくらい一貫性があるか。
仕事で使っている技術を深掘りしているのか、それとも新しいチャレンジとして学んでいるのか。
そういった背景を想像しながら読んでいます。

記事の並び方から、学びのペースや変遷も見えてきます。
数年に一度の大きな振り返りを書く方もいれば、短いメモをこまめに残している方もいます。
どちらが良いとか悪いという話ではなく、「この人はこういうリズムで学びを積み重ねているのだな」
という軌跡を辿る感覚です。

文章の丁寧さや、読み手への配慮も強く印象に残ります。

・コードだけでなく、なぜそれをやったのか、結果として何が分かったのかが言葉になっているか。
・未来の自分や、同じところでつまずく誰かを思い浮かべて書いているかどうか。

ここは、そのままチーム開発における情報共有のイメージにも繋がります。

そして、失敗やハマりどころの扱い方にも個性が出ます。
うまくいった話だけを並べるのではなく、「ここでつまずいたが、こう考え直した」と書かれていると、
その人の思考のクセや粘り強さがよく伝わってきます。

文章全体のトーンやスタンスも見逃せない部分です。

他の技術や他者へのリスペクトが感じられるか。
自分の環境での話として書かれているか。

そのあたりから、「この人と一緒に働いた時の空気感」を、少しだけ先取りしている感覚があります。

転職で「効いた」Qiita

ここからは、少し具体的なイメージを持っていただくために、匿名ベースでの話を紹介します。

プラスに働いたケース

ある候補者の方は、業務で直面した課題を記事にまとめていました。
「なぜその構成にしたのか」「他にどんな案を検討したのか」まで書かれていて、
読んでいるこちらも思考の流れを追える内容でした。

その記事のおかげで
どのような場面で力を発揮してもらえそうか
どのレベルのプロジェクトからお任せできそうか

といったイメージが、面接前の段階から社内で共有しやすくなりました。

人事目線で感じる、Qiitaを書くメリット

Qiitaの記事は、候補者にとっても採用側にとっても、良いことが多いと感じています。

採用側から見たメリットとしては
履歴書だけでは見えない強みや関心が、具体的に伝わる
学び方や試行錯誤の様子から、現場でのイメージが湧きやすくなる
面接で「この記事のここを詳しく教えてください」と、自然に深い対話につなげやすくなる

といった点があります。

エンジニア本人にとっても
自分の思考整理になる
転職のタイミングで「この数年で何をやってきたか」を振り返りやすくなる
社内外からフィードバックをもらうきっかけになる

など、キャリア全体を通して効いてくる良さがあると思います。

おわりに

人事でありながらQiitaを読みにいくことに、最初は少し難しさがありました。
それでも、候補者の方のことをもっと知りたいと思ううちに、自然とQiitaを開く機会が増えていきました。

この記事が、これから転職を考えているエンジニアの方にとって

「自分のQiitaは、採用担当からはこう見えているのか」

という、小さな、些細な参考になってくれれば嬉しいです。

とは言え、どんな内容であろうと自分が学んだことをアウトプットするというのは
最大の探究心だと思っています。

どこかの選考プロセスでお会いすることがあれば
「この記事を書いていた人事か」と、ほんの少しでも安心材料になっていたら幸いです。

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