調査概要と背景
職場で長年使われ続けてきた 大量マクロ入りのExcelファイル(以降「エクセル」)は、便利ゆえに酷使され、しかし属人化・ブラックボックス化しているケースが多く見られます。
本レポートでは、複数の公開調査をもとに、Excel業務のDX化という文脈において「現状」「課題」「可能性」を整理しました。
主な調査結果
以下、特に注目すべきデータを挙げます:
データ活用レベル :「業務改善・オペレーション効率化レベル」で留まっている企業が25.5%。また「全く行っていない」が11.2%。
利用状況 : 中~大企業において、Excelでのデータ管理業務を行っている企業が約7割。そのうち、Excel管理に限界を感じている割合も約7割。
ツール利用状況DX推進アンケート:調査では、データ分析ツール・BIツールの利用率が約70%。ただし「システム統合企業」の割合は14%にとどまる。
解釈と私の見立て
Excelに依存した業務構造は、DX化の“足かせ”になり得る。
上記データから、「Excelで何とかしている」企業が多数であり、かつ「Excelだけでは限界を感じている」ケースも多いため。
例えば「Excelでのデータ管理業務を7割の企業が行っている」とする調査では、同時に「脱Excelを考えている割合は半数に満たない」と報告されています。 総文の森
このことから、「既存のExcel基盤をそのままにしてDXを図ろうとすると、業務改善・自動化・統合といった次段階には進みづらい」と私は感じています。
今後に向けた打ち手と示唆
以下、Excel依存からDXへの移行を考える際に有効と思われるポイントです。
役割分担の見直し:Excelを“万能ツール”として使い続けるのではなく、入力・集計・可視化という工程に分け、「Excelは可視化/報告用途に特化」「データ処理・転記などは別仕組みに」といった構成を検討する。
段階的改善の実践:まず「手作業の明確化」「マクロ・数式のドキュメント化」「バージョン管理の仕組み化」を行い、その後「クラウド/データベース連携」「自動化ツール導入」という流れ。
人材・スキル対応:データ活用調査では「DX人材不足」が大きな理由とされています。 データで越境者に寄り添うメディア データのじかん 既存のExcelスキルを活かしながら、分析/自動化スキルを育成することが鍵です。
まとめ
Excel業務をDX化するというテーマについて、現状のデータ・課題構造・打ち手を整理しました。
「エクセル」が悪というわけではなく、そのまま放置されている構造こそが問題だと私は感じています。
これらを踏まえて、自動化スキルを育成することを念頭にDXを進めていこうと思いました。