Scrum Fest Sapporo Day 1 Coach's Clinic
2020/11/06に開催されたScrum Fest Sapporo 2020 Day 1にて、Coach's Clinicが開催されました。
Coach's Clinicは、アジャイルコーチ陣に自由に相談できる場で、今回は初のオンライン開催とのこと。
1回20分×4のセッションで、悩みのある人が自由にコーチをアサインして、相談の場を作っていくやり方で行われています。
私はコーチとして4セッション+雑談の1セッションで計5回参加してきました。
(私は右から2人目です)
ふりかえりに関する相談
ふりかえりに関する悩みをいくつか受けてきましたので、相談内容をプライバシーに触れないよう汎化して紹介したいと思います。
ここでの回答は質問者のコンテキストに応じた回答ですので、すべての現場で使えるわけではないことをご了承ください。
Q. ふりかえりで発言が自分だけ。どうやったら議論が活発になりますか?
ふりかえりを導入後間もない状態。
司会をやっているとき、私がそれぞれの話を解釈して、反応して、じゃあ次の人、になります。
メンバーの特性として、普段からあまりしゃべらない大人しいメンバーが多いです。
A. ふりかえりであなたがチームに「どういう風にふりかえりをしてほしいか」を伝えてみましょう。
チームにあなたの気持ちはちゃんと伝わっていないかもしれません。
また、「どのようなふりかえりにしたいか」もチーム全員で話してみるのもいいでしょう。
会話が弾まなくとも、チャットでの反応がいいメンバーでしたら、「喋らないふりかえり」をするのもアリです。
「みんなで意見を出し合って」というスタイルにこだわらなくてもよさそうです。
オンラインでテキストコミュニケーションのみで行うふりかえりのやり方もあります。
ふりかえりで陣取りゲーム!~ふりかえりの手法紹介:Blokus
チームのコミュニケーションの特性を活かしてみましょう。
Q. ふりかえりが反省会になってしまいます。どうすればいいでしょうか?
スクラムをやっていたものの、反省会のような雰囲気のふりかえりしか経験したことがありません。
ふりかえりにいい印象を持っていません。
次回、自分でチームを作るときに、ふりかえりをどう始めればいいでしょうか。
A. ふりかえりを全員で作っていく意識を持つとよいでしょう。
チームのルールを全員で作ると、チームがふりかえりに参加する意識を持ちやすくなります。
ふりかえりの場を作る手法である「DPA」を使い、全員でふりかえりの場を作り上げていきましょう。
また、ふりかえりの期待値を下げる、ハードルを下げる、というのも重要です。
「ふりかえりは問題をすべて解決する」という思い込みを捨て、チームの状況を共有するところから始めるだけで十分です。
慣れてきたら、アクションを少しずつ出して、カイゼンしていく様子がチームで自覚できるようになるとよいでしょう。
Q. ふりかえりを組織に広げていくためにどうすればいいでしょうか
1チームでふりかえりを定着できていますが、他のチームにも少しずつふりかえりを広げていきたいです。
まずは興味を持ってもらった人に「日報」を全員でやってもらおうと思っています。
他にも、いいやり方はないでしょうか。
A. 興味を持ってもらった人から始める、というのは非常によい手です。
日報は「内省」の文脈が強く、自分一人での学び・気付きを吸収することに特化しています。
もし、スクラムの「スプリントレトロスペクティブ」のようなカイゼンの文脈のふりかえりを根付かせたいのであれば、相互作用が必要です。
例えば、全員で業務終了前10分間、一緒に日報を書いて、コメントしあう時間を作るといったやり方をすると、相互作用を生みやすくなります。
Q. 楽しいふりかえりってどんなものでしょうか?
A. Scrum Fest Sapporo 2020 の私のセッションで(別記事に起こします)詳しく解説します。
Q. ふりかえりで文句が多いです。どうすればいいでしょうか?
A. 文句を言っちゃだめ、というわけではないです。
むしろ、文句だけを言う会というのを作っても面白そうですね。
「これ以上文句が出てこない、ぐうの音も出てこないほどストイックに文句を出せ!」というふりかえりをすると、逆に盛り上がりそうです。
このやり方は楽しそうなので、私もやってみます。
フィードバック
参加した5名の方から、色々とフィードバックを頂きました。ありがとうございます。
- 答えを求めているはずなのに、問いかけされていくうちに自分で「これやってないなー」「こういうことか」と気づかされました。
- ぼんやり不安に感じたことを評価してもらえて助かりました。
- 考えていなかった視点に気づかさせてもらえました。
- ふりかえりについてすっきりしました
- 自分たちのふりかえりのハードルが高かったのが問題だったと気付きました
- 1回ふりかえりをやって全て変わると思わない。ふりかえりを続けて会話をしてチームの状況を確認する
- チームの入れ替わりのたびにチームのルールを作り直すことで、チームの参加意識が変わる
- ストイックに毒を吐く、毒以外吐いては行けない時間、は本気でやってみたいと思います。楽しみ。
ふりかえりに関する悩み
他の悩みについては、以下のQiita記事でも紹介しています。
ふりかえりに関する記事まとめ
また、ふりかえりamでも悩みについて回答していきますので、そちらもご参考にしていただければと思います。