VIEWの基礎
VIEWとは
ビュー(VIEW)は、基となるテーブルからデータを取得する仮想テーブルです。
ビューは、実際のデータを持たず、基となるテーブルのクエリ結果を提供します。
ビューを使用することで、データの抽象化、セキュリティ、簡潔なクエリ作成が可能になります。
VIEWの利点
- データの抽象化: ユーザーに対してデータの特定の部分だけを見せることができ、データベースの複雑さを隠すことができます。
- セキュリティ: 特定のユーザーに対してビューを通じてアクセス権を制御することで、機密データを保護できます。
- 簡潔なクエリ作成: 複雑なクエリをビューとして保存し、簡単に再利用することができます。
- データの一貫性: ビューを使用することで、一貫性のあるデータ表現を提供できます。
VIEWの作成
ビューを作成するためには、CREATE VIEW
文を使用します。
例: 単純なビューの作成
-- employeesテーブルから特定の列を選択するビューを作成
CREATE VIEW employee_names AS
SELECT employee_id, first_name, last_name
FROM employees;
VIEWの使用
ビューを使用することで、基となるテーブルからデータを取得するクエリを簡素化できます。
例: ビューの使用
-- employee_namesビューを使用してデータを取得
SELECT * FROM employee_names;
更新可能なVIEW
ビューを通じてデータを更新することも可能です。ただし、ビューが特定の条件を満たしている必要があります(例:単一のテーブルに基づいている、集計関数を含まないなど)。
例: 更新可能なビュー
-- 単一のテーブルに基づくビューの作成
CREATE VIEW employee_salaries AS
SELECT employee_id, salary
FROM employees;
-- ビューを通じてデータを更新
UPDATE employee_salaries
SET salary = salary * 1.10
WHERE employee_id = 101;
非更新可能なVIEW
ビューが複数のテーブルを結合している場合や、集計関数を含む場合、そのビューは更新できません。
例: 非更新可能なビュー
-- 集計関数を含むビューの作成
CREATE VIEW department_salaries AS
SELECT department_id, AVG(salary) AS avg_salary
FROM employees
GROUP BY department_id;
-- 非更新可能なビューを通じての更新はエラーになります
-- UPDATE department_salaries
-- SET avg_salary = 50000
-- WHERE department_id = 10;
VIEWの管理
既存のビューを変更するためには、CREATE OR REPLACE VIEW文を使用します。また、ビューを削除するためには、DROP VIEW文を使用します。
VIEWの変更
-- 既存のビューを変更
CREATE OR REPLACE VIEW employee_names AS
SELECT employee_id, first_name, last_name, email
FROM employees;
VIEWの削除
-- ビューを削除
DROP VIEW employee_names;
ビューのセキュリティ
ビューを使用することで、ユーザーが直接テーブルにアクセスすることなく、必要なデータだけを提供できます。これにより、機密データを保護しつつ、必要なデータへのアクセスを制御できます。
例: ビューを使用したアクセス制御
-- 従業員の給与情報を含まないビューを作成
CREATE VIEW public_employee_info AS
SELECT employee_id, first_name, last_name, department_id
FROM employees;
-- 特定のユーザーにビューへのアクセス権を付与
GRANT SELECT ON public_employee_info TO public_user;