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VS CodeのターミナルでAzure Cloud Shellを統合する方法(2025年9月版)

Last updated at Posted at 2025-09-28

はじめに

Azure Cloud ShellはMicrosoftが提供するブラウザベースのクラウドシェル環境です。Azure CLI、PowerShell、Git、Dockerなどの開発ツールがあらかじめインストールされており、通常はAzureポータル上部のCloud Shellアイコンからブラウザ内ターミナルとして利用します。

しかし、ブラウザベースでの利用には以下のような課題があります:

  • コードエディタとの画面切り替えによるコンテキストスイッチの発生
  • ブラウザとエディタ間での頻繁な画面遷移
  • 開発フローの中断による生産性の低下

本記事では、VS Code内でAzure Cloud Shellを直接利用する方法を解説します。この統合により、ローカル環境構築の手間ツールのバージョン管理の煩雑さブラウザとエディタ間の往復を大幅に削減できます。

重要な変更点:Azure Account拡張機能の廃止について

重要な注意事項
従来利用されていた拡張機能「Azure Account」は2025年1月に廃止されました。現在は「Azure Resources for Visual Studio Code」拡張機能を使用する方法が推奨されています。

Azure Account拡張機能が廃止された背景:

  • 認証基盤の刷新
  • リソース管理機能の統合
  • より統一されたAzure開発体験の提供

現在の推奨拡張機能:

セットアップの流れ

セットアップは以下の4つのステップで完了します:

  1. Node.jsのインストール
  2. Azure Resources拡張機能のインストール
  3. Azureへのサインイン
  4. Cloud Shellの起動

※ 本記事はWindows環境を想定しております。

Node.jsのインストール

Azure Resources拡張機能は内部でNode.jsを使用するため、事前にインストールが必要です。

インストール手順

  1. Node.js公式サイトからLTS版をダウンロード
    1.png
  2. ダウンロードしたインストーラーを実行
  3. インストールウィザードの指示に従って進行
  4. インストール完了後、PowerShellまたはコマンドプロンプトで動作確認:
node --version
npm --version

2.png

Azure Resources拡張機能のインストール

インストール手順

  1. VS Codeの左サイドバーにある拡張機能アイコン(四角形のアイコン)をクリック
  2. 検索欄に「azure resources」と入力
  3. Azure Resources」を選択
    3.png
  4. [インストール] ボタンをクリック
  5. インストール完了まで待機
    4.png

Azureへのサインイン

サインイン手順

  1. Ctrl+Shift+P でコマンドパレットを開く
  2. Azure: Sign In」と入力し、表示された項目を選択
    5.png
  3. ブラウザで認証画面が自動で開く
  4. Azureアカウントの認証情報を入力してログイン
  5. 認証完了後、VS Codeに戻る

Cloud Shellの起動

起動手順

  1. VS Codeのメニューバーから [ターミナル][新しいターミナル] を選択
  2. ターミナル右上の プロファイルメニュー(▼アイコン) をクリック
  3. 以下のいずれかを選択:
    • [Azure Cloud Shell (Bash)]
    • [Azure Cloud Shell (PowerShell)]
      6.png
  4. 初回起動時は接続に数秒かかる場合があります
    8.png

接続確認

Cloud Shellが正常に起動したら、以下のコマンドで接続状態を確認できます:

# 現在のAzureアカウント情報を表示
az account show

# 利用可能なサブスクリプション一覧を表示
az account list --output table

正常に動作していれば、現在ログインしているAzureアカウントの詳細情報が表示されます。

トラブルシューティング

Node.jsの警告メッセージ

[DEP0040] DeprecationWarning: The `punycode` module is deprecated.

原因: Node.js 21以降での非推奨モジュールによる警告
対処法: 動作には影響しないため、警告は無視して問題ありません

認証エラーが発生する場合

対処法:

  1. VS Codeを完全に再起動
  2. コマンドパレットから「Azure: Sign Out」を実行後、再度サインイン
  3. 別ブラウザでAzureポータル(https://portal.azure.com)にアクセスできるか確認

Cloud Shellオプションが表示されない場合

対処法:

  1. Azure Resources拡張機能が正常にインストールされているか確認
  2. Azureへの認証が完了しているか確認
  3. VS Codeの再起動を実行

[Setup needed.]の状態で停止しCloud Shellが起動しない

サインインに使用したアカウントでブラウザを用いてAzure ポータルへサインインし、Azure Cloud Sehllの初期セットアップを実施
7.png

Node.js関連のエラーが発生する場合

対処法:

  1. Node.jsのバージョンが最新のLTS版か確認
  2. 古いバージョンの場合は最新版に更新
  3. 必要に応じてNode.jsの再インストールを実行

まとめ

VS Code内でAzure Cloud Shellを利用することで、以下のメリットが得られます:

  • 開発効率の向上: ブラウザとエディタ間の切り替え時間を削減
  • 統一された開発環境: コードエディタとクラウドツールの一元管理
  • コンテキストスイッチの削減: 集中した開発作業の実現

Azure Account拡張機能の廃止により設定方法は変更されましたが、Azure Resources拡張機能を使用することで、より安定した統合環境を構築できます。

ぜひこの方法を活用して、より効率的なAzure開発を実現してください。

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