TL;DR
- 実際に検索されているSEO関連クエリ 389語 で日本語SERPを取得し、AI Overviews(Googleの生成AI回答)の表示有無と引用元を集計した。
- 84.8%(330/389) のクエリでAI Overviewsが表示。90.5% で「他の人はこう質問(PAA)」も表示。
- AI Overviewsが引用するドメインは SEO会社のオウンドメディアに強く集中(1位
plan-b.co.jpが108回)。引用を開示した回答は平均6.4ドメインを統合していた。 - 体感の「AIO増えてきたよね」を、少数でも実データで裏取りした記録。手法と限界も残す。
なぜ測ったか
「Google の AI Overviews(旧SGE、AIモード)が日本語検索でどれくらい出ているのか」は議論が多い一方で、日本語での実測データがほとんど公開されていない。体感ベースの「増えてる気がする」で意思決定するのは気持ち悪いので、手元のSERP取得基盤で数えてみた。
サンプルは万単位ではないが、「実際に検索されているクエリ」を対象にした一次データという点で参考になるはず、という温度感で読んでほしい。
調査方法(メソドロジー)
- 対象クエリ: 自社サイト(
saguru.dsystemsen.com)がGoogle検索で実際に表示されているクエリ(Search Console由来)から 389語を抽出。ドメイン特性上「SEO / Webマーケ寄り」の分布である点は後述の限界参照。
-取得: SERP API で各クエリの検索結果を取得し、以下を機械的に判定・集計。- AI Overviews ブロックの有無
- PAA(People Also Ask / 他の人はこう質問)の有無
- AI Overviews が引用として開示しているドメイン
- 時期: 2026年7月時点の単一スナップショット。
- 集計パイプライン(概念):
for q in queries(389):
serp = fetch_serp(q, gl="jp", hl="ja")
has_aio = detect_block(serp, type="ai_overview")
has_paa = detect_block(serp, type="people_also_ask")
cited = extract_cited_domains(serp.ai_overview) # 引用開示がある場合
record(q, has_aio, has_paa, cited)
# 集計
aio_rate = count(has_aio) / 389
paa_rate = count(has_paa) / 389
domain_freq = Counter(flatten(all cited domains))
AIOは地域・パーソナライズ・時間帯で揺れるので、判定は「そのスナップショットでブロックが存在したか」に限定している。
結果①:AI Overviews 表示率は 84.8%
389クエリ中 330語(84.8%)でAI Overviewsが表示された。少なくともSEO領域では、生成AI回答が出る前提でSERPを考える段階に入っている。
結果②:90.5% で PAA(他の人はこう質問)
90.5%のクエリでPAAも表示。AIOとPAAが同時に居座ることで、従来の10本の青リンクが画面下へ押し下げられる。SERPの対話化・占有面積の変化はクリック率設計に直接効く。
結果③:引用元はSEO会社のオウンドメディアに集中
AI Overviewsが引用として開示したドメインの出現回数 上位:
| 順位 | ドメイン | 出現回数 | 分類 |
|---|---|---|---|
| 1 | plan-b.co.jp | 108 | SEO/マーケ支援 |
| 2 | www.youtube.com | 78 | 動画プラットフォーム |
| 3 | www.seohacks.net | 57 | SEO支援 |
| 4 | mieru-ca.com | 56 | SEOツール |
| 5 | www.willgate.co.jp | 56 | SEO支援 |
| 6 | web-kanji.com | 44 | 制作/SEO |
| 7 | mediareach.co.jp | 38 | マーケ支援 |
| 8 | satori.marketing | 28 | MAツール |
| 9 | www.geo-code.co.jp | 25 | SEO支援 |
| 10 | white-link.com | 24 | 被リンク支援 |
YouTube以外はほぼSEO/マーケ支援企業のオウンドメディア。「その分野で継続的に一次情報を出しているドメイン」がAIに引用されやすい傾向が見える(当然、対象クエリがSEO寄りというバイアスも含む。限界参照)。
結果④:引用ドメイン数は「平均6.4」
引用元を開示したAI回答は、平均6.4ドメインを統合して1つの回答を生成していた。単一ソースの丸写しではなく、複数ソースを束ねて要約している構造がうかがえる。
結果⑤:AI Overviewsが出なかったクエリ
残り約15%は、指名(ブランド)検索・ごく狭いロングテール・意図が明確な取引系などに寄っていた(=AIが要約する余地が小さいクエリ)。
ここから言えるSEO / LLMO戦略(エンジニア向けの実装的示唆)
- 「引用される側」に回る設計が要る。AIOが標準装備なら、青リンクのクリックは構造的に削られる。勝ち筋はAIが引用する一次情報になること。
- 一次データ・独自の数字を持つ。引用が支援企業のオウンドメディアに集中しているのは、彼らが継続的にデータ・見解を出しているから。逆に言えば、独自データは新規ドメインでも引用の入口になり得る。
- 構造化データと明快な結論。AIは「抜き出しやすい」コンテンツを好む。定義・数値・手順を、見出し直下で言い切る構成にする(FAQPage / HowTo / Article の構造化データも実装しておく)。
- PAAを設計に取り込む。90.5%で出るなら、PAAの質問文をそのままH2/FAQに反映すると露出面を取りやすい。
この調査の限界(正直に)
- サンプルはSEO/Webマーケ寄りのクエリ389語。全ジャンルの一般化はできない(例: 医療・金融・ローカル等では表示率も引用傾向も変わるはず)。
- 単一スナップショット。AIOは地域・パーソナライズ・時間で揺れるため、同じクエリでも再取得で結果が変わり得る。
- 引用ドメインは開示があった回答に限る。引用非開示のAIOは集計に含めていない。
- n数は限定的。あくまで「体感の裏取り」レベルの一次データとして扱ってほしい。
続報として、同じクエリ群の時系列変化(表示率が上がるのか、引用の集中が進むのか)を追う予定。
まとめ
- SEO領域では AI Overviews は 84.8% で表示 =もう出る前提。
- 引用は継続的に一次情報を出すドメインに集中。新規でも独自データは武器になる。
- 施策の軸は「順位を取る」から「AIに引用される」へ半歩ずらすと整理しやすい。
数字は参考程度でも、意思決定の温度感を「体感」から「一次データ」に寄せる助けになれば嬉しいです。ツッコミ・追試・別ジャンルでの実測など歓迎します。
図表つきの全文レポートはこちら → SEOキーワードの84.8%でAI Overviewsが表示|389語実測(2026年7月)
この調査は、登録不要・無料から使えるSEOキーワード調査ツール「Saguru」のSERP取得基盤で実施しました。