はじめに
テレワーク。
なんと便利な言葉だろうか。「自宅で仕事ができる」と聞くと、多くの人はソファに寝転び、片手にコーヒー、もう片方でキーボードを軽やかに打つ姿を想像するかもしれない。だが現実は、ダイニングの端っこに追いやられた折りたたみテーブルと、会社から支給されたモバイルPC一台。画面は小さく、文字は読みにくく、目はショボショボしてきて、最後には「これが令和の働き方改革か」と呟く始末である。
モニタを買えばいい。それはわかっている。誰だって知っている。Googleで「外付けモニタ」と検索すれば、山ほど出てくるし、最近は1万円台でもフルHDの立派なやつがある。だが、私の部屋には「空間」がない。モノを置く場所もなければ、心の余裕もない。なにしろ、同居人に「また変なもの買ったの?」と聞かれるリスクが常につきまとう。
そして、最大の敵は「小遣い」である。小遣いとは、まるで戦国時代の農民のように、年貢を納めたあとに手元に残ったわずかな米で冬を越すかのような存在である。そんな中、「会社の仕事のために2〜3万円の出費」などというのは、フグの毒をあえて食べに行くような、ある種の覚悟が必要だ。
そんなある日、ネットをさまよっていると、「液晶ディスプレイを自作した人々」の記事をいくつか見つけた。どう見ても電子の錬金術師たちが、ありあまる知識とハンダごてを駆使して魔法のように作り上げている。だが私は思った。「こだわらなければ、いけるのでは?」
というわけで、目標予算8000円。限られた小遣いの中で、なるべくストレスの少ない「働き方改革的ディスプレイ」を、なんとか作ってみることにした。
※もちろんこれは自己満足の記録であり、技術的に正しいかどうかは知らない。良い子はマネするなら自己責任でお願いします。電源周りとか、たぶん一番危ないところは「勢い」でなんとかしています。
コンセプト
さて、モバイル液晶。もう、これでいけるんじゃね?って思ってる。だって、わざわざ「デザイン」なんかにこだわってる場合じゃないんだよね。とにかく「最低限」使えればオッケー。だから、これから言う要件を満たせれば、もう十分なんだ。
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最低限、事務作業ができること
ワードとかエクセルとか、そんなレベルで十分。フルHD?そんなのいらん。だって、細かい作業するわけでもないし、文字が見えれば問題なし。 -
持ち運びや収納が楽
なんでデスクトップ並みにモニタが必要なのか、そもそも理解できない。荷物になるのは避けたいから、できるだけコンパクトにしたいよね。 -
バッテリー駆動(最低1時間)
ケーブル引きずってやるの、だるいし。バッテリーで1時間くらい持つなら、会議の合間にサクッと使えるから問題ない。 -
ケーブルやコネクタも同じ箱に入れて持ち運べること
何で液晶とケーブルがバラバラで別々に持ち歩くんだよ…全部ひとまとめにして、片手でサッと持ち運べるようにしたいだけ。 -
部品は流用する。
だって、部品買い直すなんてバカバカしいじゃん。あるものでなんとかするのが男の流儀ってやつよ。 -
加工と耐久は最低限(重要)
完璧じゃなくても、まぁ「使える」範囲でいいんだよ。壊れなければそれでオッケー。むしろ、適当に作ってる感が味わい深い。
作ったもの
結局、A3ケースの中に14インチ液晶(解像度1333×768)を詰め込んで、持ち運べるスタイルにしてみた。これなら、出先でもさっと使えるだろうと。
使うときは、クリアケースの蓋に液晶を挟み込んで、はい、表示!見た目とか気にしないで、実用一点張りでやってます。
ケーブルや電源周りのコネクタ類は同じケースに格納でき、ケーブルを探すことも防止可能。
A3ケースなので14インチ液晶に対してスペースに余裕があります。そのため、空きスペースにモバイルバッテリーやらケーブル類を格納することができる。
使い方と収納
液晶を使うときは、なんか貝みたいな形になるんですよ。A3サイズの幅は取るけど、使わないときは立てかけておけばいいから、収納性は意外と良いんです。
しかも、持ち運び用の取っ手もあるんで、これで携帯性もそれなりに良くなりました。なんだかんだで、手軽に持ち運べる感じになってます。
作り方
「作る」って言っても、結局は切って貼って箱に収めるだけ。30〜40分もあれば終わっちゃいます。
手順は簡単だし、気軽に作れるから、ちょっとした空き時間にサクッとできちゃう。
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液晶パネルとコントローラの動作チェック
まずは液晶パネルとコントローラがちゃんと動くか確認しましょう。これ、やっとかないと後で「え?」ってなるからね。
また持ち運び用の取手もあるので、それなりに携帯性も良い形になった。
作り方(続き)
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プラダンを液晶よりも縦横2cmほど大きめにカット
なんとなく「ちょっと大きめ」が安心だよね。ピッタリに切ってから「あ、はみ出た」とか泣きたくない。
カットしたら液晶パネルをプラダンに貼ります。接着はもちろん、我らがグルーガン。ホットでメルトなやつ。 -
コントローラを裏に貼り付ける
液晶とプラダンの裏側に、そっとコントローラを取り付けます。
このあたりから「電子工作やってる感」が出てくるけど、落ち着いて、焦らず、貼る。 -
モバイルバッテリーから電源をつなぐ
男は黙って直結。モバイルバッテリーの5Vを、液晶コントローラに供給します。
あ、もちろんこのままだと動かないんで、昇圧ケーブルはあとで出てきます。 -
プラダンの切れ端で液晶がズレないように調整
ケースの中で液晶がガタガタ動くと、精神的に良くない。
だから、プラダンの切れ端を挟んで、そっと押さえてやる。優しさとは、こういうところに出る。 -
ケースの周辺にプチプチを貼る
プチプチ。あの衝撃吸収の王様。貼るだけで液晶に「守られてる感」が出る。
しかも見た目もちょっとガジェットっぽくなって満足度アップ。 -
昇圧ケーブルで5Vを12Vにして完成!
ついにここで昇圧ケーブルの出番。
モバイルバッテリーの5Vを、液晶コントローラの12Vに変換して、やっと表示される。
そう、努力は電圧のように「上げていく」ものだ。完成、おめでとうございます。
材料費
材料は以下の通りです(2025年春時点)。
いろいろ買い揃えると合計 8,950円 ですが、モバイルバッテリーとグルーガンは元々持ってました。
液晶パネルはヤフオクで中古をゲットし、さらに初回クーポンを使用。
結果として、実質 6,550円 で済みました。
- 液晶
- 3000円
- 液晶コントローラ
- 3750円
- A3ドキュメントケース
- 300円
- 5-12V昇圧ケーブル
- 500円 (一本あたり)
- モバイルバッテリー(10000mAh)
- 1000円
- グルーガン
- 200円
- グルーガンスティック
- 100円
- プラダン
- 100円
参考 購入した材料
調達先:ダイソー
プラスチックダンボール 100円
調達先:amazon
購入時は液晶パネルの型番にあったコントローラを買いましょう。また、aliexpressではもっと安くコントローラが買えると思いますが、手っ取り早くamazonで購入しました。
液晶:2000円(クーポン使用)
yahooオークションで中古で購入しました。初回利用だと1000円引きだったので2000円で購入できました。手元に動かないPCがあるならそれを流用してもいいかもしれません。(その場合はそれにあった液晶コントローラーを使いましょう)
5V 12V 変換 USB DC 昇圧ケーブル :500円(一本あたり)
https://amzn.asia/d/1S1iKt3