猶予期間とは
RDS 環境においては環境を構築してから 120 日間※1はライセンス サーバーが不要な猶予期間が設けられています。
この間は RD ライセンス サーバーが構築されていなかったり、 CAL のインストールが行われていない状況であっても RDS の運用に支障がきたさないようになっています。
その間は下記のような通知が表示されます。
RD ライセンス サーバーの設定を行ったにもかかわらず上記の通知が出ている場合には
適切に RD ライセンス サーバーが指定されていない可能性が非常に高い状況です。
そのような場合には下記RD ライセンス サーバーを追加しCALをインストールする方法の
(4) RD ライセンス サーバーの指定を参照してライセンス サーバーの指定を行っていただくと改善すると思います。
※1 今時使われてないと思いますが Windows 2000 では 90 日です。
一部Web情報では Windows Server 2019 や Windows Server 2016 では 180 日とされている情報もありますが私自身が確認した限りでは以前と変わらず 120 日です。
Windows Server 2008 R2 までしか記載がありませんがMicrosoft公式情報は下記です。
Overview of Remote Desktop Licensing | Microsoft Docs
猶予期間の終了のタイミング
猶予期間は下記のいずれかで終了します。
- 猶予期間(RDS 構築から 120 日)を超える
- クライアントに対して永続的なライセンスが発行される
2つ目がポイントです。
構築から 120 日経過していなくても RD ライセンス サーバーから接続元クライアントに対してCALが一度でも発行されるとその時点で猶予期間は終了します。
その為
[120 日間猶予期間が設けられている]
ではなく
[最長 120 日 RD ライセンス サーバが構築されていなくても RDS が使用できる]
と認識いただいたおいたほうがいいです。
少々古いですが下記が Microsoft の公開情報です。
Overview of Remote Desktop Licensing
※ The grace period ends after whichever of the following occurs first:
以下の記載が該当する説明です。
猶予期間の確認方法
前述の通知の日数を確認いただくほかに、下記の手順でコマンドレットで確認することが可能です。
-
RD セッション ホスト、または RD 仮想化ホスト サーバーへサインインします。
※ RD ライセンス サーバー上ではない点に注意してください。 -
Windows PowerShell を管理者として起動します。
-
下記コマンドレットを実行します。
(gwmi -Class Win32_TerminalServiceSetting -Namespace root\cimv2\TerminalServices).GetGracePeriodDays().DaysLeft
```
なおこの値が下記のように [0] である場合、猶予期間は終了しています。
猶予期間をリセットできるか?
公式情報を調べる限り正規の手順で猶予期間をリセットする方法はないです。
その為RDS環境を構築する際には計画をしっかりたてて猶予期間が終了する前に RD ライセンス サーバーを適切に構成するようにしましょう。